わたしが見た三遊亭兼好

兼好の落語を聞いた各界の方々から感想をお寄せいただきました

このコーナへのご投稿、お待ちしております。兼好の噺を聞いたうえでのご感想であれば、内容は問いません。下記の要領でお気軽にお寄せください。

ご応募は、名前またはペンネームを明記の上、メールにてお願い申し上げます。応募宛先はココ。

きばさん

満員の会場で笑える日が戻ることを

新型コロナウィルスで世界中がパニックの中、やっと寄席が再開された。

待ちに待った瞬間だった。聴衆は固唾を飲んで見守った。兼好師匠が話し出した途端、会場が揺れたように感じた。

この人はマクラだけでこんなに笑わせられるのか…娯楽に飢えた人が、手を叩いて笑っている。

間合い、目線、一挙手一投足に吸い込まれた。

あぁ、そうか。この臨場感は生でないと味わえない。1日でも早く終息して、マスクを外し、満員の会場で笑える日が戻ることを願わずにはいられない。

2020年8月11日配信



港のみ〜こさん
好二郎時代から見ていた



○月×日
「へぇ、好二郎さん?どんな人なんだか、ちょっと聴いてみようかな?」
と軽い気持ちで聴いた“好二郎”時代の兼好師匠の「青菜」。
屋敷にすぅっと通る爽やかな風を、目の動きだけで見事に表現しているのを見て、「おおぅ!タダ者じゃない!!」
別の日の高座のマクラで――。
「噺家が出てくると、住んでいるところの名前で声がかかる。たとえば、『待ってました!黒門町!たっぷり!!』とか。
自分は、町田(だったかな?)に住んでいて、近くには焼き場があるので、『町田!こんがり!!』でしょうかね。」
これが、自分的に無茶苦茶ツボ!!
以来、師匠の出の時に、「待ってました!!町田、こんがりっ!!」とやりたい!
・・・・という野望を抱き続けているのだが、いまだ果たせていない。

▽月□日
高尚なクラッシックのCDを探すべく(?)、CDショップに行く。
ふと見ると、落語コーナーが!
「へぇ〜、落語コーナーなんてあるんだ・・・。」
そこには、モニターがあり、なんと、息子のキリスト教かぶれ具合が絶妙な、兼好師匠の「宗論」が映し出されているではないか!!
(ほ・・・欲しい・・・)
気がつくと、『ワザオギ落語会 Vol 4』(兼好師「宗論」収録)を持ってレジに並んでいた。
う〜ん、まんまとCDショップのワナにはまってしまったか・・・。

△月●日
インターネットで、兼好師匠の日記を発見。
どうやら、更新はマメではないらしい。
そこで、数か月に一度チェックすることにする。
数か月に一度だと、だいたい新しいのが増えてるし、前に読んだのもいい具合に忘れてて、2度楽しめる。
それにしても、奥さんの料理が上手じゃないとか、日記がなかなか更新できないとか、たいしたネタでもないのに、どうしてあんなに、面白可笑しく書けるのだろう?
さすがに、マクラも抱腹絶倒な師匠だけはある。
日記じゃなくて、月記じゃ〜ん、と突っ込みを入れつつ(最近は、“月”記も怪しいのが悲しい・・・)、
毎回笑わせてもらっている。

□月◎日
久しぶりに兼好師匠の会に行く。素人のダンナを連れていくことにする。
「誰の公演?」
と聞くので、
「聞いたってわからないし、覚えられないでしょ。落語の(聴く方)プロ(自称)のチョイスに間違いないんだから、黙ってついてくればいいの。」
と言って、強引に連れて行ったが、とても受けていた。
理系のダンナは、着実に寄席系に改造されつつある。
2012年8月19日更新

秘書の見た!?12日間
〜好二郎最後の日1日前から兼好になっての10日間〜


【兼好まであと2日】
2008.8.30 (土)
大阪 繁昌亭 由瓶・好二郎二人会。120、30名の大入りの会場。

通常の両国の二人会と同じように、トークから(ただし、開演後・・・)。

由瓶さんをいじりたい放題いじり?

トークから毒を吐き!?

大阪のお客様もつかんだか!?

そんな感じでスタート〜!!

一席目は、プログラムはお楽しみになっていましたが、「宗論」でして。

『主イエ〜ス!キリストが・・・』の繰返しで、気がついたらば、あっという間に好二郎ワールドへ。『オーマイ・ガット!』で、笑いがヒートアップ。

二席目は、ネタ出しの「猫の災難」

お酒飲んじゃおうか〜!で、酔っ払い、壁際に徳利おいて、とくとくとくと注ぎ・・・。注げたが〜、さて、どうやって飲むの!?で、見事に壁が邪魔をしていた。なんだか、そんなのが楽しい繁昌亭でした。

【兼好まであと1日】
2008.8.31 (日)
大阪藤井寺 葛井寺。お寺さんにて、50,60名のお客さま。

以前、30の手習いで上がった、アコーディオン漫談のグレッグさん(9月から桂三枝師匠のお弟子さんで桂三陀さんとなるとのこと)の会のゲスト。

この日は、小さいお客さまからだいぶ上のお客さままで。

そんな、幅の広い客層のため。

必殺技?の二席『転失気』と『壷算』で決める!!

ある意味、らしい二席にて、好二郎の高座の幕が下りました。

【兼好 初日】
2008.9.1 (月)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

口上ではいくらか緊張気味だったご様子?

ヒザの色物さんが来ないというハプニングで、口上後の上がりの道楽師匠が、なんとか高座を延ばしましたが、やはり来ない模様・・・。

披露目初日から大丈夫か?と思ったのもつかの間。

なんと!!ヒザに登場したのが、師匠の好楽師匠!!

そして、そして、迫真の舞『芸者の一日』でトリへと交代。

そんな、師匠の上がって下さった後に、嬉しそうな様子で上がる兼好師匠。

マクラで、披露興行で自分の師匠にヒザをつとめて頂き、上がるなんてことは、そうないです!!と言いながら・・・。

噺に入っておどろいた、なんと!!披露興行初日に『だくだく』。

あまり、真打披露興行らしくはないが?兼好師匠らしくって。

真打になっても、この噺らしく、どんな状況も楽しんでしまおう!という意思表示のようでもありました。

【兼好 二日目】
2008.9.2 (火)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

ちょっとお疲れモードか?

大阪帰りに、初日の打ち上げ・・・。

二日目にして、声が早くも不安な状態。

大丈夫か?と何度も聴いているファンのあいだにも緊張がはしる!?

そんな二日目は、『小言幸兵衛』で軽めに乗り切る作戦か!?

しかし、前に上がった談幸師匠のくすぐりを見事に途中に入れ込むなどの技はさえていた!!

【兼好 三日目】
2008.9.3 (水)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

昨日、緊張が走ったが?

本日は、声の調子も、気にならず・・・。

いくらか復帰したのか!?

三日目にして、早くも一八の登場〜!!で、『うなぎの幇間』。

以前、幇間の気持ちはモデルがいなくて分からなくてとおっしゃていましたが・・・、いえいえ・・・と、そんなことを思ったのでした。

【兼好 四日目】
2008.9.4 (木)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

新宿末広亭で四派で深夜の持ち時間20分のあたりから、短縮バーションができたらしいこの噺。

四日目にして、花魁噺登場!!

これまたお得意の『お見立て』だいっ。

あら、杢兵大尽の活躍が少ない!?

田舎もんの活躍ないと〜!?

いえいえ、でも喜助大活躍だったなあ〜。

今日も、短縮バージョン!?

いきなり、花魁風邪ひいてるって言っといで〜!からでした。

【兼好 五日目】
2008.9.5 (金)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

兼好師匠と言ったらば、田舎もんと芝居もんに限るでしょ!?

そんなわけで待ってました!!の『一分茶番』。

前日の、杢兵大尽の活躍時間が少なかったためか?

もうちょっと田舎もんをやりたいと思ったのかなんなのか!?

本日、大活躍の権ちゃんでありました。

やっぱり、良いね、田舎もん。

田舎もんは地だとのうわさもあるけど(笑)・・・。

【兼好 六日目】
2008.9.6 (土)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

五日間、らし〜くらし〜くやってきまして。

折り返しまして六日目。

本日のあくびは、寄席のあくびなども織り交ぜながら。

今日、兼好のお披露目に来ちゃって〜!!とかなんとか言いながら・・・。

こういう遊びはやっぱり楽しいっ。

あくびは伝染するって言うけれど、退屈で退屈で〜なんってことはなく。

楽しく楽しくて、ならねぇ〜!

そんな六日目は『あくび指南』。

【兼好 七日目】
2008.9.7 (日)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

いざ、勝負!!と言う際の必殺技『壷算』の登場!!

東西若手選手権でもかけたというこの噺。

何回聴いても、なんだか楽しくなってしまう。

値引き交渉の際の、顔だけでのやり取りがなんとも良い感じ。

50銭値引く際の、幼児体験が、何パターンかあるようで、そんなところも、得意ネタで良く高座にかけているようですが、何度聴いても飽きさせない理由なんだろうな・・・とそんなことを思いながら。

「良いの買ったねっ♪良いの買ったねっ♪」と、真似をしながらきっとみんな帰ったのではないかと思った楽しい七日目でした。

【兼好 八日目】
2008.9.8 (月)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

寄席のトリらしく?ヒザが腹話術だったのでくすぐりに腹話術登場やら、前にかかった『金明竹』などをを織り込んでの『蒟蒻問答』・・・。

上がる直前まで、どこでどうやって他の方の聴いておられるのだろうというくらいに、良い感じのくすぐり・・・。

こういうことを、当日ぎりぎりでできるあたりがさすがだな〜と思う・・・。

そして、こう言ったお遊びで、寄席の楽しみであることを再確認させてもらった八日目でもありました。

やっぱり、こうでなくっちゃね寄席はと思ったのでありました。

【兼好 九日目】
2008.9.9 (火)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

八日間、兼好ワールド全開でしたが、トリですもの、ちょっと人情噺や長講も気になるというお客さまもいたことでしょう。

九日目にして、よっ!!きました!!

『井戸の茶碗』。

屑屋さんが行ったり来たりするくだりの場面転換が、以前から独特の方法で繰り広げられる兼好ワールド。

また、一段とパワーアップしていました。

初日の『だくだく』もでしたが、日々変化をする兼好ワールドを垣間見ました。

真打になっても、とまることなく日々新しいことに挑戦していかれるのだな〜と感じる九日目でした。

【兼好 十日目】
2008.9.10 (水)
両国 お江戸両国亭 真打披露興行。

泣いても笑って楽日です。

十日間の披露興行も今日でおしまい。

前座の、かっ好さんからお祝いムードで、兼好師匠に教わった噺ですと言って『八九笑』ではじまる。

千秋楽と言うこともあってか番組にお名前のなかった、兄弟子の好太郎師匠も上がるというサプライズ。

口上では、左橋師匠がウグイスを鳴き、それを受けて、好楽師匠が花火を打ち上げ!?お祝いムードたっぷりの口上。

トリがまっていますからとおっしゃって、かる〜く漫談で降りる好楽師匠。

そんなこんなで、高座も客席もお祝いムードで、トリの兼好師匠へバトンタッチ。

客席も
一緒になって唄いました。
一緒になって山を登りました。
一緒になってかわらけ投げました。
一緒になって傘ジャンプしました。
一緒になって縄ないました。
一緒になって竹ジャンプしました。

披露興行結びの一席『愛宕山』でした。
2008年10月5日配信


福島県・郡山の齋藤さん 江戸にタイムスリップ

感動を伝えたい衝動にかられ筆を?とりました。

兼好さん真打ち昇進おめでとうございます!

9月7日に両国亭に行き、並んで待つ間に常連さんと親しくなり、「せっかく遠くから来たなら最前列良いですよ」と席とっていただき、人生初体験の生の落語(今までTVで観るだけでした)をかぶりつき状態で堪能させていただきました!楽しかったです。

演者の名前を書いた紙(落語界の用語知らなくてすみません)の前に座り、橘也さんに声かけられました。

【膝おくり】覚えました!

師匠の皆さんそれぞれに個性あり、江戸時代、明治時代にタイムスリップしちゃいました…。

兼好さんのお兄さんから話を聞いておりました。いつか観たいなあ!と願っておりました。

これからも健康に気をつかいながら、円楽一門もとい落語界発展のため精進してください!
2008年9月19日配信


そそら さん 出会いは「時そば」

今を去ること数年前、本屋さんの2階で聞いた「時そば」は、聞きながら、「この先 どうなるんだろう?」と思わせるものでした。

 それは、好二郎さんの“この先”ではなく、噺の“この先”です。

何度も聞いて誰でも知ってる「時そば」です。

特にアレンジがあった訳でもなく、お噺自体も感動するようなストーリーではないと思うのですが、不思議な事に私の頭には、その先の話がなかったのです。

その場面、場面で頭がいっぱいで、先を考える余裕も必要もなかったんだと思います。

 これを一言で表現すると、
「惹きつけられた」となってしまうのかもしれません。なんだ つまらない。ただただ 惹きつけられた だけだったのです。

兼好さんは、そんな噺家です。
2008年9月7日配信


文比古さん 真打昇進にふさわしい出来栄え

 7/21大銀座落語祭の「死神」はすばらしかった。小屋のつくりが寄席らしくなく、小屋の中で聴く感じもプラスに働いたかもしれない。それにしても大成長。真打昇進にふさわしい出来栄え。益々の精進を祈るや切。
2008年8月17日配信


千葉県市川市在住 高橋さん 賞賛に何度もうなずく

 千葉県市川市在住の高橋と申します。

 昨日津田沼の某広告会社の取材で、初めて「梅田寄席」を体験いたしました。時間に遅れてしまいましたが、前半の林家たけ平さんのイケメンのお顔に魅了されましたが、ご縁ってこういうことなんですね。

 後半の好二郎さんのインテリっぽい語り口にすっかり嵌ってしまいました。硬派の落語家さんですね。

 ブログを見て、他の方の賞賛に何度もうなずき、私もいてもたってもいられずメールを書くことにしました。

 外国のエディターの方も絶賛されてますが、同様の感想です

 好二郎さんのプロフィールを見ても好きなものが「黙っている時の妻子」。ユーモアのセンス〈どちらかと言うと英国的なブラックユーモアまで行かないが、グレーユーモアぐらいかな)を持ってらっしゃる落語家さんだなあ、と思いました。メキシコには気をつけて行ってらっしゃいませね。帰国されたら、また好二郎さんの落語を聞きに行きたいと思っています。
2007年6月9日配信


高円寺在住 りんたろうさんが見た好二郎

 三遊亭好二郎さんは、ひとことで言うと、端整な落語を見せてくれる人です。
 
 好二郎さんの高座は、野球に例えれば、
綺麗なフォームからキレのいい球を、小気味よく投げ込むタイプの投手だと思ってます。剛速球を投げ込んだり七色の変化球を操ったりするわけではありませんが、ライオンズの西口みたいな感じ、といえばわかる人も居るでしょうか。

 三遊亭好二郎さんは、"笑点"でおなじみの好楽師匠のお弟子さんです。好楽師匠は"笑点"の大喜利でも客いじりやメンバーとの掛け合いに頼ることなく(<-これが悪いといってるわけではないです。為念。)、綺麗な回答をする人ですが、実際に高座を拝見しても、ほんとに美しく噺をなさいます。

 そして好二郎さんの高座も師匠と同様、安心して身をゆだねていれば、古典落語の世界に気持ちよく誘ってもらえます。そんな好二郎さんの決め球は、これまで見てきた中では
「田舎もん」と「お調子もん」だと思っています。前者で「百川」「しの字嫌い」、後者で「看板のピン」「町内の若い衆」などが代表でしょうか。

 この拙文を読んで、多少なりとも興味を持った方は、ぜひ一度会に足を運んでいただきたい。おそらくはずれを引いた気分になることはないでしょうし、二つ目の会だから・・・と思いながら出かければ、望外の当たりを引いた気分になれるでしょう。
2005年9月11日配信

足立区在住 千寿緑さんがJALで見た
 
 昨日、北海道から帰ってまいりました。

 女満別空港から羽田行きの
JALに乗りましたところ、なななんと好二郎様の落語が流れていました。

 まさか、飛行機の中で聴けるとは、夢にも思いませんでした。

……すでに、雲の上の人になっているようでございます
(2005年8月29日配信)

中野在住、谷本さんが見た好二郎

 私、中野の谷本と申します。一度西日暮里5丁目会館で拝聴し、近頃にない大人の落語をしかも生で聞いて結構感動ものでした。

 回りの者には彼は近々全国的にブレイクするぞと、俺の目に狂いはないと豪語しているので、師匠!なんとかして欲しいぞなもし。

 ところで、先生!ホームページが暗くてよく見えないのは如何なものでしょうか。7月のスケジュールが楽しみ(なかなか行けないけれど行く気は充分なのです)梅雨時身体壊さぬようますますのご活躍をお祈りして 送信

(2002年6月30日配信)

二松亭花菊さんが見た好二郎

 さて、2002年3月3日(日)両国寄席に行ってきました。

 気合入れて(?)、1列目で拝見して参りました。

 1,2日と暖かい日が続いたのに、急に寒くなってしまって、「暖かくなってまいりましたね・・・という練習をしてきたのに(笑)」という挨拶から入った好二郎さんの噺は「手紙無筆」。

 流暢さが魅力の噺だけに、好二郎さんのテンポは絶妙

 「エーェーェーエーェー…」(すみません、文字になりません)は、“F-1が始まったのか?”と私を錯覚させ、「前文ごめんくだされたく候しからば…」のフレーズは、隅田川の川下りでもしているかのような滑らかさ。

 楽春チームの打ち上げの席でも、「初めて見たけど、あの間合い、俺は好きだ!」「春吉は、引き立て役みたいだったな・・・」と、三遊亭春吉後援会長氏が絶賛してましたから。

 ところで、マクラで、諸注意(電源をお切りください等)に添えて、「メールが日本で流行る理由は、文字を読んで楽しむ習慣があるから」と言っていましたが、本当にそうだと思いました。

 こうやって、寄席の感想を書いていても、誰も読んでくださらなかったら寂しいですからね。

 P.S 今までは、二松学舎と言えば、夏目漱石、吉田茂、荒井注、「たんけんぼくのまち」のチョーさん(正真正銘、落研の先輩)、MOON CHILDのボーカルの人、ぐらいしか著名人がいなかったのですが、これからは胸を張って「三遊亭好二郎さん!」と言えるのが嬉しいです

【編集人・注】この記事は、本頁がニ松亭花菊さんにお願いして書いていただいたものです。ご協力ありがとうございました。

 後援会長から見た好作氏の落語

 後援会長だから言う訳ではない(←自信はない)が、そこらへんの二ツ目の噺家さんより面白い
   
 後援会長だから言う訳ではないが(繰り返しになって申し訳ない)、だけなら真打ちにだって引けを取らない。それが前座、三遊亭好作だ。
  
 プロなのだから当然のことかもしれないが、好作氏は勉強熱心だ。
 
 元々が堅い人間なので、テレビよりも新聞や書物から素材を探し、少し難しいと思わせるような話題を巧みに料理する。
   
 難しいといっても、誰もが一度は聞いたことがあるだろう、時代にマッチした話題を取り入れ、観衆の興味をひきつつ、その場の雰囲気や客層に合わせ、笑いの渦を大きなものへと変えて行く。
  
 『これであなたも雑学博士』的な枕が多いため、聞いている客も「なるほどねぇ」などと頷く場面が多いのも特徴だ。
  
 テレビしか見ていない勉強不足な現代っ子にはウケないかもしれないが、知的心をくすぐる噺は、外国映画を字幕ナシに観て笑ったりしているような優越感にひたれる部分も持ち合わせている。
   
 また、主婦層を狙った『サザエさん』的な枕も得意だ。
 
 自身が携帯電話など持たぬ時代遅れの人間だという利点?を活かし、何でもない生活の中に転がっている「おっちょこちょい」なエピソード(←時に体験談)を取り入れたり、「今の世の中ココがおかしい」という話しを織り交ぜ共感を呼ぶ。
   
 肝心の落語(古典)は、まだまだ経験不足と言われても仕方がないが、お客さんとの一体感は真打ち並である。
 
 「頑固おやじのラーメン屋」的に仏頂面ながら笑いをとるベテラン師匠などもいるが、好作氏のスタイルは、『笑点』でおなじみの好楽師匠の如く、笑顔を忘れぬ話しぶりで、娯楽空間を演出するのである。
  
  私自身、後援会長でありながら、好作氏の噺を聴き、腹をかかえて大笑いする場面は少ない。、しかし、好作氏の噺を聴いているときの私は、どこからどう見ても「幸せ」な顔をしているに違いない。
  
  好作ワールドは娯楽の極みである。

識者の声(投稿)

Mickey=Clown
 さん【editor】 (ミッキー・クラウン、雑誌編集者、英国出身)

 三遊亭好作氏の落語に初めて接したのは、3年ほど前のことでしょうか。パイプいすを並べて作った客席から、高座はとても近くに感じられました。好作氏は、まだ駆け出しといってよい時期であったと思います。両国の小さな寄席でした。
 
 その当時は、私も来日して間もないころで、見るもの全てが珍しく、カルチャーショックの連続でした。だから、両国ではむしろ相撲レスラー、つまり力士ですね、を垣間見たことの衝撃が大きかったですね。
 
 そのご、日本文化を勉強しているうちに落語に再びたどりつくわけです。そして改めて好作氏の落語を聞きました。もうそのときは、寄席の会場もそれは立派なところで、高座は、物理的にもかなり遠くなっていましたね。あー、時代はながれたのだなあ、と素朴な感慨とともに別の発見もしました。
 
 私の日本語会話能力が向上し、ヒアリング力が増したから、とういのも一因ですが、ストレートに笑えるのです。実際、会場も笑いで渦巻いているのです。これは、グレイトって思いましたね。小気味いいという、日本の情緒的感情と江戸の文化を感じられたのです。瞼を閉じて想像力を働かせると、そこに江戸の街が見えてくるのです。
 
 もうすでに好作氏のとりこでした。当初は、日本語の勉強と文化に触れるために通った寄席も今ではピュアな笑いを求めている自分がいました。これからも注目していきたい日本人の一人ですね。できればお友達になりたいです。祖国のイギリスでの公演も実現したいと思っています。

この頁に掲載いただける投稿を募集しています。電子メールにてお送りください。原則として着信次第随時掲載します。  


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