CAROLE BAYER SAGER

at Feinstein's at the Regency in New York City

November 18, 2003


Musical Director : Randy Waldman
Band : Neil Stubenhaus, John Robinson, Kevin Clark, Bill Purse
Vocals : Nita Whitaker, Melanie Taylor, Adam Jackson, Doug LaBrecque

01. THEY'RE PLAYING MY SONG (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
02. COME IN FROM THE RAIN (Melissa Manchester, Carole Bayer Sager)
03. YOU'RE MOVING OUT TODAY (Bruce Roberts, Bette Midler, Carole Bayer Sager)
04. FLY AWAY (Peter Allen, David Foster, Carole Bayer Sager)
05. PLANES (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
06. ARTHUR'S THEME(BEST THAT YOU CAN DO) (Peter Allen, Burt Bacharach, Christopher Cross, Carole Bayer Sager)
07. A GROOVY KIND OF LOVE (Toni Wine, Carole Bayer Sager)
08. THROUGH THE EYES OF LOVE (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
09. DON'T CRY OUT LOUD (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
10. NOBODY DOES IT BETTER (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
11. WHEN I NEED YOU (Albert Hammond, Carole Bayer Sager)
12. IT'S MY TURN (Michael Masser, Carole Bayer Sager)
13. MIDNIGHT BLUE (Melissa Manchester, Carole Bayer Sager)
14. HEARTLIGHT (Neil Diamond, Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)
15. EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
16. THEY'RE PLAYING MY SONG (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
17. YOU AND ME (WE WANTED IT ALL) (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
18. I'M COMING HOME AGAIN (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager)
19. ON MY OWN (Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)
20. THE PRAYER (David Foster, Carole Bayer Sager)
21. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)
22. I'D RATHER LEAVE WHILE I'M IN LOVE (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
23. IF HE REALLY KNEW ME (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)

* こん太の報告 *

 2003年9月に「THE BOY FROM OZ」をブロードウェイに観に行って帰国後すぐ、9月20日にTHE ADVOCATE誌からいつものようにWeekly News Updateのメールが送られてきてチェックしてみると、中にRemembering Peter Allen, An Interview with Carole Bayer Sagerという記事がありました。これはものすごくいいインタビューなんですが、これを読んで作詞家のキャロル・ベイヤー・セイガーがニューヨークで11月にライブを行なう事を知りました(衝撃!)。実に25年振りだとか。ピーターの歌ももちろん歌うとキャロルは話してましたし、これはなんとしてでも見に聴きに行かなければということで、早速、僕の高校時代からの友人で現在はニューヨークに住んでいるSに連絡をとりました。キャロルのアルバム(1枚目の)を初めて買ったのも、高校時代Sと一緒に出かけた時でしたし、後の2枚のアルバムも全て、僕等の高校時代の愛聴盤でしたので、絶対聴きに行こうということで意見が一致しました。
 キャロルは2003年11月18日から22日まで、ニューヨークのPARK AVENUE 61 STREETのTHE REGENCYというホテルにある、ピアニストで歌手のMICHAEL FEINSTEINの所有するお店FEINSTEIN'Sで歌うということでしたので、早速Sが電話で予約してくれて、初日の18日に行く事に決定しました。
 11月17日の夕方にNYに到着。その夜はLINCOLN CENTERのAVERY FISHER HALLで行なわれた、HERE'S TO THE LADIES, A Celebration of Great Women in Jazzというイヴェントを途中から見ました。このホールはピーター・アレンも出演しライブ録音も行なっていますし、その夜そこで聴いたDIANA ROSSはキャロルの<COME IN FROM THE RAIN>を録音しており、この曲が高校時代ダイアナの大ファンだった僕とSがキャロルのファースト・アルバムを買った一つのキッカケでもあります。もうひとりの出演者DEE DEE BRIDGEWATERを僕が大好きになったのも、やっぱりキャロルの名曲<IT'S THE FALLING IN LOVE>を彼女が採り上げていることを知り、その曲の入ったDEE DEEのアルバムを買ったことだったのを思えば、全てがつながっているようで、不思議な感覚でした。
 キャロルのライブの初日18日は、夕方4時に起きて(って前日、朝帰りだったので…)、シャワーを浴びてばっちりオシャレして、5時半頃迎えに来たSと出かけました。Sが「絶対キャロルにお花をプレゼントしろ」って言うので、まず5番街の高島屋の1階の花屋で、素敵な花束を作ってもらい、カードも購入しました(合計:約52ドル)。ここの花屋はSの超お勧めらしく、花屋だけに限らず、ここ高島屋で買ったものをプレゼントするとNYのアメリカ人にはすごく受けがいいらしいです(やっぱ高級のイメージなのね)。
 そこから歩いて、61丁目のFEINSTEIN'Sには6時半頃着きました。お店のドアはホテルの入り口の横(ホテルの入り口からも入れます)で、このお店はおいしい朝食でも有名らしいです(次回は是非朝食を食べに来たい!)。広さは普通のライブ・ハウス並みでした(150席らしい)。ライブが始まるのは8時半だったのですが、それまでの2時間はお食事タイムです。僕等は3番乗りで、僕等のすぐ後に並んだのが、中年女性と若いツバメか?と思われるカップルでした。席に案内されてそこに座ると、先ほどのツバメ・カップルが隣の席に案内されてきました。女性の方がやけに愛想良く話しかけてきて、その後色々お話することになりました。 食事はコースが、40数ドルのCAROLE BAYER SAGERスペシャルと60数ドルのFEINSTEINスペシャル(って、正確にはちょっと違うかも)があったのですが、滅多にない機会なんでFEINSTEINの方にしました。
 隣のツバメ・カップルは、話を良く聞いてみると、カナダからキャロルを聴きにきたキャロル・ファンの親子であることが判明しました(若いツバメじゃなかったのね)。僕がこのライブの為に日本から来たことを言うと親子とも驚いていました。4人で話し始めると、この2人すごくキャロルに詳しくて、1996年にプロモーション用にだけ作られたキャロルの4枚組みCD BOX SET「SONGBOOK」や、キャロルが「EXTRAVAGANT GESTURES」という本を出版した時(1985年)に、これも宣伝用にだけ作られた同名の非売品シングル盤のことまで知っていました。僕がキャロルにサインしてもらおうと日本から持っていった<COME IN FROM THE RAIN>のアナログ・シングル盤を彼らに見せると大受け。もともとお母さんがキャロル・ファンで、その影響で息子のロブも大ファンになったとか。お母さんは、なぜかキャロルに顔が似ていました(Sに言わせると、エリザベス・テイラー似)。つけている宝石や服装から判断すると、かなりのお金持ちという結論に達しました(笑)。この辺、Sはチェックが速くてするどいんです。
 お酒が運ばれてきて、4人で盛り上がって乾杯。その後も、キャロルやピーター・アレン、ブルース・ロバーツ(Bruce Roberts)などの話は尽きませんでした。僕が「THE BOY FROM OZは観た?」と訊くと、「批評が悪かったので観るつもりはない」とあっさり言われてしまってショック!「キャロルの書いた歌も沢山使われてるし、あれは絶対観ないと!」と強く勧めておきましたが…。この親子から「キャロルの曲で一番何が好き?」と訊かれて僕は「好きな曲が多すぎて…」と答えたのですが、あとでじっくり考えてみて「<SWEET ALIBIS>かな…」と答えたら、「すごくいい趣味してるね」って褒められてしまいました(余談&自慢)。
 食事も運ばれてきて、しばらくは食事に集中しました。僕らが食事している間にもお客さんはどんどん増えて、だんだん席も一杯になってきたのですが、そうこうするうちに、なんとアメリカの黒柳徹子(?)ことバーバラ・ウォルターズ(Barbara Walters)が登場!僕の斜め後ろに座っている女性と立ち話を始めました。お話している相手は、誰かははっきりわかりませんでしたが、Sが言うには、多分女優だと思うとのことでした。どこかで見た顔って言ってました。僕は知らなかったので、多分アメリカのテレビ女優か何かでしょうか。すると、あらら、今度はカルバン・クライン(Calvin Klein)が登場です。彼は意外と背が低いんですね〜。Sは10年以上NYに住んでるので、あちこちに顔を出しているカルバンは20回ぐらい生で見ていて、もう新鮮味ないって言ってましたが(笑)。空いていたロブの横の席も埋まりました。メガネをかけたシャープな感じの女性が座られたのですが、その雰囲気から、Sとあれはただ者ではないだろうと推測していましたが、それが後になって誰であるかが判明することに…。お店を埋めてるお客さんの年齢はぐっと高めで、なおかつ皆さんお金持ち風な方ばかりでした。
 食事もほぼ終え、ライブが始まる8時半も近づいてきましたので、お酒でちょっと頭がボーッとなりながらも、キャロルに渡すカードを書くことにしました。一応別紙に下書きして、Sにチェックしてもらってから清書しました。これで準備もバッチリです。
 さてさて、いよいよキャロルのライブの始まりです。
01. THEY'RE PLAYING MY SONG (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)

 オープニングは、キャロルの歌ではなく、コーラスを担当する黒人女性2人による歌でスタート。この曲は1979年にニール・サイモン(Neil Simon)の脚本で、キャロルが詞、マーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)が曲を担当したミュージカル「THEY'RE PLAYING OUR SONG」からです。

02. COME IN FROM THE RAIN (Melissa Manchester, Carole Bayer Sager)

 そしてその後にキャロルが盛大な拍手を受けて登場。<COME IN FROM THE RAIN>を歌いました。長年ライブ活動をしていなかったキャロルからの挨拶の一曲です。歌の後、NY出身のキャロルにはやっぱり地元で歌うということは、特別感慨深いというコメントがありました。おかえりなさ〜い、キャロル。
若々しい容姿も、ユニークな‘ガラガラ婆さん声’も変わっていません。
03. YOU'RE MOVING OUT TODAY (Bruce Roberts, Bette Midler, Carole Bayer Sager)

 続いて、僕の大好きなおかしな歌です。ベット・ミドラー(Bette Midler)の歌でも知られていますね。

 「歌が完成する時は本当に不思議な気持ちがするわ。今まで取り組んできた歌にもうこれ以上何もする必要がなくなるというのは…。歌を誰かと共作するというのは、なにか凧と錨のようなもの…。一緒に歌を作っている相手が舞い上がりすぎて軌道を逸脱しようとしたら、もう一人が錨となってそれを引き止めるのよ」と言って、凧と錨の2人が歌われた歌詞を持つピーターとの共作の次の曲へ。

04. FLY AWAY (Peter Allen, David Foster, Carole Bayer Sager)


05. PLANES (Peter Allen, Carole Bayer Sager)

 スピーカーからピーターの歌声で<PLANES>が流れてきて、バックのモニターにはピーターの在りし日の写真が次々と映し出されました。ピーターの声にあわせてキャロルもこの曲にデュエットでからんでいきます。この曲は最近僕が特によく聴いていた曲でもあり、タイトルの通り飛行機の歌ということもあって、NYに向かう飛行機の中でも頭の中でずっと鳴っていましたので、もう早くも涙涙になってしまいました。

06. ARTHUR'S THEME(BEST THAT YOU CAN DO) (Peter Allen, Burt Bacharach, Christopher Cross, Carole Bayer Sager)

 今回のこのライブ自体、ヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)主演の「THE BOY FROM OZ」のブロードウェイ上演があったからこそ実現したものですし、もちろんキャロルもこのミュージカルについて話し、ヒュー・ジャックマンを大絶賛していました(なお、キャロルのライブの最終日、22日にはヒューもゲストで参加し、キャロルと共にピーターの歌を数曲歌ったらしいです)。
 でも最初のキッカケが「OZ」だったとはいえ、キャロル自身に実際にライブで歌うことまでを決意させたということは、本当に彼女のなかで大きな何かが動いたということでしょうね。お金は充分にあるキャロルですから、やっぱりこのライブはキャロルからピーターへの気持ちの表れなんだな〜と思いました。
07. A GROOVY KIND OF LOVE (Toni Wine, Carole Bayer Sager)
08. THROUGH THE EYES OF LOVE (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
09. DON'T CRY OUT LOUD (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
10. NOBODY DOES IT BETTER (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)
11. WHEN I NEED YOU (Albert Hammond, Carole Bayer Sager)
12. IT'S MY TURN (Michael Masser, Carole Bayer Sager)
13. MIDNIGHT BLUE (Melissa Manchester, Carole Bayer Sager)
14. HEARTLIGHT (Neil Diamond, Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)
15. EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN (Peter Allen, Carole Bayer Sager)
16. THEY'RE PLAYING MY SONG (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)


 これらの大ヒット曲、名曲の数々はメドレーで歌われました。聴いている各自がそれぞれこれらの曲にまつわる思い出あることでしょう。ほんとうにわくわくして胸が一杯になったメドレーでしたね。大好きな曲ばかりで、どの歌も自然と歌詞が口から出て来て一緒に歌ってしまいました。これらの曲は、キャロル自身はレコーディングしていないものばかりです。キャロルが最後に発表したレコードが1981年の3枚目のアルバムなので、是非是非新しいアルバムをこの勢いで発表してもらいたいものです。
 キャロルからは、いろんな人と歌を一緒に作る際のエピソードが語られました。ベット・ミドラーとは4曲一緒に作ったけど、この1行使っちゃいましょうよ、あれも入れちゃいましょう…って感じでどんどんなんでも詰め込んでいって完成させたので楽だった?みたいです。ピーターは忙しい人だったので、曲を作ってる途中で、例えば「ホルストンがバッグを作ってくれる約束があるから」などいろいろ別件で中断し、また別の日に改めて続きを作る…という風。バカラックは朝から晩まで「このコードはどうだ?こっちの方がいいか?」とずっとやってるような人らしく、こんな人と一緒に生活するのは大変だったろうなと、聞いているこちらまで思ってしまいました(だからやっぱり別れたのね)。それと初日には、ベットとカーリー・サイモン(Carly Simon)が来るという話だったのですが、彼女達の姿は客席に見当たりませんでした(泣)。

17. YOU AND ME (WE WANTED IT ALL) (Peter Allen, Carole Bayer Sager)

 これはもともとフランク・シナトラの為にピーターとキャロルが書いたもので、シナトラの3枚組みLP「TRILOGY」(1980年)に収められていた曲です。このシナトラのアルバムを持っていたSの、当時からのお気に入りでしたが、ここでも20数年の思い(何、それ?)が、一気に込み上げて来て涙涙でしたね。ロブのお隣のメガネの女性もこの曲では感極まった様子だったそうです。というのもこの女性は実は…(ひっぱるね〜、このネタ)。
18. I'M COMING HOME AGAIN (Bruce Roberts, Carole Bayer Sager)

 「ブルース・ロバーツと書いた曲で、おそらく誰も知らない曲だと思うわ」とコメントして歌われましたが、とんでもありません。これは多くの人に愛されている本当にいい曲ですよね。ロブもこの曲で泣いていたと、Sが後で報告してくれました。

19. ON MY OWN (Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)

 この曲はキャロルではなく、コーラスの女性の一人メラニー・テイラー(Melanie Taylor)とゲストで登場したアダム・ジャクソン(Adam Jackson)のデュエットで歌われ、キャロルはちょっと休憩。
20. THE PRAYER (David Foster, Carole Bayer Sager)

 今回のライブを聴きに来たひとグループに一枚ずつ、プレゼントとして「IT'S STILL OKAY TO DREAM」というオムニバスCD(
Save the Childrenというチャリティ企画のアルバム)がキャロルからのコメントのメモと共に、食事中に配られましたが、そのCDの1曲目にも収められていた曲。今度はもう1人のコーラスの女性(名前がわからない…)とゲストで登場したニール・ウィティカー(?)とかいう男性歌手とのデュエットで歌われました(2003年12月16日追記:正確には女性歌手の方の名前が、ニタ・ウェティカ(Nita Whitaker)で、男性歌手がDoug LaBrecqueであったことが判明しました…汗。ニタは自身のアルバムも発表しているかなり知られた方なのですね)。でも<ON MY OWN>といい、この曲といい、いわゆる'歌い上げ系'の歌ってなんというか、歌い手によっては出来はかなり'安い'って思いました。周りの観客には受けてたみたいですが。むしろ、僕はもっとキャロルの歌声が聴きたかったです。もちろん、キャロルからチャリティCDの説明がありました。

 そしてその後、バンドの紹介がありました。はっきりわかったのはベースのNeil Stubenhausだけなのですが、ケヴィン・クラークとかランディ・ウォルドマンとかも言っていたような…(あやふや)。ミュージシャンに詳しい方、これらの名前をご存知でしたら教えて下さい(2003年12月16日追記:キャロルのその日のバンド・メンバーが判りました。詳しくはこのページの一番上の記述を参照して下さい。ミュージシャンの情報を下さったKAZUBONさん、ありがとうございました!)

 引き続き、キャロルのお友達のセレブの紹介となり、それぞれの席に照明が当てられていきました。まずは、前アリスタ・レコード、そして現在J・レコードのボス、音楽業界の超大物オヤジ、クライヴ・デイヴィス(Clive Davis)が紹介されました。あら〜、来てたのね。それから、もちろんバーバラ・ウォルターズ、カルバン・クライン、そして僕達のテーブルの隣の隣、ロブの横のメガネの女性にスポットがあたりました。キャロルの紹介によると、なななんと、フランク・シナトラの娘さんのティナ・シナトラ(Tina Sinatra)(ナンシーの妹)だったのです!ビックリ!僕は彼女が歌った<サンタが町にやって来る>のレコードを持っているのですが、現在はこんな方だったのですね〜。(あと、デニス・リッチって誰?メモに殴り書きがあるけど不明…)。その後、キャロルのお母様や、現在のキャロルのダンナ様(たぶん4番目)Robert(Bob) Daly(調べてみたらchairman and CEO(最高経営責任者) of the Los Angeles Dodgers and former chairman of Warner Bros.という重要人物でした)が紹介されました。さすがですね。他にも特には紹介されないプチ・セレブは沢山来てたんだろうな〜と思います。でも、東洋人は僕とSだけ。誰も知らないからバレないだろうと、一応日本の有名人振っときました(ウソ)。


 (2003年12月16日追記:デニス・リッチは、女性ソングライターのDenise Richさんであったことが判明しました。その他この夜、来ていた有名人は、映画監督・プロデューサーのIrwin Winkler、バーバラ・ウォルターズの元ダンナ様で元テレビ・プロデューサーのMerv Adelsonがダイエット本で有名らしいNikki Haskellと共に(ということはウォルターズが話していたのはこの人かも…)、NYナンバー・ワンの弁護士と言われるAllen Grubman、またカナダのロブからの情報によると、ライブが始まる前にティナ・シナトラのところに挨拶に来ていたのが、映画プロデューサー、サンディ・ガリン(Sandy Gallin)だったそう。彼はDavid Geffenの長年の友達でもあり、カルバン・クラインと共にキャロルの親友なんだって。サンディ、デヴィッド、カルバンらのグループはハリウッドでは‘ゲイ・マフィア’て呼ばれているとか…。でも初日に来てたこういったセレブはキャロルの知り合いではあるんでしょうが、キャロルのアルバムを愛聴していたとはあまり考えにくいですよね…ぼそっ。)
21. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (Burt Bacharach, Carole Bayer Sager)

 そして、ライブはいよいよ大詰めです。キャロルと、先ほどデュエットを歌った4人も加わり、この曲が始まりました。キャロルに花束をプレゼントするのはこの時しかないと思い、花束を高島屋のカッコいい大きな紙袋(バラのマーク付きぢゃないよ)から取り出して、片手にはしっかりキャロルに渡すカードを持って、テーブルの隙間を小声で「すみません」と英語でいいながらすり抜けました。ステージ横まで来て、曲が間奏になるまで目立たぬようにひざまずいて待っていると、近くのテーブルの人たちも応援するような暖かい微笑みを投げてくれました。そして曲が間奏になった時、僕はキャロルの正面に出て、花束とカードをタイミングよく渡す事が出来ました。思いがけなかったのか、キャロルもすごく喜んでくださいました。その後すぐに席に戻ったのですが、席にもどる通路でも席のまわりでも「やったね!」ってカンジでみんなが一緒に喜んでくださって、特に僕の席の周りでは、前の席に座っていた人に肩を抱きかかえられたりして大盛り上がりでした!こういうところはアメリカ人(並びにその他)はすごくフランクですね。
 後でSに聞いたところ、僕が花束を渡しに行っている間に、ロブのお母さんが「彼はキャロルの大ファンで、日本から14時間飛行機に乗ってわざわざ今夜の為に来たのよ!」って周りの人々に言いまくってたそうで、その話には、ティナ・シナトラでさえ反応して、「本当なの?」と問いたそうな、ま〜るい目をしてSの顔を覗き込んでいたそうです。やっぱり14時間の飛行はアメリカ人にとってはかなり長いものなのでしょうか?(笑)。
 その後、THAT'S WHAT FRIENDS ARE FORの後半部分はロブの美人のお母さんが肩を組んできたので、2人で肩を組んで大合唱してしまいました(ダサい?赤面)。もちろん、まわりの皆も(さすが肩は組んでませんが)大合唱してたんですがね(爆)。

22. I'D RATHER LEAVE WHILE I'M IN LOVE (Peter Allen, Carole Bayer Sager)

 そして、いよいよラストの曲となりました。歌詞からして最後にふさわしい歌ですよね。ロブのお母さんの大好きな曲らしく、彼女も大泣きでした。皆さん、キャロルの歌に大喝采でした。

23. IF HE REALLY KNEW ME (Marvin Hamlisch, Carole Bayer Sager)

 そして、アンコールということで、なんと最後の最後にマーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)が登場!彼はキャロルの元ダンナ様(たぶん2番目)でもあった方です。アンコールの前に僕の前にいた女性は、元ダンナ様(3番目)のバカラックが登場するんじゃないかと話していたのですが、実際は'古いほうの'元ダンナ様でしたね。そして、何を歌おうかと2人で相談して(って絶対最初から決まってたはず)、ミュージカル「THEY'RE PLAYING OUR SONG」から、2人の共作<IF HE REALLY KNEW ME>を、もちろんマーヴィンのピアノ演奏で、しかも彼とのデュエットで(そうマーヴィンが一緒に!)歌ってくださいました〜。感激!

 こうして、キャロルのライブは終わりました。
 ライブが終わった後、カナダ人親子とは握手をしてお別れしました。何人かの方に「アフター・パーティがあるから来てよね」と誘われましたが、どうやらキャロルは参加しない様子だったので、こちらは遠慮することにしました。ライブの後、トイレに行ったのですが、個室の方に入って出てきたらなんと、クライヴ・デイヴィスがいて僕が使ってたトイレに入っていきましたよ〜。おまけに僕がトイレから戻った時、バーバラ・ウォルターズとカルバン・クラインに連続ですれ違ってちょっと緊張しました。その後、お店の出口に向かってくるキャロルに気づいたので、持ってきたアナログ・シングル盤を出してサインをお願いしました。「日本から来ました」と言うと、僕の名前も訊ねて'遠いところわざわざ来てくれてありがとう'と書いてくださいました。

 キャロルが去った後、近くにいた婦人がSに話しかけてくれて「あそこにいるのがキャロルのお母様よ。私、彼女の友人なの」と言うので、僕達はキャロルのお母様と少しお話することにしました。
 お母さんの所へ行ってキャロルにサインしてもらったレコードを見せると、お母様は「これ誰なの?」だって(あらら)。そりゃ25年以上の前の写真だし、今と髪型もかなり違うのでわからなかったのでしょうね(笑)。「キャロルです。サインしていただきました。娘さんの3枚のアルバムはどれも日本では人気ですよ」と言うと、「あら、そうなの」って感じでした。「今日の歌の中でどれがよかった?」と訊いてこられたので「<PLANES>です。もう泣いてしまいました。僕はピーター・アレンの大ファンなので…」と答えると「ああ、あのgoing on planesっていうやつね。じゃあTHE BOY FROM OZは観た?」「ええ、プレビューの初日に観ました。キャロルもその日、来られてましたね」と僕が言うと「じゃあ、そのサインはその時のもの?」「いいえ、先ほどいただきました」っていう風な会話でした。
 キャロルのお母様とピーターは仲がよかったらしいので、もっと色々話を聞けばよかったなと思うのですが、なんせとっさでかなり興奮気味だった為、これぐらいが精一杯でした。キャロルのお母様は黒いコートを着ていらして、とても上品な上流階級の婦人という印象でした。お礼を言って、Sと2人ホテルを後にしました。まあ、でもなんという素晴らしい夜を過ごせたことでしょう。

 高校時代もしょっちゅうSと僕は、学校をサボって自分たちの憧れの人を追っかけてサインをもらったりしてたのですが、25年経っても全然やってることが変わってないねと2人で笑い合ったNYの夜でした。

 その後ですか?セレブのよく来るゲイ・バーに行っちゃいました(またかよ?)。


(2003年11月28日)