演奏時間:約38分
協奏曲と言っても独奏者はいません。オーケストラの各パートが協奏曲の独奏者並に難しい技巧を要求される事から、この名が付いてます。しかし、演奏の難しさとは反対にバルトークの作品の中では最も聴きやすく、親しまれています。
メロディーよりも音の響きを楽しむ曲です。
重苦しい雰囲気で序奏が始まります。少しずつテンポを速め、一瞬の休止を置いてから主部に入ります。テンポ、拍子が変わっても、性格は序奏と変わりません。唯一、華やかな部分が、終わり近くの金管によるファンファーレです。
小太鼓の変則的なリズムを先導に、ファゴット、オーボエ、クラリネット、フルート、ミュート(弱音器)付きトランペットの順で、それぞれ異なるおどけたフレーズを演奏していきます。
中間部では金管が息の長い旋律を吹く中、小太鼓が合いの手を入れます。この楽章では弦楽器は伴奏のみです。
息抜きのような第2楽章の後、再び第1楽章の厳しさが戻ります。テーマが低音弦で出されて、しばらくは木管中心に進み、旋律らしきものはほとんど出てきません。
中間部で突然、最強音で弦が叫び、合間に他の楽器が叩き付けるように奏します。この楽章はむしろ中間部中心に作られています。
短い導入の後、木管が明るい第1テーマを歌います。それが終わると低音で暗めの第2テーマが出ます。第1テーマが短く再現されると徐々にテンポを上げ、賑やかな部分に入ります。これが「中断」の部分です。第2、第1の順にテーマが戻って静かに終わります。
終曲らしく最も聴き応えのある楽章です。ホルンの合図で始まり、弦楽器の音が休みなしに忙しく動き回ります。以後、音の大きい所は細かく、小さい所は休憩のように長い音、といった音楽が何度も入れ替わります。