そして裁判のこと 3



尋問のとき、気になる言葉がありました。



職場側の弁護士さんの言葉





「事故で亡くなられた遺族の方が

ご主人の職場に対して、

また別の裁判を起こしておられるのはご存知ですか?」



その話は知っていました。

当然だと思いました。


彼の職場で起こった事故です。

彼も直接当事者です。


生きていたなら、彼も責任追及されて当然の立場です。




だからこそ彼は

悩んで 悩んで

苦しんで 苦しんで



そして

「ごめんなさい」と

言い残して 逝ってしまった




だけど


職場側の弁護士さんは意外な事を告げられました。



「職場側としては、

いづみさんのご主人には

まったく 責任はなかったと 言われています」




彼に 責任は なかった・・・・?





じゃあ、あれは、本当に 偶発的な事故だったとでも言うのでしょうか




いいえ、私は知っています。




どんなにか、彼が、自分達のせいだと言い続けてきたか・・・・



どんなにか、彼が後悔していたか



でも、職場は


偶発的な事故だったから、

仕方ない 

だから 職場には責任はない





これで、おしまいにするつもりなのでしょうか?




じゃあ、私の夫が亡くなったのは なぜ?


なぜ 彼は死ななくちゃいけなかったのですか?





「ご主人が亡くなられたのは 突発的な 事故だとは思えませんか?」




・・・・・つまり、職場は


遺族の方達に対しても、



「あれは不運な事故だった


だから、私達には責任はありません」



これでおしまいにしたいのでしょう




そして 私に対しては


「ご主人が亡くなったのは、突発的に死にたくなったから。」


「だから、職場には関係ありません」




そして、全てが まるく収まる・・・・・







・・・・すごい筋書きです・・・・




人が2人も亡くなっているのに。





無理を通せば道理は引っ込む 


議論で 言い負かせば、


それでよし。







私は、ただただ びっくりして




彼に責任が ない とすれば、

何のために彼は死んでしまったのですか?




そして、彼の死については


・・・・突発的に死にたくなってしまったのですか・・・・?



やっと それだけ言いました。





職場側の弁護士さんの


質問に対して


質問で答える事しか出来ませんでした。