JAZZの一般音楽用語や楽典用語について
★アウフタクト<auftact>
弱拍、または拍のウラからメロディが始まる部分のこと。英語ではピック・アップ、またはリード・イン、日本語では弱起という。
☆アドリブ<ad lib>
本来の楽典用語としては”任意に”とか”自由に”という意味で、書かれた譜面のテンポや表情を演奏者に任せるという程度の指示だが
ジャズやロックではコード進行になどに基づいた、より自由な即演奏を指す。「インプロヴィゼーション」も同じ意味で使われる。
★インタープレイ<interplay>
グループで演奏中に、メンバー同士お互いに影響し合うこと。
☆インタールード<interlude>
間奏。コーラスとコーラスの間をつなぐ短い演奏の部分をいう。
★インテンポ<in tenpo>
テンポ・ルパードやアッチュレランド、リタルダンドなど、テンポのゆれた状態をキャンセルして、一定のテンポで演奏することを指示する用語
☆インプロヴィゼーション<improvisaion>
即興演奏のこと気譜上は”ad lib”と指示されることが多い。「アドリブ」を参照。
★ウタもの
もともとは器楽演奏用としてでなく、ヴォーカル用として作曲されたものを、器楽曲として演奏する場合にうたものと呼ぶ。一般的には、ス
タンダード・ソングを指す場合が多い。
☆オクターブ<octave>
完全8度の音程。たとえば、ドレミファソラシドのドからドまで。
★オフビート<off beat>
アフター・ビート、あるいはダウンビートともいう。本来弱拍である偶数拍のこと(4/4拍子なら1、2、3、4拍のうちの2と4拍目)。また、
それを強調するリズム・フィーリングのこともいう。ジャズ、ロック、ポップス、、すべてこのビートが基本。
☆オープン・ハーモニー<open harmony>
コードの構成音をオクターブ以上に広げた形(開離位置=オープン・ポジション)で連結するハーモニー。これに対して、オクターブ以内に
配置した形(密集位置=クローズ・ポジション)で連結するハーモニーをクローズハーモニーという。
★オルタードコード<altered chord>
変化和音。変化というのは基本的に5音度に対して使われるもので、5度音を半音変化させて、♯5、♭5としたコード。また、テンション
ノートを変化させることもあり、♭9、♯9、♭13をオルタード・テンションという。これらは、ドミナント7thコードに使われる。
☆カデンツァ<cadenza>
曲のエンディングに奏される無伴奏のソロ。クラシックでは、作曲家がこの部分まで書き込むことが多いが、ジャズでは瞬間的な即興
演奏で行われる。”ロリンズの「モリタート」でのカデンツァはさすが盛り上がるよな”などと使う。
★ギグ<gig>
ライブ・コンサートのこと。あるいはコンサートでの演奏、その仕事そのものを指す場合もある。
☆コーダ<coda>
曲のエンディングのために特に付け加えられた部分で、CodaまたはCoda markが記される。D.S.やD.C.で繰り返したあとは
曲の途中のto CodaからCodaへ飛んで終わりとなる。
★コーラス<chorus>
楽曲の中心となるテーマの部分。何度か繰り返されるのが普通で、ワン・コーラス目、ツーコーラス目などといったりする。リフレイン
(refrain)とも呼ばれる。
☆コンサート・キー<concert key>
トランペットやサックスなどの移調楽器は、実際に出る音と楽譜上の音が異なっている。この移調楽器用に移調されたキーにに対する
”実音”のことを指す。
★コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール<combination of diminished scale>
通称”コンディミ”。ふたつのディミニッシュ・コードを合成してできるドミナント7thコードに使用されるコードスケールのひとつ。ドミナント
ドミナント7thコードと同じルートのディミニッシュ・コードと、その半音上のディミニッシュ・コードを交互に並べて構成される。
☆サブ・ドミナント<sub−dominant>
下属音。メジャー・スケール、マイナー・スケールの第4音。ハ長調でいうと、Fの音。このサブ・ドミナントの上に3度づつ重ねられたコ
ードをサブ・ドミナント・コードという。
★スタンダード<standard>
「基準」となるべき曲の意味で、ポピュラーソングとして作られた曲の中で、時代を超えて多くのプレイヤーや歌手に愛され歌い継が
れている曲。ジャズの場合では、古くは1920年代、30年代に作られたブロードウェイ・ミュージックカルのヒット曲や映画の主題歌
などがよくスタンダードとして歌われ、演奏される。
☆ソリ<soli>
ソロ(solo)の複数形。サックス・セクション、トランペット・セクションなど、あるまとまったセクションでの合奏のこと。
★ダイアトニック・スケール<diatonic scale>
7音音階のこと。狭い意味では、メジャースケールとマイナー・スケールの二つを指すことが多い。特徴としては、オクターブの中に5つ
の音とふたつの音階を含んでいる。
☆ダ・カーポ<da capo>
曲の冒頭に戻ることを指示する反復記号の一つでD.C.と表示される。フィーネ(Fine)やコーダ・マークに従う時はD.C.(alcoda)
と表示されることがある。
★ダブル・タイム<double time>
それまでのテンポの倍の速さにすることを指示する用語で、ダブル・テンポまたは倍のテンポともいう。これは前のテンポの1小節の長さ
新しいテンポの1小節の長さ同じにして、ビートの刻み方だけを倍にすることもある。こちらは実際の速さは変わっていないが、倍の早さに
なったように感じさせることで、ダブル・タイム・フィーリング(double time feeling)と記して、ダブル・タイムとは区別される。
☆ダル・セーニョ<dal segno>
D.S.と略して記される。セーニョのマークが記されたところまで戻る事を指示する反復記号のひとつ。構成が複雑な曲ではD.S(1)
D.S(2)を使うこともあるが、これはそれぞれ(1)、(2)へ戻るという意味。
★テーマ<thama。>
クラシックではその楽想の中心となっているメロディの短いまとまりことをいい、特に長さは決まっていない。ジャズの場合は、普通コーラス
の部分を指す。
☆テンポ・ルバート<tempo rubato(伊)>
一定のテンポに乗らず、奏者の感覚で個々の音符の長さも自由に解釈して演奏してもよいということ。単にルバートともいう。
★トニック<tonic>
主音。メジャー・スケール、マイナー・スケールの第1音。このトニックの上に3度づつ積み重ねられたコードをトニックコードという。
☆ドミナント<dominant>
属音。メジャー・スケール、マイナー・スケールの第5音。このドミナントの上に3度づつ重ねられたコードをドミナント・コードいう。
ドミナント・コードはトライアド(3和音)に7度音を加えた4音構成で使われるのが普通で、それをドモナント・セブンス・コードという。
★ピッチ<pitch>
音の高低のこと。音の高さは周波数によって決まるが、ピッチという言葉使う時には、単に音程をいうのではなく、周波数的な意味
合いが含まれることもある。チューニングの時に「ちょっとピッチが高い」というように。
☆フェイク<fake>
書かれた譜面通りでなく、メロディーを少しくずして演奏すること。
★フェルマータ<fermata(伊)>
フェルマータ・マークが音符や休符の上に使われた場合、その音符や休符を倍に伸ばすことを意味する。また、終始記号として曲の
終わりを示すのにも使われる。
☆ヘッド・アレンジ<head arrange>
スコアを使わず、コード進行を示しただけの簡単なメモをもとにアンサンブルを構成すること。小編成のバンドでは、この方法を取る事も
多い。
★編成<formation>
とりあえず、一人から10人までの編成の名称
1人 ソロ(solo) 2人 デュエット(duet) またはデュオ(duo)
3人 トリオ(trio) 4人 クァルテット(quartet)
5人 クインテット(quinted) 6人 セクステット(sextet)
7人 セプテット(septet) 8人 オクテット(octet)
9人 ナイン・ピース(nine pieces) 10人 テン・ピース(ten pieces)
☆ブリッジ<bridge>
A−A−B−A形式の曲での、Bにあたる部分のこと。つまり曲の中間にあってメロディー、コード進行ともに変化させて曲のイメージを
一段と盛り上げようとする重要な部分。”サビを効かせるから”の意味から日本では”サビ”ともいう。
★リード・シート<lead sheet>
スコアの中からメロディー、コード・ネーム、重要なパートの動きなどを抜き出して簡単に表した楽譜のこと。
☆リフ<rif>
何度も繰り返し演奏される短いフレーズパターン。ソロのバックでソロを盛り上げるためにやるのはバック・リフ。また、スタンダードなジャズ
では、テーマの部分(32小節が一般的)をリフと呼ぶこともある。
★ルート<root>
根音。すべての音の帰結点。コードやスケールの基礎となる音のこと。ファンダメンタル・ノートともいう。