そして裁判のこと 4



秋の初め 裁判所から 和解勧告をされました。

ここで 私が「うん」と言えば 全ては終わり

亡くなった彼の事も 過去の事として清算されるのかしら・・


私はそんな事も考えていました。




何度かの 弁護士さんとの接見

労災の金額は差し引いての金額の話となります。



お金の話


彼の事をお金で換算していく自分。



真っ直ぐ現実を見なくちゃいけないのでしょうが


嫌でした。



お金で丸め込まれる自分。



これこれの金額を上げるから まあ がまんしなさいよ


わかりました・・・・と納得する私





私は 裁判に対して 何を求めているのでしょうか。






けれども 提示された金額は とても納得できるものではなく


言い方は悪いけれど本当に 「馬鹿にされている?」と思えるほどの額でした。



お金を引き合いに出す事は嫌な事です。




もっとお金をくれ と


自分の惨めさを引きずり出すような


彼の命の代価を支払えと・・・・





そうじゃないのに


そうじゃないけど


奇麗事が吹き飛んでしまうほど 自分が醜い生き物になったような


人の命をお金で取引しているこの現実は 一体何なのでしょうか。




だけど 現実提示された その金額は「馬鹿にしている」としか思えない額なのでした。


相手は「悪かった」等と これっぽっちも感じていないのだと。


「うっとおしい 未亡人を適当に追い払いたい」と



そんな声も聞こえてくるかのような その額に


情けなくて 惨めで 腹が立って


裁判って こんな想いをするものなのだ。



悔しい 苦しい しんどい。しんどい、しんどい。




和解の話は 決裂し


結審を待つ事になりました。





私は 裁判に何を求めているの?