ボストン旅行記  @
2005年8月17日から20日までボストンで
素敵な日々を過ごして来ました。
その様子をお伝えいたします
ボストンは2003年夏以来2回目。その時、落ち着いた街の雰囲気が大好きになりました。歴史散策、美術館、水族館、大学、買い物等、一通り見て回っていましたので、今回のメインはケープコッドです。
前回はニューヨークからボストンまでアムトラックで移動しました。列車は延々と海岸や湿地帯を走り、鹿や大きな鳥にも出会いました。この自然に直接ふれたくてハイアニスまで足を伸ばしました。
1日目:
成田からのコンチネンタルが、貨物のドアにひびが入っていたとのことで、出発2時間以上遅れました。そのためニューアークの乗り継ぎが変更となり、ローガン空港でスーツケースがないというアクシデント!コンチの調査の結果、次の便に乗っているのがわかり、後からホテルに届けてくださるとのことになりました。というわけで身軽に地下鉄でバックベイへ。前回はヒルトンでしたが、いろいろ泊まってみたくて、今回はシェラトン。
夜の10時半にチェックインして、すぐ、マーケットのショウズへ。あのケーキのボリュームと着色を見て、ああ、はるばるアメリカに来たという実感が生まれました。たくさん食料を買い込んで、プルデンシャルセンターのバーンズ&ノーブルに寄るつもりが、11時に閉店していてがっかり。


英語版村上本の表紙
2日目:
 スーツケースは真夜中に着いたらしく、朝フロントで獲得できて安心!今日は9時出発で地下鉄を使い、ハーバード駅へ。ここでビジターズパスポートを購入しようと思いましたが、売り場が見つからず、かなりウロウロ。結局11時以降に販売のようで帰りに買うことに。
 ここでの楽しみは、ハーバード大学自然史博物館です。前回も見学して、剥製の多さに驚きました。絶滅種イギリスのドードーは、「不思議の国のアリス」でもお馴染みです。巨大モアの骨格標本など、「どこから持って来ちゃったの?」と思ってしまうような展示動物が所狭しというか、ギューギューにガラスケースに詰まっています。ここは奥まった場所にあるためか、広い館内に観光客は、ほぼ私達だけ。人気のなさに、ちょっと怖い気もしながら、ゆっくり堪能できました。
 次はクープです。本屋では村上春樹さんのコーナーを見つけて、「羊をめぐる〜」を買いました。レジのお姉さんに、村上さんに会ったことがあるかと聞かれ、残念ながらないと伝えると「かわいそう!」と言われてしまいました。結構、出没なさっているのかも。
 その後、MITのクープへ行き、アインシュタインのTシャツを探しましたが、サイズがなくて、違うものを。そろそろお昼で、フードコートでクラムチャウダーを買って、いったんホテルへ。
 午後から夜まで、プルデンシャルセンター、コープリースクエア、ファイリーン、H&Mなどで買い物。その後、またショウズでバットマンのキャンベルスープなどをお土産用に。(こういうのを買うから、荷物が重くなるのです。)そして10時から11時までバーンズ&ノーブルで犬雑誌を立ち読みして、至福の時間を過ごしました。
自然史博物館 ドードー モンゴリアンタイガー コウモリ ナマケモノ


      旅と本                           2005年9月22日
 旅行に何の本を持っていくか決めることも楽しみの1つです。今回は小説を3冊持っていきましたが、旅行中に2冊読み終えました。出かける前には、訪れる先に関係のある、小説や雑誌を新しく読んだり、読み返したりします。ちょっとタイヘンなのは、出発日。旅行案内の雑誌で何を持っていくのか決めるのが、ひと苦労です。「地球の歩き方」最新版は必ず持っていきますが、その他の年代別に何冊もある雑誌から何を選ぶか。問題は重さで、スーツケースには、いつもへビィの札が!という訳で、最近は成田で車を預ける前に、ローソンで捨てがたい箇所をコピーして持って行きます。
 
ところでボストンに行きたいという気持ちになった理由の1つは、5年ほど前に読み始めたロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズです。ハードボイルドは以前から好きで、いろいろ読んでいましたが、スペンサー出始めの頃、女性作家の作品に夢中だったせいか、読み落としていました。当時20冊以上出版されていて、一気に読み終わったときには、スペンサーワールドにどっぷりで、もう読む作品がないとがっかりした記憶があります。

・「博士の愛した数式」(小川洋子著)
行きの飛行機で読みました。「アルジャーノン〜」に近い話というのは聞いていましたが、感動の種類はもっとじんわりとしていて、日本の木造家屋の庭から、雨後に立ち上る土の香りがしました。そして高校生の頃、数学好きな友達から薦められて「ガロアの生涯」という数学者の伝記を読んだことをふっと思い出しました。MITではE=MCと書かれたアインシュタインのTシャツが欲しかったのですが、サイズなしで残念。

・「オーデュポンの祈り」(伊坂幸太郎著)
お薦めがあるまで全く知らない作品でした。読み始めて中頃までどんな系統の話か、想像がつきませんでした。ただ、二年前より息子が仙台の大学に通っているので、地理的に親しみが生まれ出しました。そして、読み慣れるにつれ、次第に不思議な世界にはまり込んで・・・。行きの飛行機の中で古い映画「オズ」の最後の方を見ていましたので、「空想、カカシ、救い」の共通項を感じました。読み終わって、「物語」というのは、この作品のようなものではないかと感心しました。
そこで第二作の「ラッシュライフ」へ。いくつもの物語が絡み合って、どこかで繋がっていく、パズル小説です。仙台駅前を思い出しながら読みました。伊坂さんの登場人物は、表現しづらいのですが、どこか知的な優しさとナイーブさを持ち合わせているような気がします。
今読んでいる「ニューヨーク獣医物語」の主人公は子供の頃、オーデュポンの図鑑を読んでいたようです。エッシャーも好きなので、これからも伊坂さん、読んでいきます。


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