2003年1月26日〜4月5日のニュース  過去のニュース一覧  表紙へ戻る

第27回定例落語会
三遊亭好二郎独演会 ケイコとマナブ
稽古に励もう好二郎

3月26日、江戸二八そば「寿々喜屋」(東京都墨田区石原2-15-1)で好二郎独演会があった。
出演と演目は次のとおり。

鳳志「真田小僧」
好二郎「看板のピン」
仲入
なぞのゲストによる日本舞踊
好二郎「茶の湯」

大いに盛り上がった会の後には美味しい蕎麦とお酒が振舞われた。
好二郎さんらを囲み落語談義に花が咲いた。
自身の出来に、ややご不満の好二郎さんはうかない表情。
会津・白虎剣士の好二郎さんはいつでも腹を切る覚悟で高座に上がっているという。
たとえ会場がうけていようが、それは問題ではない。
誰もが納得する完成された落語を目指し、いつも真剣勝負だ。
でも、酒が入ると忘れちゃう。

それが、三遊亭好二郎である。




注・お客様の感想などは掲示板の書き込みをご覧下さい。

2003年4月5日配信

三遊亭大楽さん二つ目昇進おめでとうございます
3月6日、三遊亭大楽さんの二つ目昇進口上が両国亭で行なわれた。
高座に一門の二つ目の皆さんが高座にあがり祝いの言葉を述べた。
好二郎さんは、司会を務めていた。

2003年4月5日配信

(写真提供=糊屋の婆さま)



渾身ルポ 
「審査員はあなた! ヤング落語バトル」
好二郎、一票が遠かった

2003年2月3日 浅草橋アドリブ小劇場

文と写真 糊屋の婆

さて「ヤングバトル」のレポートです。

 司会は三遊亭愛楽さん。このひとのキンキラ衣装の雰囲気は、通販のインチキプロショッパー的でとても好き。

それはそれとして、当日は6人の若くない若手噺家さんの、観客による投票形式のコンテストでした。入場の際に手渡された落花生を、演者全員の高座が終わった後、一番良かったと思う噺家の名前が書いてある投票箱に入れ、その数でグランプリを決める仕組みだ。

出演順もくじ引きで決める、といっていたが、一番手、二番手は、スケジュールの都合上、最初から、柳如さん、円之助さんと決まっていた。とてもおいしい仕事が入ったのだろう。気もそぞろだ。一刻も早くおいしい営業へ。ケツカッチンしているから、さっさと終わらせなきゃね。

 一番手は春風亭柳如さん。演し物は『居酒屋』。ご存知3代目三遊亭金馬師の代名詞的な噺だ。しかし何となくではあるが、お客の小僧に対する絡み具合が弱いような気がした。噺のなかで酒をどんどん飲ませていき、ジワジワ泥酔し、どんどん絡みがエスカレートしていったほうがよいと思う。金馬師は、節目節目に「ご酒替わりだよ」といってお替りを注文し、どんどん酔っ払っていく様子をこちらに伝えていたもんね。酒を一口飲んで大げさに「何だこの酒!」というリアクションをとるよりも、飲んだ後溜息をついて「あーやんなっちゃったなあ〜」とアンニュイになって、「おれも酸ぱ口は初めてだ」などとしみじみ言わせたほうがいいね。とにかくこなれていない出来でした。

 続く2番手は、三遊亭円之助さん。演し物は『がまの油』。これは実に惜しかった。よっぽど営業が気になっていたのか、それともコンテストのプレッシャーに舞い上がってしまったのか、前半の口上の部分で噛んでしまったのだ。これは致命傷である。ここのところは絶対に、さらりと完璧に演じなければいけない。そして後半のズブズブ状態との対比で、笑わせる仕掛けなのだ。その後半の酔っ払い加減も難しいところである。グデングデンに酔ってもいけない。なぜなら、そんな状態だと何言ってるのかもわからないし、観客も面白くない。むしろほろ酔いにして、変な酒癖を出させる演出の方が面白いしリアリティがある。例えば、飲むとめんどくさがりになるとか、大雑把になるとか。それががまの油うりの仕事に反映され、面白さが出るのではないか。同じ酔っ払いでも『居酒屋』と『がまの油』では、演出が違うのである。

 さて、3番手は五街道喜助さん。演し物は『代書屋』。これはよい出来でした。『代書屋』自体が、笑いの多い筋立てになっていますが、それでも依頼人のトンチンカンで無頓着で人の話を聞いていないキャラが際立って、面白かった。

 そして、4番手はわれらが三遊亭好二郎さん。演し物は『短命』。意外に結構むずかしい噺。前半の説明部分で笑いはとれるが、特に好二郎さんの場合、下から覗き込むように話すしぐさがとてもおかしい。相変わらずの早口だけど、軽快なテンポではっきりと聞き取れる。後半のおかみさんの演じ方にも、独特のテンポが続く。ここはリアリティよりも極端にデフォルメしたほうが面白い。「いくらなんでも、そんな女いねーよ」ぐらいで良く、飯のよそい方、放り投げるしぐさなど、それをクサくならずにさらっと演出する技術はすごい。志ん朝の影がチラホラする。

 5番手は、三遊亭神楽さん。演し物は『肥瓶』。このひとはけっこう実力者だと思う。話す仕草に余裕が見られ、その間がとてもここちよい。惜しむらくは、もう少し派手な演出があってもよかったのかもしれないが、骨太であっさりとした味がこの人の魅力で、そうした味が噺にもよく表れていた。その部分に集まるファンも多いだろうと感じさせる高座であった。

さて、最後の6番手は三遊亭上楽さん。演し物は『新聞記事』。全体的に投げやりともとれるトボけた味がある噺家だが、どうも全体的にこなれていない感じが残った。妙な間が空くところも気になった。

 以上6人が高座を務め、審査に入るのだが、投票箱のそばにいてあせりの色は隠せなかった。圧倒的に五街道喜助さんに投票するひとが多い。とてもいやな予感。しかし予感的中。グランプリはやはり五街道喜助さん。われらが好二郎さんは、2位とのこと。優勝商品は投票でいれてくれた落花生。シャレが利いてますねえ。

 でもしかたない。確かに喜助さんは実力があったが、『代書屋』VS『短命』では、分かり易さ、噺自体の面白さで『代書屋』が有利に働いてしまう。それでも僅差につけた好二郎の実力の方が注目に値するのではないだろうかと思い、睡魔も迫ってきましたので、レポート完了。

2003年2月8日配信


明日の落語界を担う若手噺家の競演

「二つ目ランド〜境界を超えて
本頁読者が特別リポート


2003年1月19日 日曜日 お江戸日本橋亭


トリを務めた三遊亭好二郎さん
まず、前座の桂才ころさんに続いて古今亭菊朗さん。

この人のマクラから「二つ目ランド〜境界を超えて〜」の本領を発揮。そう、菊朗さんは落語協会所属で、落語芸術協会や円楽党、立川流をコキ下ろしておりました(シャレですよ、シャレ。マジにしないでね)。落語協会から他の団体へ行くことはあっても、向こうからこちらにはこられないと(笑、これもシャレね)。

噺は「長短」。「気の長短」とも言いますが、これはもう「間」だけで笑わせなければなりませんので、非常に難しいです。不自然に短気でも不自然に暢気でもダメなんですね。そのさじ加減が困難。久しぶりのご披露とのことでしたが、見事でした。とは言え、やはり亡くなられた柳家小さん師が、一番うまいでしょうね。

続いて春風亭昇輔さん。この人のマクラは、菊朗さんの芸協批判を受けての切り返しですが、あっさり協会の非力を認めてしまうところが面白い。「セリーグが落語協会。パリーグは上方落語協会。芸協は社会人野球」などと自分で落とし込んでどうすんだ、この!(笑い)。

噺は「愛宕山」。元々上方噺ですが、八代目桂文楽や古今亭志ん朝師が、うま
かった。いきなり山を上っているシーンからスタートとはうまい。マクラが押してしまったもんね。これはしょうがない。これは幇間の一八が、とことん調子モンであることを強調するところが大事で、本来なら山登りの前に前日の宿屋のシーンがあるんです。そこで一八が、さんざん大口を叩くんです。そして翌日はまったく使い物にならない。このギャップが面白いんですね。そこを省いてしまったけど、もし前半を演っていれば、その対比が明らかになりもっと面白くなったでしょうね。

ここで仲入り。そして抽選会。

さて3番手は三遊亭小田原丈さん。この人は着物が奇抜だけど、決してそれに頼っていない。全く別の雰囲気に持っていく力のある人ですね。新作の人だから、決して落語臭さがなく、マクラも、例えば学校クラスの面白い男の子がみんなの前で面白い話を聞かせていると言う感じで、あっという間に自分の世界にお客を持っていける人だと思いました。マクラは、けっこう面白かったんですが、やはり着物の派手さに目がいってしまい、内容は忘れてしまいました。

ネタは師匠・三遊亭円丈師譲りのシュールな新作。血液型でひっぱるのは面白いですが、惜しむらくは、彼氏が彼女を唐突にナイフで刺してしまうシーン。あそこはもっと大げさにあわてて演ってほしかった。なぜなら彼の師匠・三遊亭円丈師ならばこんな風に演るだろうなという姿が目に浮かんでしまい、どうしても比べてしまうからです。でも、面白い。ネタの構成力は抜群です。

四番手はひざ替わりとして、漫才の〆さばアタルヒカル。やはりたけし軍団。拉致はハングル語で「なっち」と発音する。モー娘。の安倍なつみを引き合いに出し、「あれも『北』だし・・」「北海道出身なだけだよ」など、ブラックなネタ満載でした。

トリは三遊亭好二郎さん。ネタは「お見立て」。マクラはさらりと郭の説明。噺にあっという間に入り、喜瀬川花魁と杢兵衛お大尽に挟まれた若い衆・喜助の狼狽ぶりが見事!惚れ直しました。お世辞抜きにうまい。先が楽しみだア。

(情報提供=糊屋の婆さま)

いよいよ本題へ。三遊亭好二郎さん

抽選会の模様。春風亭昇輔さん(左)と古今亭菊朗さん

抽選会の賞品の一つサイン色紙
当選者のとぼみさんは、
「ほんとにうれしかったので、額に入れようと思っていて、日光で焼けないように、
UV吸収剤の入ったガラスかポリカーボネートを使用しようと検討中」
と話していた。
将来この色紙は重要な価値を持つことになるでしょう。
ご当選おめでとうございます。

(写真提供=とぼみ様)

2003年1月26日配信
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