日々の思いをイラストを交えて淡々と綴ります 好二郎
この連載は、原則として、五・十日(ごとうび=5と10の日)に更新します 過去の動静一覧 表紙へ戻る
2004年5月・6月・7月
HP読者情報に感謝 白とピンクで身を守る 7月30日。 蚊は、黒が好きで、白が苦手だという貴重な情報をこのホームページで知った。素晴らしいホームページである。 蚊は白が嫌い。 これを知っていれば鬼に金棒、妻にお金である。 さっそく白い服を着るようにする。 確かに今まで、私は黒い服を中心に着ていた。蚊に好かれるのも無理はない。これからは白だ。服はもちろんだが、シーツも青から白にかえ、本棚の本は背表紙の白いものを前面に出した。 食べ物も豆腐やしらす、キャベツのしんなど、白いものを中心に食べることにする。苦手だった牛乳やヨーグルトが急に好きになった。 もう、大丈夫である。 それにしても、蚊はどうして白が嫌いなのだろう。そもそも、蚊は色を識別できるのだろうか? 「あの男は陽に焼けて肌がこげ茶である。おいしそう」とか、「色白の女ほどブスはいねェゼ」とか「あの人は顔色が悪いが、血が足りないんじゃないか」などと考えているのだろうか。 我が娘によると、犬や猫は白黒にしか見えないという。 「なぜ、そんなことがわかるんだ?」と聞いたら、「だってきいたモン」という。 本人(この場合は本犬)が言うのだから間違いない。 そんなことはどうでもいい。問題は蚊だ。 蚊が色を識別できるのなら、文字だって、判別できそうだ。訓練すれば「やめて」とか「刺さないで」という私のメッセージを伝えられるかもしれない。 マ、それまでには時間がかかるだろう。今は白いバスタオルで身を包み自らを守ろう。 ・・・・・・そうだ。 ところで、妻は何色が嫌いなのだろう? 「え? 私? 私さぁ、ピンクが嫌いなのよねぇ」 「苦手? ピンクが?」 「うん」 ・・・・・・私は今、白いバスタオルを身にまとい、ピンクのタオルを頭に巻いて、我が身を守っている。 2004年8月2日配信 |
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「俺についてこい!」 7月25日。 まったく、よくまあこうも暑い日が続くものである。仕事で出かけるのも億劫だし、高座でしゃべるのも集中力がもたない。まして、家の中で稽古なんて出来たもんじゃない。加えて子ども達が夏休みで毎日ウチにいるのである。 しかも「あづぃよォ」「ぐェ〜冷たいものをぐれ〜」なんて叫んでいて、「だらだらしないでしっかりしなさい」「早く起きて!歯を磨いて!ああ、さっさと着替えろォー!」などと妻に怒鳴られているのである。益々暑い。 で、この炎天下、子どもをつれ、自転車で遠出をした。 なぜ、そんなことをしてしまったのかと言うと、妻が「具合が悪いの」と言って畳の上に大の字になってしまったのと、「どこかに連れてけー!」と子ども達が叫びつづけたからである。 まあ、自転車で走っても暑い! 風が吹こうが、日陰に入ろうが、ダメ。家からもってきた水筒はあっという間になくなってしまった。 子ども達は駆け出した犬のように「ハァハァ」いっているし、私もなんだかクラクラする。 そこで「かき氷」を食べることにした。 我が家にとってはとても贅沢なことである。 妻が一緒だったら決して許されない。 「かき氷食べよう!」 「え? ママに怒られない?」 「大丈夫さ!黙っていれば」 「私だまってられるか、わからない」 「怒られたっていいじゃないか!」 「そうよね、ここで倒れるより、あとでママに怒られたほうがマシよね」 「そうだ俺についてこい!」 「ワァー、パパ、カッコイイー」 「でも、なるべく黙ってろよ!」 「ハーイ!」 そんな会話をしながら食べたかき氷はとてもうまかった。 やっぱり夏は「かき氷」に限る。そして、妻は留守番がいい。 2004年7月25日配信 |
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好二郎の会に出演してください! 7月20日。 駅前や路上で唄を歌っている人たちがいる。私は彼らが大好きで、仕事の帰りなどに見かけると必ず立ち止まって耳を傾ける。 中でも私が大好きな歌手さんに「煌」さんがいる。 「きらびやか」と読む。 はじめはもっと簡単な字にすればいいのにと思ったが、これで覚えてしまえば、忘れ難い長所があるからそれでいいのだろう(いくら読みやすくしても、好二郎、あるいは好作、などでは歌は売れない。もっとも忘れに難くすればいいかといえばそうでもない。楽花生、花楽京など忘れ難いが歌ははやらない)。 前座修行をしていた頃、重たい荷物をもって池袋の駅前をヨタヨタ歩いていた時に見かけたのが「煌」さんの二人組みだ。 ギターを弾きながら唄う彼氏と元気な彼女の声がとてもステキで、二曲、三曲と、時を忘れて聴いていた。聴き終わって、元気になった。 それから何度か聴きにいって、元気になって帰ってきた。 二ツ目になって、なんだかんだと忙しく、2年間、まるきり彼らの歌を耳にしていなかった。 それが一昨日、偶然見かけたのである。 あんまり懐かしかったので、思わず声を掛けてしまった。 「で、ヘ、ファンです」 着物姿の変な人に声をかけられて、彼らも困ったことであろう。でも、ファンなのだから仕方がない。 近く、自分の会があるときは是非出演してもらおうと思っている。 2004年7月20日配信 |
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今、裏声の練習中
7月15日。
何年か前、タップダンスが流行する気がして、ひそかに練習を始めていた。その時もう少し真剣に取り組んでおけば良かったと後悔している。
気がつくと、案の定タップは流行りだし、「よし、がんばるぞ!」と思った頃には流行は隆盛を極め、「タップって難しいなあ」と私が悩んでいた頃には、「タップの次は何が流行るだろうか」と巷で言われるようになっていた。それでもすぐにやめるのはもったいないからと、公園や自転車置き場でカタカタ足を鳴らしていたが、まるっきり上達しないのと自転車置き場に防犯カメラが設置されたために練習しなくなった。 タップダンスはあきらめた。では、次に何か。ある情報通の方から聞いたところによると5年後、空前の「ヨーデル」ブームが訪れるらしい。
しかも、これまで個人を中心にした活動ではなく、5人から10人いや、それ以上の団体で歌う「ヨーデル」が流行るらしい。
5年あれば間に合うはずだ。私は今、裏声を練習している。
2004年7月16日配信
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もう顔もみたいくない! 7月10日分。 日記を書くのが遅くなりまして、申し訳ございません。 突然だが、私は蚊が大嫌いである。人の血を無断で吸いあげ、痒がらせる蚊が好きだと言う人は少ないだろう。嫌いだと言う人が圧倒的に多いに違いない。 でも、私の「嫌い」はそんなものじゃない。とにかく嫌い。大嫌い。すごく嫌い、もうイヤ、ヤメテ!近づかないで!顔も見たくないわ!出て行って!ケイサツ呼ぶわよ!ウソなんかじゃないんだから!というくらいに嫌いである。 何が気に食わないといって、音もなく近づいて血を吸った挙句、痒みを残す、あのやり方である。しかも、そっと近づくならいつでもそっと近づけばいいのに、電気を消して目をつむった途端「ブーン」と耳元で羽音をたてるのだ。 卑怯だ! 道路工事の騒音よりも、AMラジオの雑音よりも、女房・子どもの奇声よりも不快な「ブーン」という音! ああ、いやだ! しかも私を刺す蚊はズルイ!必ず私の体の”端っこ”を刺す。耳の上、瞼の先、唇の端、手の小指、足の親指、くるぶし、人差し指と中指の間の水かきみたいなところ、そんなところばかりを刺す。 ああ、いや!本当にいや!刺すなら堂々と刺せ、腹の真中を刺せ!太ももの一番広いところを刺せ!かきやすい左腕の内側を刺してみろ! 耳元で「ブーン」といったら私はもう眠れない。今どこかを刺しているに違いないと思うとじっとしていられない。顔を思い切りパンパン叩き、足をバタつかせ、腕をふりまわす。 時々「無礼者!姿を見せい!」などと叫ぶ。 そこまでするのに朝見るとしっかり足の裏がくわれている。 ああ、なんとかしてくれ。――ちなみに「蚊取り線香とか、電気蚊取りマットを使えば!」という人がいるが、私はその手のものを使うと、アレルギーなのか、クシャミがとまらなくなる。蚊よりも効いてしまうのである。 ああ、蚊のいない国に行きたい・…。 2004年7月13日配信 |
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もうブータンに行く! 7月5日。 先日、久しぶりに管理者くんと会って一杯飲んだ。 二人でのんびり飲むのは一年ぶりくらいであろうか。 相変わらず彼は幸せそうだった。 事実、管理者くん自身「俺幸せっスよ、本当に」と言っている。 「仕事ばかりで女っ気なくて、それでも幸せなの?」と念を押しても「幸せっスね」と涼しい顔である。 ”幸せ”と言えば、二人の話題はこの”幸せ”に集中した。博学なる管理者くんによると『ブータン王国』なる国家は、国の基本的なものさしにGNPやGDPではなく、GNHを使っているという。 で、「このHは何だ」と聞くと、「ハッピーってことですよ」という。 なるほど、モノや金ではなく「国民が幸せと感じること」を中心に国づくりを考える、というのはとても大事なことであり、至極当たり前のことであり、とくに今の世の中には必要な指針であり、しかし、夢物語のようにも思えた。 実際、そんな国があることを知って、ブータン王国へ、是非一度行ってみたいと思った。 私達はそんなブータン王国への熱い思いを語り合った。間々に、「そこに彼女がいるといいね」とか「そんな国で好きな人と暮らしたらいいだろうね」などと言ったら、「マァ、女なんていなくても同じですけどね」から「理想としてはそういう女の人と一緒がいいですね」に変わり、「〇〇やXXが僕の好みに合えばすぐにでも結婚したい」と言うようになったかと思ったら、「〇〇やXXなんてどうでもいいです。ステキな女性なら」。 最後のビールを飲み干して帰るころには「女の人ならなんでもいいです」。 管理者くんは幸せな人である。でも、その幸せには何かが足りない。しかも一番大事なものが・・・・・・。 2004年7月5日配信 |
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仕事がない。 6月30日。 近頃、いろいろな方から、「落語会はやらないんですか?」「好二郎さんの落語、まるっきり聴いていませんね」「仕事していないようですけれど、どうやって暮らしているのですか?」などと聞かれる。 中には「どこでやっているのか、ちゃんと教えて下さいよ」という人もいる。 教えたいのは山々だが、なんと、やっていないので教えられないのである。 はっきり言って、仕事がとても少ないのだ。 もちろんまるっきりない訳ではないのだが、(昨日も、ある幼稚園で幼稚園児と保護者の前で落語をやってきた。この園児たちが元気で可愛い上にその辺の大人よりきちんと落語を聴いてくれたのでびっくりした)落語会の出演が少ないので、お知らせしにくい。 どうやって暮らしているのか? と聞かれれば、「きりつめて暮らしている」と答えるほかない。 方々に働きかけているのだが、なかなか仕事につながらない。 ああ、仕事! 仕事が欲しい。嘆いていばかりもいられない。一生懸命探していますので、どうぞ皆様、見捨てないでね。 2004年6月30日配信 |
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草野球をしよう! 6月25日。 近鉄とオリックスの合併問題で球界が揺れている。2リーグ制の見直しとか、年俸制の問題とか、「ファンを無視している!」なんて声も聞かれて、なかなか賑やかである。 私の友人なぞは「もし2チームが合併して”オリッ鉄”になったら野球ファンをやめる!」などとくだらないことを言ってこの合併問題を嘆いている。 私には夢中になって応援するチームはないのだが、強いていえば、父の影響で西武ファン(というより西鉄ファンか)であり、アンチ巨人である。で、子どものころ「巨人ばかり放送しないで、現時点で一位のチームを放送すればいいのにね。そうしたら選手も頑張れると思うよ。それで、セリーグかパリーグかは日本シリーズで勝ったほうにすれば、すごく盛り上がると思うんだけど」というようなことを会津弁で父に言ったら、「・・・・・・マ、世の中そうはいかねえんだよ」と。 「どうして?」 「お金が絡むんだ、野球だって何だって」 「お金がどうしてからむの?」 「そのうちわかるよ」 「へぇ」 今になって少しわかる。プロである以上お金は大事で、時に選手やプレーより大切なのである。そう思うと近頃のプロ野球はつまらない。つまらないからと言ってグズグズ文句を言っていてはもっとつまらない。 よし、今度の休みに草野球をしよう。ビール片手に金のかからない楽しい野球をしよう。 2004年6月25日配信 |
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快適な着物暮らし 6月20日 近頃、着物姿で出歩くことが多い。何だって着るものは着物だから、正確に言えば和服で表に出ることが多い、というべきだろうか。とにかく和服でいると楽である。 時間的に周りに合わせられないからあきらめるのが早い。電車に乗るのに閉まりかけのドアに駆け込むなんて和服だとまるっきり考えられない。だから一本遅い電車に乗る。 一本遅い電車に乗ることになるから家を早めに出る。家を早めに出るのでどこに行っても余裕がある。余裕があるから楽である。 で、私の妻は古い着物をバラして色々なものを作る。「じんべいのようなもの」だとか「とても細い袴」などは私のお気に入りで、よく身につける。 先日、「ズボンのような袴」が少し長いので、妻に直してもらった。翌日、「そのズボンのような袴をはいて出掛けるとなかなかはき心地がいい。なにせ「ズボンのような袴」だから階段の昇り降りが楽である。 うれしくなって階段を駆け下りると、私の下を歩いていたサラリーマンが「グェ!」と叫んで首を押えた。周りをキョロキョロ見まわして、もう一度、首の辺りをさすって、「チエッ」と舌打ちすると再び歩き出した。 何があったんだろうとサラリーマンが叫んだところに立ってみると、そこに落ちていたのは「まち針」だった。手にしてみると明らかに妻が愛用しているまち針である。してみると私のズボン袴についていたまち針が、私が足を投げ出したところに飛んでいって、サラリーマンの首をチクリとやったに違いない。帰ってから妻にその話をすると「ああそう」とあっさり答えた。しかも、その姿は何となくガッカリしている。 どういうことだろう。もしかすると、そのまち針で狙ったのは、私のことなのかもしれない。 2004年6月23日配信 |
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雨男の三遊亭王楽くん 6月16日。 王楽くんの二ツ目昇進披露公演が銀座ガスホールで行なわれた。 王楽くんは私の師匠、好楽師の長男なので、当然私も手伝いに行った。出演メンバーの顔ぶれが豪華だし、休憩時間にも色々と趣向を凝らしているので、面白い。 それにしても心配だったのは天気だ。何せ好楽師匠も王楽くんもすこぶる付の「雨男」である。何かイベントがあれば必ず雨。それも大雨になることが多い。先日の「王楽くん二ツ目昇進パーティ」も強風を伴う大雨だった。だから、この二ツ目昇進披露公演も3日間雨か、少なくとも2日間は雨になるだろうと思っていた。 が、ご覧の通り快晴つづきである。素晴らしい。 たぶんこのつけは他の誰かにまわっているのだろう。最近急に不幸になったペットが逃げ出して帰ってこない。ぎっくり腰が再発した、そういう人がいたら、きっと王楽くんのせいである。 2004年6月18日配信 |
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あらためて娘を愛しく思う
6月10日 長崎の小学生の女児が起こした事件は、特に同じ年頃の子ども持つ親には考えさせられることが多かったに違いない。
我が家にも二人の娘がいて、上の子はもう10歳だから他人ごとではない。すぐに暴れるこの長女は何か事件を起こしても不思議ではない。
本人曰く「大丈夫よ。私は学校ではおとなしくて暴れたりしないから」と言うが、被害者にだってなり得るのだから安心できない。心配である。
長崎の事件はこれからいろいろな形で分析され、処理されるだろうが、結局決定的な解決法や未然に防ぐ方法にはたどり着かないだろう。そして、同じような事件は繰り返し、我が子が加害者に、被害者になるかもしれない。
そんなことを考えながら長女を見ると、食いすぎて苦しいのだろう、仰向けにに寝転んだままウーウーうなり声をあげている姿はとても間抜けだが、いつもより愛しく思える。
「考えてみると、よく無事にここまで育ったな」
そう妻に言うと「そうね本当によく育ったわね。これといった事件にも遭わなかったし、偉いわよ」。そう言いながら長女の体を撫でる。
「小さいけれど、ちゃんとお肉もついているし、骨もしっかりしているし・・・・・・美味しそう」
長女が飛び起きた。
「食べるためにここまで育てたんかい!」・・・・・・
我が家はきっと家の中で事件が起きる。
2004年6月11日配信
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強くなりたい! 6月5日。 何度も言う。私は、とても弱い。特に冷房に弱い。まるでダメで、今年もすでに6回、冷房風邪を引いてしまった。 色々な食べ物、飲み物を試して冷房に強い体を作ろうとしているのだが、今のところ、これだ!というものが見つからない。 唯一、寒気と鼻水が止まるのは落語を話しているときだが、そうそう落語を喋ってばかりもいられない。で、今日も「とても苦い水」だとか、「びっくりするくらい辛いお茶」、「とても飲めたもんじゃないすっぱいお湯」などを口にしてひっくり返っているのである。 もう一度言う。私は体が弱い。で、色々な先輩方に「どうしたらいいでしょう」と相談すると、「噺家はんて歯さえ丈夫ならいいんだよ」という。 そうだ、歯だ。歯さえよければいいんだ! 勇気を得た私はすぐに歯医者に行く。 と、「歯と歯の間が汚れてます。糸で歯間磨きをしてください」。 さっそく、歯磨き用の糸で歯間磨きをしてみた。見事に血が出た。口の中が血だらけである。 私ははも弱い。 2004年6月6日配信 |
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長女火を吹き 妻笑う 6月1日。 先日、恒例の「えんじぇる寄席『第5回、大判ぶるまいスペシャルバージョン』が上野広小路亭で開かれ、大入り満員、楽しい時間を過ごせた。 席亭のYさんはたいしたもので、集客、プログラム、スタッフの手配などなど一人でこなすのだから頭が下がる。 もっとも本人は「私は言うだけであとは周りの人がやってくれてる」ということなのだそうだが、周りの人が手伝ってくれるだけ、やはり本人に魅力があるのだろう。 これからも是非続けて欲しい会である。 で、この会は、必ず打ち上げがあって、随分と飲むのだが、軟弱な禁酒をしている私は、それでも飲む量をいつもの3分の1に抑えて帰宅した。 そして実家の母親が作った特製の健康酢を飲もうとした(これは大変辛いもので、水9割ぐらいうすめるとマァようやく飲めるという品物。酒を飲んだあとにコップ1杯飲めば、翌朝決して二日酔いにならない) すると冷蔵庫の中にコップ4分の3ほどこの健康酢が入っている。 普段はペットボトルに入っているので、おかしいと思って妻に聞くと、我が長女が風呂上りに麦茶と間違えて原液のままザブリと飲んだらしい。 「どうなった?」 「口から火、噴いてた」 「火?」 「あつい、のどが痛い、苦しいって言ってた」 「どうした?」 「どうした?ってどうしようもないから見てた」 「そしたら?」 「泣いてた」 「で、お前は?」 「笑った」 「・・・・・・」 「あの健康酢って、体に悪いわね。へへへへ」―――。 2004年6月2日配信 |
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田んぼを作ってみたよ!
5月25日
我が家に、田んぼができた。といってもマンションの一室に本物の田んぼを作った訳ではなく、衣装ケースに土を詰めた簡易田んぼである。
なぜそんなものを作ったのかと言えば、話は簡単で、稲の苗が手に入ったからである。もちろん多くはない。2束というか、2本というか、いずれにしてもそれだけである。
それでも田んぼを作って苗を植える作業は大変である。妻と二人、夜中に土をつめ、肥料を混ぜ、たっぷりと水を張ったときには少し汗ばんだ。
衣装ケースでそれである。本物の田んぼを相手にして仕事をしている農家の人は大変だ。
田植えそのものは、すぐに終わった。浅目に慎重に植える。
これで大事に育てれば、秋にはお米がとれるのである。どのくらいかは知らないが、自分たちで植え育てたお米はとても美味しいに違いない。私と妻はそんな話をしながら、しばらく我が家の田んぼを見つめたのである。
ところが3日、4日と過ぎると、苗は萎え、色あせ、弱りだしたのである。
そして1週間が過ぎた頃、完全に枯れてしまったのである!
ああなんてこった!
口惜しい!
我が家の田んぼが!
苗のない田んぼなんて、ただベランダにある邪魔な土の塊じゃあないか!
……我が家は早くも凶作である。
2004年5月25日配信
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飲みたい人は 早めのご予約を 5月20日。 近頃、飲むと記憶をなくすようになった。 元来お酒に弱い私は、度を越して飲むと気分が悪くなるか、その場(居酒屋だろうが、カラオケBOXであろうが、路上だろうが関係なく)寝てしまうのが常だった。 ところが、最近、飲みすぎたな、と思っても気分はいいし、眠くならないのだが、その辺りから記憶がなくなるのである。 今までそんなことがなかったので、とてもこわい。 記憶がないというのは、気持ちが悪いより気持ちが悪い。 翌日必死になって思い出そうとするのだが、まるっきりダメである。 これはいけない。 と、いうことで私は禁酒することにした。 以前からどうしても酒がなくては生きていけない、という人間ではなかったので、お酒を断つのは楽である。 禁酒、する。 もっとも、飲む約束をしている、すでにスケジュールが入っているものは断るのも相手に失礼なので、それだけは飲むが、その予定・予約を済ませたら、絶対に禁酒する。 ちなみに、予定は再来年まで入っている。 2004年5月21日配信 |
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「好二郎の噺を聴きたい!」 力を得る好二郎 5月15日。 私は落語家である。が、仕事のない平日は、浴衣を着てベランダに出たり、公園を散歩したりしているので、リハビリに積極的な入院患者と変わらない。 そこで、ボーッとしている時間は、名人上手と言われる諸先輩方の噺を聴くのに限る、と、テープを聴くようになった。昼間っから部屋の中に落語がずっと流れているのである。さぞ、落語音痴の我が妻は嫌がるだろうと思ったら、さにあらず。黙って聴いているのである。 文楽、志ん生、円生、金馬から、円楽、談志、志ん朝、いろいろな噺家を聞く。 一日だけでなく、三日、四日、一週間と聴きつづける。それでも妻は文句一つ言わず、黙って聴いている。時々うなずいたりする。こわい。二週間目ぐらいになると、演者がトチる度に舌打ちするようになった。彼女は落語の何かをつかんだらしい。 それにしても名人、上手と言われる人達の落語をずっと聴いていると「さて、これから私がこれと同じ噺をする意味があるのだろうか?」などと、真剣に考えてしまう。 妻に話すと、「いいのよ、他人は他人。あなたは自分でやりたいようにやればいいのよ。あなたの落語を聴きたいっていう人もいるんだから」という。 素晴らしい。 「そんなことを言っているひまがあったら、また、テープでも聴けば?」 そのとおりである。私は少し力を得た気分になって、「さあて、今日は誰の落語を聞こうかな」と言うと妻が、「あなた以外だったら誰でもいいわよ」――。 妻よ、貴様は敵なのか、味方なのか! 2004年5月16日配信 |
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好二郎は年金を払っているのか?! 5月10日。 国民年金の未納・未加入問題で、福田官房長官が辞任した。残念である。好きだったのになあ。記者会見での記者との駆け引きは、見ていて楽しかった。 私は、政治家を、というより人間の好き嫌いの基準を「面白い人か」「面白くない人か」において判断するのでニヒルな受け答えのうまい福田さんを「とても面白い人」だと思って尊敬していた。 きっと福田さんは「イギリスジョーク集」を勉強していたに違いない。知的で落ち着きのある笑いはイギリスの紳士好みだ。知的といっても「ユダヤジョーク集」的ではない。ユダヤジョーク集にするには知的+ずるさ+金が必要だ。福田さんにはずるさと金の印象が少し足りない。 ユダヤジョークは亡くなった金丸さんあたりがよく似合う。 アメリカンジョークは陽気で大げさでとてもマヌケだから森元首相なんかがいい。 「フランスジョーク」は誰だろう。色っぽい。んー、山崎さんはいい線だが、山崎さんの場合はちょっとエゲツない露骨な部分もあるので「パーティジョーク」、下ネタ笑いがいいだろう。 菅さんは古典的な失敗、つまり自分もそうなのにそれと知らずに相手をバカにしてみんなにバカにされるという形をとってしまったので、ジョークというよりイソップ物語以前の民話に通ずるものがある。 小泉首相は何か。ジョークにはいいのが見当たらない。民話でもないし、まして小説ではない。 看板。そう標識。標識がいい。それも「ここは泳ぐのにも魚釣りにも安全に適した場所ではありません」などというものではない。「どうかここから泥棒に入らないで下さい」などという笑いも含んでいない。「立入禁止!」「小便無用!」「激辛!」などという簡潔なものがよく似合う。 それにしても福田さん。たぶん近いうちに首相の座につくであろう福田さん。今度、表舞台に立つときも、知的な「イギリスジョーク」風の姿勢を保ってください。 ついでに日本の小噺的な、落語家的な政治家って誰かいるだろうか? 小沢さんではないし、田中さんでもないし、安倍さんでもない。考えてみるとだれもいない。 いなくて正解だ。そんな人達が政治家だったら日本はすぐだめになる。 ・・・・・・たぶん噺家のほとんどはまともに年金を払っていない。 2004年5月9日配信 |
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嬉しさあまって・・・・・・ 「バンザイ」・・…なしよ 5月4日。 子どもの日を前に、どこにも遠出しないかわりにと、子ども達の好きな植物の苗を買いに出かけた。 近頃のガーデニングの店は、昔の植木屋と違って華やかでなかなか楽しい。花の苗はもちろん、土からプランターからタイル、レンガ、およそ庭にあるものはすべて売っていて、しかもそれが和風、洋風、ディズニーのキャラクターその他色々種類があるから子どもでも充分に楽しめる。 で、家族4人、店内をブラブラしながら、あの花がいいの、この花が美しいの、サボテンは意外と可愛いとか、「この植木鉢は何の変てつもないのに1万2千円もするのはおかしい、きっと名のあるトウゲー家の作品にちがいない」などと騒ぎながら歩いていると、「野菜苗コーナー」に行き当たった。 妻の「どうせ買うなら食べられるものがいいわね」の一言に野菜苗を買うことになった(妻は『食べられる』という言葉が大好きである。ちなみに、先日このHPで書いた何だか分からない、ニンニクのようなものの正体は未だにわからない)。 妻は「プチトマト」、私は「キュウリ」か「ナス」を主張したが、子ども達がどうしても「とうもろこし」がいいと言う。「おくら」や「かぼちゃ」も勧めてみたが、やっぱり「とうもろこし」がいいらしい。 下の娘が「とうもろこしがいい!」と叫んでいる。 なぜそんなにとうもろこしにこだわるのかと言うと『となりのトトロ』という映画で、病気の母親に子ども達が持っていくのがとうもろこしで、我が娘どもも、それをやってみたいらしい。 仕方がないので、「買おう!」と言うと、よほど嬉しかったのだろう、下の娘が「バンザイ!」と叫んだ。 が、勢いあまって、そのままひっくり返って何かの苗の上に座り込んでしまった。 まるっきりダメな娘である。 仕方がない。つぶれた苗は買わなきゃなぁとボンヤリ考えていると、妻もそれに気づいて、「買わなきゃダメよねェ」。 ところで、何の苗なのか。ひっくり返った札をめくってみると、「ピーマン」。 よりによって「ピーマン」。 娘達はピーマンが嫌いである。私はピーマンが好きではないし、妻はピーマンをあまり好まない。そのピーマンである。 私たちはグチャグチャになったピーマンの苗をたくさんかかえて帰った。 帰り道、原因を作った下の娘が「ママが病気になったら、ピーマンもっていくね」。 ・・・・・・うるさい。 2004年5月5日配信 |
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はしのおけいこ『右手用』がイイ! 5月1日。 先日、この欄に、「お箸の使い方がうまくなりたい」と書いたところ、早速あるお客様から「はしを正しく持つための練習具・はしのおけいこ」なる商品を贈っていただいた。 どんなものかというと、「このはしはもち方の練習用です」と書かれた黄色い箸が一膳。 「このはしは持ち方の練習用です」あるいは「このはしはもちかたのれんしゅうようです」とせずに、中途半端に漢字を使っているところがおしゃれである。 それから黄色いひよこ消しゴム5コ、青い魚の消しゴム5コ、いずれも子どもの人差し指第一間接大の大きさのものが、入っている。 そして、これが一番大事なのだが、はしの持ち方が上手になる秘密兵器、半透明で普通の消しゴムくらいの大きさ、これで箸をはさみ指を添えればたちまち持ち方がうまくなるという、その名もズバリ「はしのおけいこ」が一つ入っている。 箱の表面の説明書には、まずこれが『右手用』だとはっきり書かれている。 これは大切だ。一生懸命練習して、ようやくマスターしたら左手用だった、なんてことになったら大変だ。左手でしか箸がもてなくなって、「あら? あなた左利きだったの?」などと驚かれては、その「上手な持ち方」がまるっきり引き立たない。 まず、『右手用』を確認する。 箱の裏を返すと、1から4まで、おけいこのやり方が書いてある。「”はしのおけいこ”をはしの約4分の1の位置にはめ、親指と人差指にはさみ、薬指と親指ではしを持ったら、ひたすら中指、人差指ではしを上下させる練習をしろ」と1から3まで書いてある。 ここで、皆さんが「一体何に使うのだろう?」と心配していた「ひよこ&魚」の登場である。 計10コのひよこと魚をどうするのか。 つまむのである。 ひよこをつまんでは移動し、左にあった魚を右に動かしていると、いつの間にかはしが上手に持てるようになるから不思議である。だてに『児童かきかた研究所推薦商品』じゃない。 私はあっという間に上達した。 もちろんずっと、ひよこと魚をつまんでいると、いくら「このはしはもち方の練習用です」と書かれたはしでも本当の食事用はしのような気になってひよこと魚を食べたくなってしまう。 でも、大丈夫だ。 きちんとそこには注意書きが書いてあって、消しゴムだから食べてはいけないことが分かるようになっている。しかも、なぜ食べてはいけないかと言うと「飲み込むとのどにつまることがあります」としてあって実に分かりやすい。 のどにつまることがあるものは食べてはいけないのである。 この注意を守りながら練習を繰り返していたら、私は本当に持ち方がうまくなり、ひよこと魚をすべて縦に重ねることまで出来るようになったのである。ありがたいものだ。 ところが一つだけ問題があった。 それは、はじめに小さなくぼみにピッタリと入っていた10コのひよこ&魚たちが、収まってみるとどうしても一つだけ入らないのである。どうならべてもひよこ一つ分入らない。とっても口惜しい。 なんとしてでもきれいにいれてやる。元のとおりにしてやる。 今私がほしいのは「ひよこと魚すっきり入れるための練習具」である。 2004年5月4日配信 |