恥ずかしながら日興證券にだまされて
           損をしました


  私の身の上に起こった事です。他人の不幸は蜜の味、とよく言われます。まずは全くの興味本位でいいですから、どのようにして起き、証券会社はどう対応したか、聞いてください。今後あなたが投資する時に自己防衛のため、いくらかは参考になると思います。

  なお、この中で証券会社というのは、日興證券のことです。ひとくくりに証券会社というと、他の善良な証券会社に迷惑がかかるといけませんので。

  見出しに「
だまされて」といういささか刺激的な言葉を使いましたが、言葉の定義をしておきます。だますとは、嘘をもって相手をその気にさせること。 嘘とは、事実と相違すること、とします。
  例えば、「ロシアが北方4島を即時返還すると今日宣言した」というのは「嘘」です。 
「だから、今日北方漁業株を買えば大儲けできます」といって株を買わせれば「だました」ということになります。

  われわれ未組織の個人客は、
嘘をつかれても自己を防衛できるように、契約前に相応の対応策を取っておかなければいけない。この件に関してはあとで詳しく述べます。
というのが今回のトラブルに関して高い代償を払って得た教訓です。対策をとらないと、トラブルの時泣き寝入りせざるを得なくなります。現在の私がそうです。


トラブルの経過

  私が取引していた証券会社は、JR中央線の郊外MK駅の日興證券K支店です。
  ある日、そこのM外務員(女性)から電話がかかってきて証券等の報告などがありました。その時、私が何か安全でもう少し利率のいいものはないの? と聞いたら、いわゆる日経リンクの債権という商品の紹介がありました。

  利率は4%です。ただし日経平均株価が1年の間に一度でも1万3千何がしを下回ると、償還金額ががくっと悪くなるとの事でした。(以下この値を1万3千円と称します)
  
当然1万3千円になる確率が購入するかどうかのポイントになります。その位の値になる確率はどうなんですか、と尋ねました。
  M外務員は、
「そんな値には絶対なりません。1万3千円になったら日本経済の崩壊です。日本経済が消滅する時です」
とはっきり言い切りました。(後に電話で話した時、「絶対に」とは言わない、と主張しましたが、日本経済の崩壊と消滅の件は認めました。)

  私は経済が崩壊するというと、種々の証券や株券がほとんど紙くず同様の値になり、、ちょうど先の二次大戦の後の経済状態を思い浮かべました。(無論その頃のことは実体験したわけでなく、書物で読んだだけですけど。)
  まあプロのセールスマンがそれほど断言するのであれば、大丈夫なのだろうと思い、OKを出しました。
これは結果的には私が無知であったため、だまされる結果になりました。

  償還までの1年の間にあっさり1万3千円を切ってしまったのです。その結果償還金額は投資額の75%未満になってしまいました。大損です。ちょうどその頃日経平均株価の推移が新聞に載っていました。購入時の
ほんの1年半前に1万3千円を下回っていたのです。つまり1万3千円になっても、日本経済は崩壊もしないし、消滅もしてないのです。

  プロのセールスマンですから、商売上最も大切な日経平均株価のたった1年半前のことを知らないはずはありません。ということは
嘘であることを百も承知で、お客に嘘をつき、意識してお客をミスリードし、だましたことになります。
  将来のことはある程度楽観的に期待をもってしゃべる勇みあしは、セールスマンであるからある程度は容認せざるを得ないでしょうが、
過去のことは事実かどうかはっきりしているわけですから、無知なお客に対しても、嘘をつくことは許されないと考えます。
  M外務員は私が損をしたのを知った時、まことにお気の毒としか言いようがありません、と言ったそうであるが、よくもまあ自分の嘘を棚に上げて、しゃあしゃと言ったと思います。

  こんな時最近はよく「自己責任」と言う言葉を聞きます。損をしても、それはお客様が最終的に決定をしたのですから、お客様の自己責任です、と言うらしいのです。嘘に対して免罪符になっている感じです。
セールスマンが、商品について正しい情報をお客に与え、その結果損をしようがこれはまさにお客の自己責任です。しかし、セールスマンが嘘を言ってだました場合にも、自己責任といわれるほど、自己責任は重いものなのだろうか。私はそれほど強いものとは思わない。
嘘をついたセールスマンの責任はどうなるんだろうか?

 M外務員との間にこんなトラブルがあったので、M外務員の勤務する支店に事実関係の問い合わせの手紙を出しました。しかし経過は予想外のものでした。
日興證券本社の見解を含め、良心のかけらもありませんでした。

        
日興證券の対応はこんなものです。


追記 
日興証券は何年か前に日興コーディアルという名前に変えた。コーディアルというのは「誠心誠意」とか「真心を込めて」、という意味の英語であろうが、日興首脳もあまりの不正批判の多さにせめて名前だけでも誠意あるものにしよう、と気にして変えたのだろう。
 しかし、最近会社ぐるみで不正をやっている事を示す事実が発覚した。経理の不正で、利益を多く見せる嘘の報告をした。この結果で首脳陣はより多くの報酬を得たという。末端から首脳まで腐っている体質をよく表している。この不正の発覚時には、「一社員の単純ミス」であると主張していた。誰も信じないであろう様な嘘を平気で言う首脳陣なのである。これに対し批判が殺到し、ついにこらえきれなくなって白状し会長と社長は辞任に追い込まれた。

 東証は事態を重く見て、日興を
監理ポストに移した。監理ポストというのは、上場停止にするべくしばらく様子を見るためのポストである。証券会社が監理ポストに置かれるというのは前代未聞なのではないか。
 日興の場合このまま上場停止にするのが、市民の利益にかなうだろう。本当は日興コーディアルは市場から消えてもらうのが一番いいのだが。これによって証券市場の浄化に寄与してほしいものだ。