◆熊野三大社と青岸渡寺(和歌山県)

2002/1/12〜13

 

正月も松がとれて正月気分が抜けると、なんとはなく何処かに行きたくなりました。まあ、特別に行きたいところがあるわけでもないのですが。というか、行きたいところがあっても、なにせ今は長女への仕送りってのがありまして、これがあと3年もあるかと思うと、いくらノー天気なボクでも先立つものを考えてしまうわけです。そんな話をしていると、連れ合いが割引のある宿泊先を見つけてきました。
場所は、「渡瀬(わたらせ)温泉」だと言う。はて?どこなんでしょ??情報を持ってきた本人も「和歌山らしい」というぐらしか知らないという。要するに、場所よりプライスを重視したようです。(^_^;)

三重県は、ちょっとした旅行にはもってこいの地理的条件が整っていると思います。釣行ならば0泊2日で、東は河口湖、西は加古川までならば自信もあります。が、家族旅行だとそういうわけにはいきません。なにせ疲れますからね。ま、それでも1泊2日を覚悟すれば、東は甲信越、西は四国、北は上信越、南は南紀までを射程距離に入れられます。

で、「渡瀬温泉」。ドライブ用のガイドブックをパラパラとめくると、をを!!ありました。しかも、「熊野本宮」に近いぢゃありませんか。当地に転居して5年目。一度は行きたいと思っていた「熊野本宮」。これはラッキー。車でいえば和歌山県を縦断することも可能。しかも、シーズン的には思いっきり外れているだろうから、渋滞の心配もなさそうです。予算は我が家の「財務省」に任せればいい。ボクは早速、ルート検索作業に。

せっかく1泊するのだから、ちょっと距離を伸ばすことにしました。
なんといっても「熊野三大社」。これは外せない。全国に3000を越すと言われる熊野神社の総本山的なところで、歴史的にも興味深いところ。次点は「太地」(たいじ)。クジラ料理を狙える。締めは「谷瀬の吊橋」かな。途中、時間的に余裕があれば「尾鷲」で秋刀魚寿司を頬張るのもいいなぁ。「十津川渓谷」は(歩くのは嫌だけど(^_^;))、川沿いをぶらぶらするのはよさそう。そそ、「瀞峡」はどんな感じなんだろか?「長瀞」(埼玉県)よりも緑は深いのだろうか?も少し時間があれば、「道成寺」にも行きたいが、ちとハードかしら。

というわけで、12日の早朝にスタート。
伊勢道の「勢和多気」ICを降りてR42をひた走り、秋刀魚寿司を横目で睨みながら(10時前に尾鷲を通過)、新宮市に無事到着。まずは「熊野三大社」の「熊野速玉大社」へ。

熊野速玉大社

「熊野速玉大社」。「熊野大権現」ともいいます。ちなみに、駐車場は無料です。(^_^;)


権現大社

鬱蒼とした木々に囲まれるようにあります。それしても、人がいないどぉ??

境内は新宮市西北にあって、熊野川、権現山を背景にして杉や楠が繁茂しています。
祭神は、「イザナミノミコト」。万物創生の神様ですね。「速玉」ってのは「映霊」(はえたま)ってことだそうです。(よくわかんない。(^_^;))

梛の木

境内にある御神木。「梛」(なぎ)は、「凪」(なぎ)と掛けて(^_^;)いるようです。
側に、藤原定家の吟が詠まれています。


正直言って、スケールも重厚さもなく期待していたほどではありませんでした(あくまでもボクも感想です)。「速玉」とか「大権現」というわけりには、単なる観光スポット的な雰囲気しかなかったような気がします。

さて、次なる大社は「那智大社」。
と、その前に腹ごしらえをしなくちゃ(^_^;)。どこで何を食べようかと考えあぐねましたが、「太地」(たいじ)に向かいました。お目当てはクジラです(別項にて)。

思いも寄らないラッキーな食事ができて、ちょっと気分がよくなりました。愛車のプラドも12万kmを超えて、エンジンも好調です(ほんまかぁ(^_^;))。

那智の滝

「那智の滝」。こういう被写体は難しいですねぇ(^_^;)。

高さ133mの名瀑。那智48滝の「一の滝」でもあります。日本三瀑のひとつとも言われています。が・・・・、水量のせいでしょうか、迫ってくるような圧倒的な自然の力強さ弱いような気がしました。
滝ノ水は古来より延命長寿の水としても名高いです。滝壷に向かうには、「お布施」が必要で、おまけとして水(長生の霊水)が飲めます。どういうわけか、若いご婦人たちの飲む姿が多かったようです(^_^メ)。

那智大社

「熊野那智大社」の本殿。なんか、おもちゃみたい。(-_-;)

「那智熊野大社」は、那智の滝の脇から山頂を目指してどんどこ登っていった突き当たりにあります。事前の情報では、「若いうちに行っておいたほうがいい。登れなくなるから。」(笑)ということでしたが、まあ、それほどではありません。靴が履ければ子供でも大丈夫です。
この「大社」も、きっちり期待を外してくれました。本殿は、大きなログハウスみたいで、とても神様が常駐しているとは思えませんでした。せっかく立派な御神木もあるのに、誰も見向きもしません。参道にある「硯」を売ってるお店の方が、よほど人は熱心でした。

那智大社の鳥居

最後のイッキの階段。門構えから見ると、さぞ立派な社殿があるかと思ったけど。

「那智大社」のすぐとなりに、「青岸渡寺」があります。西国33ヶ所観音巡礼第一番の霊場。
「谷汲山」がラストステージですから、これでボク達は西国33ヶ所を一巡したことになります((^_^;))。
ま、老後の楽しみとして巡礼するのも一興かと。
建物は、なんとも言えない霊験を感じさせます。現在の本堂は、豊臣秀吉が再建したとのことです。

青岸渡寺

中が撮影禁止だったのが残念です。


一番!!

デジカメだと心霊写真は撮れないのかな?(^_^メ)

この国の人達は、なんでも並んだり、ナンバーリングするのが好きな国民性があるなんて言われていますが、この西国一番札所もご多分に漏れず人気があります。ま、スタンプ・ラリーの元祖みたいなもんでしょうか。ボクも嫌いぢゃありません(^_^;)。

三重の塔と那智の滝

青岸渡寺境内の奥にある三重の塔と那智の滝(右)。わかります?(^_^;)


「那智の滝」と「那智大社」を後にして、R42を北上して、車は熊野川(新宮川)を右手に見ながらR168を登っていきます。地図で見ると、和歌山県の懐深く進んで行く感じです。今日の宿泊先は「渡瀬温泉」。本宮のすぐ近くです(別項にて)。

で、翌日、いよいよ真打というべき「熊野本宮本社」へ。

熊野本宮大社の鳥居

「熊野本宮」の鳥居。な、なんか小さくない??
と思ったら、もっと手前にギネスものの鳥居がありました(後で気がついた(^_^;))。

正直な気持ちとして、ボクは二つの「大社」は想像していたイメージが瓦解していたので、「本宮」に期待を寄せていました。ま、思い込みというものは勝手なもんで「伊勢大社」ほど人を小ばかにしたような冷たい態度(うまく言えませんが、特権的な意思を強調した感じ)もどうかと思うけど、「大社」と名乗るならば、それなりの「威厳」を感じさせて欲しいと思ったりするわけです。

「本宮」は名前のとおり、「熊野三社」の首座。主祭神は「ケツミコオオカミ」(お尻のことではありません(^_^;)。漢字で書くと「家津御子大神」)。出雲で「ヤマタノオロチ」を悶絶させて「アメノムラクモツルギ」を「アマテラスオオカミ」に献上した有名な神サマ、ということになっています。シンブルマークは、カラスが翼を広げているもので、同じ絵柄をサッカーの日本代表も使って(フラッグとか)ます(著作権って誰にあるのかな?)。今ある社殿は明治になって造営されたそうです。

本宮

あれ?これでおしまいなの?

案の定と言うかやっぱりというか、この「大社」も期待を裏切ってくれました。
仮にも全国に3000以上もあるという「熊野神社」の総本宮、ゴットファーザー(^_^;)なんだから、もちっと、なんとかならないもんでしょうか。平清盛とか源実朝とか、藤原定家とかがタイムスリップしてリピーターとして来ても、がっかりするんじゃないでしょうかねぇ。