◆御在所岳(三重県)

2001/10/21

先週に引き続き、懲りずに付き合った。
土曜日はピーカンで、翌日も同じような天候だというTVのテロップを信じて、連れ合いは「御在所岳って、初心者コースもあるんですって。子供でも登れるってさ。明日、行こう。」などと、はしゃいでいた。もちろん、ここで好いなりと言うわけにはいかない。交換条件として、28日の釣行を宣言した。当然のことである。が、よく考えてみると、これはちょっとまずかった。釣行の度に何かを「上納」しなければならなくなる。後の祭か。

天気予報は、翌朝TVをつけると前日とは状況が一変していた。降水確率は0%となっているものの、中部地方はどこも曇りのマークだらけである。もちろん、平地のことである。嫌な予感がした。
が、そんなことはお構いなしに、台所ではオニギリを作っている。まいった。

まだ緑が濃い鈴鹿山系の懐に車は飲み込まれた。山頂を見上げると、案の定、ガスがかかっている。それでもガイドブックの「初心者コース」を信じて、鈴鹿スカイラインの中腹から「裏道」を登りはじめた。

コースは人の手が十分入っていて、分かりやすい。ところどころに標識代わりにペンキやステッカーで登山者を誘導してくれる。あまりにもサービスがいいと思ったら、今日は新聞社主催の登山大会があるという。暫くすると、番号が入っているリボンを付けた人達が続々と押し寄せてきた。のんびり景色も見ることもできない。

山小屋

典型的な山小屋。ビールも売ってます。(^^ゞ


枯れ葉を踏みながらゆっくり歩いた。5合目までは、登山というよりも散歩気分だった。このまま山頂まで続いたら、連れ合いは消化不良になるのではないかと余計な心配をしていた。が、5合目から8合目はシャレにならなかった。今までの倍は足をあげなければ歩けない。上を見上げると、うんざりした。どうみても人の力では動きそうもない大きな岩が、ところどころで行く手を阻んでいる。それまで単に足を上げていただけで歩けたのに、いきなり太ももを胸まで上げなければならなくなった。たった4kgほどのリュックが体を縛り付ける。体から汗が噴出し、帽子は見る見るうちに汗で色が変わってゆく。誰だよ、初心者コースって言ったのは。ったく。

五合目からの景観

ほんのり色づき始めた御在所岳。この岩場を登った・・・わけではありません。(^_^;)


5合目から、なんとか1時間ほどかけて8合目まで到着した。いつもなら連れ合いのほうが悲鳴をあげているのに、何故か今日はけろっとしている。ボクは、もう、あごが上がっていた。心配していたとおり、冷たい雨がメガネを濡らしはじめた。立ち止まると冷たい空気が汗まみれのボクの体に突き刺さる。歩くと暑いし、止まると寒いのだ。ううう、どうすりゃいいの。

危険!!

5合目にある標識。誰が行くかってんだ!!


と、前を見ると1歳ほどの子供をかかえたママさんがいる。背中にはパンパンになったリュックを担いで。さっきまでは確か、パパさんが背負子で背負っていた。子供は何故か爆睡している。驚くことに、二人ともこれっぽちも汗をかいていない。淡々と、ゆっくりだけど確実に、大きな岩をも軽々と登っている。彼らの足元を見ると、明らかにボク達のそれとは違う。本格的な登山用のシューズだ。後ろから追われるようにされると、どうしても歩くピッチが速くなる。初心者のサガだ。慣れた人は、決して自分のペースを崩さない。これが登山の極意だと、改めて納得した。

標識

標高1080m付近。矢印が頼もしい。(^^ゞ


何とか3時間をかけて山上に到着できた。雨足が強くなってきた。ガイドブックにある「絶景」は、開店休業である。まいった。「帰りはロープ^ウェイだね。」と、ボクの心を見透かしようにオニギリを頬張りながらさり気なく言った連れ合いの顔は、お釈迦サマのように見えた。

御在所岳山上

やっと辿り着いた!!


おまけ。(^_^)

コスモス

麓ではコスモスが満開でした。