MIDIを使った遊び第2弾。MIDIが聴けない環境の方には、予めお詫び申し上げます。
ショパンの代表作の一つである練習曲Op.10-3、通称「別れの曲」は、美しいメロディーのために練習曲だとは意識せずに聴いてる人も多いです。もっとも、激情的な中間部が現実に引き戻してしまいますが……。
私たちが聴くのは大体こんな感じではないでしょうか。
私が持っている楽譜によると、Lento, ma non troppo(遅く、しかし遅すぎずに)と指示されてます。確かにどのピアニストの演奏を聴いても、大抵はゆっくりしたテンポを取ってます。
ところが、その指示の横にメトロノームによる速度指定も書かれていて、それが「四分音符=100」、つまり1分間に四分音符100拍の速度で、とあります。この指定に従うとこうなります。
……速っ! 思わず「どこがLentoやねん!」とツッコミたくなります。(笑) 最初のMIDIが「四分音符=33」に設定してますから、実に3倍のスピードです。普通、このテンポだったらAllegretto(やや速く)かAllegro(速く)になります。まあ、これなら練習曲らしくはなりますが、遅いテンポに慣れた耳には、とても「別れ」は連想できません。
これは極端な例でしたが、他にもテンポが違うと印象がガラリと変わる曲はたくさんあります。同じ曲でも指揮者や演奏家でテンポが様々なところも、音楽の面白さですね。