演奏時間:約11分
「音楽の父」と呼ばれるバッハより14歳上のアルビノーニは、同時代の音楽家の例に漏れず、たくさんの作品を書いたようですが、現在はこれ1曲のみで名を残しています。ただ、この曲自体も、後になって音楽学者のジャゾットがアルビノーニの自筆譜から編曲した「20世紀にできたバロック音楽」です。
しかし、弦楽器とオルガンが溶け合った響きの美しさ、旋律のもの悲しさは、そういった事がどうでもよくなるほどで、よく演奏され、録音も多いです。
曲の構成はA−A−B−A’−終結部で、2番目のAは最初のAの完全な繰り返しです。
Aはオルガンの序奏で始まり、低音弦がピチカートで伴奏します。それが終わるとすぐに第1ヴァイオリンが主題を弾き、1小節遅れて第2ヴァイオリンが旋律を追います。低音弦のピチカートはこの間も続いています。
Bではチェロ、コントラバス、オルガンの長い音の上で、独奏ヴァイオリンがやはり悲しげに歌います。伴奏がピチカートに戻ったところでこの部分は終わります。
A’は調性がハ短調になり、主題がより強く演奏されます。独奏ヴァイオリンの合いの手が入った後、悲劇性が増し、後半は最強音でクライマックスとなります。
終結部は前のクライマックスを受け継いで、同じ音型を繰り返し、少しずつ弱まっていきます。最後は独奏ヴァイオリンが寂しげに締めます。