前書き




ここでは、私の裁判についての詳細と、

訴訟を起こした私の心情をお話します。

 



今から5年と少し前、私の夫は亡くなりました。

1歳と2歳の子供達と 私を残して。

当時、私達は地方への赴任中でした。

ある冬の日

彼は彼の職場の同僚達と一緒に
誤って一人の人間を事故で死なせてしまいました。

職場の人々は「あれは事故だから仕方ない」と
済まそうとしたのですが

事故の直接当事者で、そのいきさつや、
責任の重さを人一倍感じていた夫は、
「ごめんなさい」と言い残して

亡くなりました。

職場の雰囲気は、
夫に全ての責任があったかのようになったそうです。

「死人に口なし」ですか?


そう理由づけることによって
他の人たちの良心の呵責が軽くなるからでしょうか?


でも、私は許せない。


許す事が、許せるようになる事が、
生きて行く上で最大の美徳だという事も知っています。

でも、今の私にはそんな事は出来ません。

そんな職場を許せないし、
それを見逃した自分自身も許せない・・・・。


そして、亡くなられた方の遺族の方々の気持ちも
決して収まるものではありません。


夫のためにも泣きますが


遺族の方達に
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」と
100万回言っても許しては貰えない事だと思っています。

でも、夫の職場は?

何をしてくれたのでしょう?

夫に対して、遺族の方達に対して。




そして、5年たった今、裁判も終盤になったようです。

どんな結果になるのかは まだ誰にも分かりません。



何分、素人の文章です。

聞きづらい言葉もあるかもしれません。

でも、少しでも参考になることがあったなら
 記憶にとどめておいていただけたなら幸いです。


2002.2.16