2002年9月〜12月28日のニュース 過去のニュース一覧 表紙へ戻る
河東町青年会主催
「三遊亭好楽一門落語会」
地元一丸500人の声援
好二郎が熱演で応える
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河東町青年会(吉田恵三会長)が主催して2002年12月22日、三遊亭好楽一門落語会が福島県河東町総合体育館アリーナで開催された。出演は、三遊亭好楽師匠、三遊亭円之助、三遊亭好二郎、三遊亭王楽、伊藤夢葉。晴天の空の下、河東町の町民や隣接する会津若松市の市民らおよそ500人が会場にあつまった。 一番太鼓を打つ好二郎の心のうちも感謝の気持ちでいっぱいであったことだろう。 |
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河東町青年会会長で三遊亭好二郎後援会会長の吉田氏は、好二郎氏の学生時代からの友人。東京の学生寮では、ルームメイトとして青春時代を過ごした。吉田氏は「好二郎をスターに」を合言葉に青年会活動を牽引、チケット販売や会場設営などを指揮してきた。同青年会は全国の青年会の中で特に優秀な活動を展開したことで知られており、表彰されている。好二郎を故郷で支える地元青年会の活躍にまず敬意を表したい。 |
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会場となった河東町総合体育館は、国体開催とともに建設された。収容人員も多く、この体育館を満員にするための地元青年会の活躍は、並大抵の努力ではなかったことだろう。それぞれの仕事をもちながらのチケット販売では、仕事明けに1軒1軒訪問し、好二郎の魅力を伝え、賛同を募ったという。新聞にオリコミ広告を打つなど広範な市民にもアピールし、地元一丸で好二郎の2度目の凱旋公演を支えたのである。 |
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こうして迎えられた好楽一門も気合十分。いつも以上の気合が楽屋にはあった。 写真は、楽屋での好二郎の後ろ姿。高校・大学とラグビーで鍛えあげられた筋肉は今も健在だ。 |
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好二郎が慕う兄さん三遊亭円之助さんも、後輩のためにサイン色紙を書くなど協力していた。 |
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前座の王楽さん。好二郎については「いつも丁寧な指導があり、勉強になっています」とのこと。後輩からも慕われる好二郎の姿が伺えた。 |
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マジックの伊藤夢葉さん。サービス精神旺盛で、一門の移動や食事では、場を和ませるギャグを連発。緊張感をやわらげていた。 |
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好二郎の師匠、ご存知三遊亭好楽師匠。楽屋では弟子のために、やはりサイン色紙を書いていた。大きな存在感に緊張する記者にも気軽に声を掛け、万事にわたって好二郎の凱旋公演を盛り立てた。 |
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いよいよ開演。周到に会場を見回り、音合わせなどをしてチェック。円之助さんが「バッチリだぜ!」と合図を送った。 |
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とはいえ、好二郎の緊張感は高まる一方。王楽さんが前座として高座にあがるなか、しきりに覗き穴から会場の様子をうかがう。「きょうのお客様はどんな笑いを求めているのだろう」。気になって仕方がない様子だった。 |
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出演直前。好二郎は高座裏の通路をいったりきたり。何度も往復した。緊張感はピークに達していて、とても声をかけられる状況ではない。集中力を高め、高座で全てをだしきるのだ。 |
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好二郎の演目は「てんしき」。 会場は爆笑の連続。 「やった!」という思いが関係者にも伝わった。 観客の一人は高座での好二郎が大きく見えたと言う。 また好二郎の母は、「お客様から、『好二郎さん、背が伸びたんじゃない』と言われ、何よりの誉め言葉と思いました。落語家が高座で大きく見えたという言葉は最大の賛辞ですね」と話していた。 |
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円之助さんもまた、お客様を巧みにいじり大熱演。 「好二郎と円之助、セット販売でよろしく!」と河東町の皆様のハートをがっちりつかんでいた。 |
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客席はパイプ椅子と柔道の畳を敷き詰めてつくられた。高座は、やはり柔道の赤い畳を積みあげるなどして設営され、工夫している。主催者が「高座をどう作ろうか?」考えた時、柔道の畳で代替えできないかと思いついたという。全てが手作りの落語会なのである。 |
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円之助さんの熱演が終わり中入へ。 その後は、夢葉さんのマジック。 |
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楽屋でステージ衣装に着替えた夢葉さんを見て好二郎の母は「見違えちゃったわよ」と送り出す。 「普段着じゃだめなのかい?」と夢葉さん。 好二郎の母は、楽屋でも大車輪の活躍ぶりで、出演者や関係者を支えていた。 |
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トリはもちろん三遊亭好楽師匠。 枕では、翌日12月23日に放映され、好二郎が出演した「NHK新人演芸大賞」に触れ、「笑点は見なくてもいいですから、NHKは見てください」と弟子の活躍ぶりを称えた。 |
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好楽師匠は人情噺をたっぷりと聞かせ、会場を沸かした。 |
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落語会も終わり、会場を去るお客様。 皆、大満足といった様子で、帰っていく。 年齢層も幅広く、町民がどっと押し寄せたことが分かった。 |
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好二郎後援会の入会申し込みブース。 たくさんの方々が好二郎の噺に魅了され、署名していった。 |
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落語会を終えて打ち上げ。 河東町のメーンストリート広田駅前のお食事処「まるみや」で行なわれた。青年会のメンバーら約20人にくわえ、好二郎の母の友人、河東町町長以下、町の要職者らが駆けつけ会の成功を祝った。いずれの方々もお酒が強く、宴の盛り上がりは最高潮に達した。 |
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中学時代の剣道仲間の店、会津若松市内「まうい亭」にも顔をだす。 ちなみに好二郎はコテがうまかったそう。 背が小さくコテしか打てなかったが、それが冴え渡り、「カミソリ」の異名をもっていたという。 |
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新装したばかりのお店「庭」。会津若松市役所のそばの実に品のいいおしゃれなお店。 真新しい暖簾に「噺家 三遊亭好二郎」と大書きした。 |
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「庭」の前で記念撮影。 好二郎は本当に多くの人に声援を贈られ、支えられ、高座に上がっている。 好二郎の母は「本当に幸せ者。皆様の恩返しのためにも、一年でも早く真打ちになって、活躍する様子を地元の方々に見せて欲しい」と話していた。 |
河東町青年会と出演者の皆様 ありがとうございました。 今後とも変わらぬご声援をお願い申し上げます。 注 河東町は、福島県中西部、河沼郡(かわぬまぐん)東端の町。 猪苗代湖の北西に位置し、南は会津若松市に接している。 東部の翁島丘陵(おきなじまきゅうりょう)、西部の会津盆地からなり、 北境沿いに日橋川(にっぱしがわ)が位置し、猪苗代湖より流れ出ている。 1957年(昭和32)、日橋、堂島の2村が合併して河東村となり、78年(昭和53年)町制施行。 面積は39.57km2。人口は9,610人(2000年国勢調査)。 2002年12月28日配信 |
フォトルポルタージュ「NHK新人演芸大賞の夜」
「口惜しい!楽しい!」
三遊亭好二郎、朝まで熱唱
![]() 会場のイイノホール7階付近 |
10月19日午後5時。今にも泣き出しそうな曇天の空模様。 真向かいの日比谷公園は人影がまばらだったが、 東京・日比谷のイイノホールにはNHKの制作車両が横付けされ、会場の7階にステージのライトが灯ると、ホール入口には続々と観客が訪れ始めた。 この日、NHK新人演芸大賞の本選。演芸部門6組、落語部門5人が、それぞれの部門別で大賞の栄冠を目指して競った。 開場の午後6時前には長蛇の列が築かれ、行列は7階から1階までに及んだ。観客は、やはり演芸と落語部門に分かれ、演芸部門が目当てなのだろう、10代の少女が最前列を陣取る。落語部門のファンと入り混じり、年齢性別とも雑多な観客が行列を作っていた。 |
![]() 会場そばの時事通信社 |
本頁から派遣された好二郎応援チーム男女10人は、6時ちょうどに全員集合。会場になだれ込んでいった。 10人が陣取った席は、会場中段のほぼ中央。いよいよ始まる好二郎の晴れ舞台に、高揚感が最高潮に達しようとしていた。 落語部門の予選には東西の落語家65人が予選会に出場。突破したのは、桂吉弥(平成6年12月、桂吉朝入門)、桂米吉(平成7年12月、同入門)、古今亭菊之丞(平成3年5月、古今亭円菊入門)、立川笑志(昭和63年7月、立川談志入門)、そして三遊亭好二郎(平成10年8月、三遊亭好楽入門)の5人。 |
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今年の3月に二ツ目昇進を果たしたばかりの好二郎は初の出場。4年目の芸歴でこの会場に立っていることだけでも快挙であることが分かる。 そして、NHKのディレクターの指導で観客が拍手の練習をした後、いよいよ幕があがり、華やかな舞台セットが浮かび上がった。 司会の坂下千里子さんと森下和哉さんの紹介で、出演者が一人ひとり舞台のセンターへ。 好二郎さんは「一度はサラリーマンになるも、大好きな朝寝が出来るのでは、と落語家に。楽しい高座を目指し精進する目下の悩みは昼寝の時間がないこととか」と紹介されながら登場した。 この紹介文言はだれが考案したのか? 応援チームで話題になる。というのも、他の落語家は実に真面目なプロフィールだったため。ふざけすぎではなかったか・・・・・・。好二郎らしい遊び心といえよう。 |
![]() 会場向かいの日比谷公園 |
好二郎、テレビ初出演となる今回のステージ登場シーンは、軽い歩調でやや斜めにかしげながらの小走り。欽ちゃんばしりっぽっかたとも言える。因みに他の落語家は比較的落ち着いていた感はあった。 ともあれ、印象としては落ち着きがなかった。オープニング、フィナーレで出演者一堂が勢ぞろいするのだが、好二郎は、どうも落ち着きがない。目立ちたい一心だったのか、やたら体が動いていた。 さて演目は、演芸部門終了後、いよいよ落語部門へ。 高座の順番は抽選で決められたという。好二郎さんは3番目に登場。激しい動きと音がある演芸部門の空気を、落語の世界に切り替えるのは容易ではない。この点はトップバッターは不利。3番手は、好位置と言えるだろう。 |
![]() 会場からは国会議事堂も見えた |
好二郎の噺はいきなり始まった、という感触があった。枕では「時間もないので唐突ですが・・・・・・」とダイエットの話。なんとなく早口で、若干緊張しているのかなという感じはあった。が、ともあれ、枕で一発ドッと沸かせ、観客をいじる。観客をいじったのは好二郎だけ。審査員をいじるか観客をいじるか、迷いもあったというが、まずまずの枕を終え「蛇含草」へ。もちを食べる所作が見せ場で、これはぴったりとハマった。会場もかなり盛り上がる。 そして、好二郎応援チームもまた、絶妙なタイミングで爆笑を連発し、会場の笑いを指導的に煽る。サポーターと好二郎の連携もバッチリだったといえよう。 |
![]() 反省の弁を語る好二郎 |
審査員は、山藤章二さん、山田邦子さん、円広志さんら。 好二郎の芸に対する感想は、「地味な話をテレビ的にアレンジしており、センスと個性を感じた。餅を食べる所作がよい。まだ4年目で今後が楽しみ」などと話していたかと思う。 すべての演目を終えた結果は・・・・・・ 大賞が、古今亭菊之丞、特別賞が立川笑志。 こうして好二郎のテレビ初収録は終わった。 |
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しかし、この日、好二郎節は収まらない。第2ステージは雨の日比谷、新橋に持ち越された。 反省会は応援チーム3人を交え、新橋駅ガードしたで行なわれた。 外は雨。賞を逃した好二郎には格好の反省会会場。 会場に宝くじの古いポスターが貼ってあり、賞金100万円とあった。 そしてビールぐいっと飲んで一言。 「50万円は欲しかったなあ」と好二郎。大賞には賞金50万円があったのだ。 「悔しい。でも面白い経験だった。枕では山田邦子さんの笑いをとったのはよかった。ものすごく楽しかった」と好二郎は話し、晴れやかな笑顔を浮かべていた。 |
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また「こんなに盛り上がる会場はなかった。例年に比べて出演者のレベルが高くて、うまい人が揃っていたね。お客様の反応もよかった」と悔しさをにじませながらも興奮が冷め遣らない好二郎。 カラオケになだれ込んでいった。 |
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そしていきなりカラオケ店員を引きずり込み、熱唱を始める。 もはや好二郎が何曲披露したかは覚えていない。 |
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こうして地道にファンをつくっていくのであった。 |
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まだまだ歌う。 |
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審査員の円広志さんへの配慮も忘れずに歌う。 |
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もういいだろ!と言っても歌う。 |
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ちなみにNHK新人演芸大賞の放送日はクリスマスイブイブの12月23日、午後1時5分から綜合テレビで放送されます。 |
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反省会は朝まで行なわれた。 だれしもが、もう満足といったあんばいだった。 そして、また明日の栄冠へ向けて稽古に励む好二郎であった。 2002年11月3日配信 |
読者プレゼント企画 好二郎を応援しよう
NHK新人演芸大賞
観覧チケットプレゼント
三遊亭好二郎さんが予選を突破し、出演を決めたNHK新人演芸大賞が10月19日土曜日(午後6時開場、9時30分終演予定)、イイノホールで開催されることに伴い、本頁読者若干名様(10名弱になる見込みで不確定)を抽選で御招待します。これは、三遊亭好二郎さんが日頃の応援に感謝を込めてプレゼントするもの。下記の応募要領でふるってご応募ください。皆さんも好二郎さんの晴れの舞台を一緒に応援しませんか。お待ちしています。
応募要領
電子メールに、@氏名(またはハンドルネーム)・A電子メールアドレス(または電話番号ほか、即時連絡とる方法を明記)、B希望人数(2名様まで)、C好二郎さんへのメッセージを明記の上、下記管理者宛の電子メールに送信してください。締め切り日時は、10月18日金曜日の午後11時30分まで。当選者の発表は、当選者ご本人に限り、電子メールか電話で通知します。枚数僅少かつ締め切りまでの時間が短いことをご了解いただき、なるべく早めにご応募いただくことをお奨めします。
管理者宛電子メールはこちらをクリック
当選者へのチケットプレゼントは当日会場での手渡しとなります。
当日の出演者
落語部門(50音順)
桂吉弥:お玉牛(大阪)
桂米吉:時うどん(大阪)
古今亭菊之丞:幇間腹(東京)
三遊亭好二郎:蛇含草(東京)
立川笑志:反対俥(東京)
演芸部門(50音順)
アンジャッシュ
イヌがニャーと泣いた日
おぎやはぎ
オジンオズボーン
シュガーライフ
ブラックマヨネーズ
放送はNHKテレビ12/23 13:05〜の予定です。
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