サックスの悩みのページ
ロングト−ンで納得のいく音が出ない!
ロングトーンで納得のいく音が出ないという悩みは誰しも持ってると思いますが、いろんな問題が考えられます。「ハード」と「ソフト」の面からかんがえてみましょう。
ハードの問題
サックスという楽器は結構アバウトなところがあり、かなり整備が悪い状態でも何とか音が出てしまうのです。
タンボがカチカチに硬くなったり、ネジの調整が狂って息漏れしている楽器を、気付かずに「根性」で吹いている人が
いるそうです。そしてそれを個性的な音と勘違いしている場合も・・・ 速やかにリペアマンに修理してもらいましょう。
楽器が生まれ変わるかも知れません。リードも「1ヶ月くらいこれを使ってます」・・・などと言わないようよう新たに選
びましょう。ロングトーンはその先です。
これは、アルトサックスをやってる私はちょっとむっとしてしまいますが、サックスは誰にでも結構すぐ音が出せる
楽器だそうです。(アルトをやってる私としては、初心者が目の前で苦労して音を出せないで”難しいんですね”とか
言われるとうれしいんですが・・・)アンビシャも運指(指使い)も最も容易だそうです。(その逆がオーボエとか・・)し
かし、それが逆にこの楽器の弱点にもなりやすいとのこと。何となく吹いてもそれなりの音が出てしまうところがこの
楽器のアヤシイところです。
サックスをやってる方で以下の悩みを持ってる方はいませんか?
● 大きい音は出るが、ピアニシモは不可。 → 音量の問題
● ”いい音”がわからない → 音質の問題
● 元気良くは吹けるが、デリケートなことが苦手 → 音色の問題
● バンドの中でハモれず、周りからひんしゅく! → 音程の問題
これらは全て「音が出しやすい」という長所と裏腹の弱点なのです。”明るいのはいいけど、かなりわがままなやつ”
と思われるのは嫌でしょう?これが心配な諸兄姉は、さっそく「基礎練習」!
リード、マウスピース、身体の動きを文字で表現するのは非常に難しいことです。ただいえることは「中庸な設定」が
大切であるということです。「なーんだ」と思われるかも知れませんが、まずここで落とし穴にはまっていく人も少なくあ
りません。
厚すぎるリード、開きの大きすぎるマウスピ−ス(またはその逆)、変な姿勢などの極端な設定は、自分のクセや欠
点を消してくれるという錯覚を与えている場合が多いからです。ただ、人間は千差万別ですから何が「中庸」かというこ
とは柔軟に考えましょう。
リガチャーとフック
リガチャーなどの小物がよく雑誌等で紹介・販売してありますが、リガチャーについては、マウスピースほどではあり
ませんが、影響されるようです。あと、結構違うのはフックで、YANAGISAWAから出ているフックには低音が締り、響き
が違うものがあるそうです。
ソフトの問題
この「ソフトの問題」!言いかえれば「こころの問題」ですが、これが結構厄介です。「上手くなりたい」と思うのは、何
もサックスに限った事ではありませんが、その根拠が誤った「思い込み」のようなものであった場合、導き出される結果
は不満足なものになるでしょう。以下に間違った思い込みではないか?と思われるものをいくつか列挙してみましょう。
● 姿勢の思い込み : 良い姿勢を取ろうとして、胸を張りすぎる。もしくは「腹で吸うと」称して下腹を突き
出す。その結果無駄な力みを生む。
● ブレスの思い込み : 「息は腹に入れると」 思い込み吸っても肝心の肺に空気が満たされない。「息をた
くさん使ってしっかりした音を出す」が行き過ぎて、強制的かつ非効率的な発音とな
っている。
● アンビシャの思い込み : 「前歯はマウスピースにガッチリ固定する」「ノドは空ける」「唇はしっかり締める」等の
教えを行き過ぎて実行する。
● 音質の思い込み : 「響く音とはでかい音である」という妄信・・・等々
昔の体育系の部活のいわゆる「うさぎ飛び」のようなものと言う感じがします。(間接に良くないから今はあんまりない
でしょう)皮肉な事に、まじまな人ほど向上心を過剰に持ちすぎてしまい、「さあ うまく吹くぞ!!」と意気込んであち
こちに無駄な力が入ってしまがちで、結果華麗な演奏などできないでしょう。
私も先生から、よく吹いている最中に後ろに回って両肩をぐっと下げられます(自然と身体に力が入ってるようです)。
ロングトーン
バンドや、ピアノ伴奏で演奏する時、頭も身体も大忙しです。複雑なリズム、臨時記号、ハーモニー、休みも数えて
指も舌も・・・吹き方や音質まではとても追いつかない・・というのが実情ではないでしょうか? これは、私のような
アマチュアにも至らない者から、プロまで共通の思いのようです。だからこそ、ロングトーンをやるのです。「演奏時
に吹き方の心配せず、音楽に集中するため」これがロングトーンです。そして、音を長く吹き伸ばす。そこには、忙し
い動きや緊迫した表現はありません。雑念を捨て、ただただ「音」を追求する時なのです。そして同時にアンビシャ、
息の出し方、姿勢・・全てをじっくり追及します。しかし、何故か曲になると崩れるんですが、崩れなくなるまで練習
です