地球ゴマをボールベアリング式に改造

 地球ゴマというのは懐かしいですね。誰でも子供の頃遊んだことがあるのではないでしょうか。先日WEBを眺めていたら地球ゴマの記事がありました。急にほしくなり探してみるとハンズにあることがわかりました。製造元はタイガー商会です。ここの製品は夜店等で売っている安物とは違って精度が良いものらしいです。早速買ってきました。一番大型のもので、No.Aタイプです。1680円也。

 廻してみると確かに精度が良い。軸がぐらつくことなくなくしっかり回る。一番抵抗が少ないような位置にして、つまり軸を水平にして回すと約5分間回り続ける。

 だが遊んでいる内にちょっと気にくわない点も目につくようになる。力一杯引いて回すとびびり音が出るのである。

 後はベアリングをどう十字形の外枠に固定するかであるが、これには内径13mmのアルミパイプを利用した。パイプを左の写真のように加工した。アルミだから加工は比較的楽である。このアルミ片と十時枠とは2液型の接着剤で固定した。本当は強度のためには溶接等が良いのだろうが、素人細工ではできない。
 アルミ片とベアリングとはすかすかなので、低粘度の瞬間接着剤を1滴流して固定した。

 接着剤が十分固まったであろう時間が経ってから試運転をした。

 だが、あ〜だめなのである。

期待していたなめらか回転にはならないのである。

 びびり音は回転がある程度落ちてくると無くなり、静かに回転するようになる。力一杯回してもびびり音が出ないようにならないものかなあ、と思うようになった。びびり音の原因はどうしても軸受けにある様に見える。軸受けは摩擦軸受けでありどうしても遊びが必要だ。軸側は先端がとがっている。受け側はある程度その形に対応した凹型であるから、その中で軸の先端が振動するのだろうと考えた。

 それならば軸受けをボールベアリングにしたら良いのでは、と思うに至った。でもボールベアリングをどう付けてどう保持したらよいのだろうか? 考えをめぐらしてもなかなか良い考えは思い浮かばない。
何しろ軸が偏心しないように取り付けなければいけない。でもまあやってみようと思い、材料を買いに行った。

 回転子の軸径は4.5mmである。ところが対応ベアリングがない。JIS規格では内径が4mmの次は5mmで4.5mmなんてない。仕方がないから内径5mmのベアリングを買った。外形は13mmで幅は4mmである。315円掛ける2で630円也。

 径の差0.5mmはどうにか対策することにした。このため外形5mm内径4mmの真鍮パイプを買った。内径4mmを4.5mmのドリルで広げようという寸法だ。ドリルで静々と穴を広げ、できるだけ偏心が無さそうな所を選択して切り取り、回転子軸とベアリングの間を補填した。このように回転子軸の両端にベアリングを付けた状態で、ベアリングを持ち回転子を手で回してみて、ベアリングが少しでも偏心しているのを感じるようであれば、修正が必要だ。私の場合完全にはできなかった。
 なお、回転子先端のとがっている部分は削除した。従来の軸受け部分とぶつからないようにするためである。

びびり回転なのだ。回転時間も前のままの方が遙かによい。まあ当たり前なのかもしれない。
隙間補正の精度がベアリング精度に較べて遙かに悪いのだ。ベアリングの取り付けに隙間材を入れるなんてのは素人のみの考えで、プロは笑うのみなのかもしれない。まあ専用の工作機械で精密加工すれば、使い物になるのかもしれないが。

 そこでタイガー商事さんにお願いだ。
1.ベアリング使用の地球ゴマを作ってください。多少高くても買います。  あるいは
2.回転子軸径を5mm(あるいは4mm)にしてください。
3.回転用のひもを通す穴をもっと中央部に開けてください。ベアリング位置に食い込まないように。
4.通常製品用にボールベアリング化キットを別売してください。

でもまあ無理だろうなあ。それほど売れるものでもないし。
私としては、結果はダメだったけど、久しぶりに工作をして楽しかった。

 又考えてみるに、ベアリングの回転の抵抗は元々のあの尖った軸受けより大きいのかも。大きな負荷には耐えられるのかもしてないが。してみると現状が最良で最高の設計なのかもしれない。


上の結果の反省も込めて再度挑戦リベンジをした。だいぶ改善できた。