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ホルスト
 組曲《惑星》 Op.32

演奏時間:約50分

 オーケストラの響きを楽しむには打って付けの音楽です。オーディオ技術の発展が、この曲の人気に火をつけたと言ってもいいでしょう。
 冥王星が抜けているのは、曲の完成が1917年、冥王星の発見が1930年で、作曲当時はまだ知られていなかったからです。また、曲の配列が太陽から近い順とやや異なるのは、音楽的な理由からだと思われます。
 各曲の副題は「○○の神」と表記されることも多いですが、ここでは原題に忠実な訳で書きます。

第1曲 火星、戦争をもたらす者

 金管楽器が活躍する、激しい「5拍子の行進曲」(音量注意)です。TVで戦争の場面が出ると、この曲がよく流れてます。

第2曲 金星、平和をもたらす者

 前曲とはうって変わって、静かで美しい曲。ここでは主に弦楽器が活躍します。

第3曲 水星、翼のある使者

 最も演奏時間が短く、音楽がいろんな楽器の間を忙しく飛び回ります。気分的に前曲・金星と次曲・木星との橋渡し役も果たしています。

第4曲 木星、快楽をもたらす者

 火星と共に有名で、組曲中最も人気のある曲です。どれも親しみやすい、舞曲風の3つの主題が順番に現れます。
 中間部分は、エルガーの行進曲《威風堂々》第1番の中間部と並ぶ、イギリスが生んだ名旋律と言えるでしょう。

第5曲 土星、老年をもたらす者

 やや長めの序奏の後、金管がゆったりと歌います。何か巨大なものが迫って来るようなクライマックスがあり、最後に満ち足りたような気分の、美しい音楽が続きます。

第6曲 天王星、魔術師

 副題の通り不思議な感じの曲。初めて聴く人は、ある部分で「タンタンタヌキの〜」という歌が浮かぶ事でしょう。
 オルガンも含めた最強音の後、突然静かになる部分は、まさしく姿を消した魔術師のようです。

第7曲 海王星、神秘主義者

 終始弱音で演奏され、後半には女声合唱が歌詞なしで歌います。
 ラストは合唱だけが一つの音形を何度も反復しながら、徐々に消えていきます。

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(C)Shiomabushi
2002-03-20 作成
2004-05-02 更新