ホーム行進曲(好きな曲紹介)

ラヴェル
 ボレロ

演奏時間:約15分

 映画「愛と哀しみのボレロ」のテーマとして使われ、日本でもかつてはTVドラマ「大家族」のテーマに使われた、20世紀の作品としては非常に有名な曲です。
 元々バレエ音楽として作られましたが、その演奏効果から現在ではコンサートの曲目として採り上げられる事がほとんどです。
 2種類のメロディー自体も魅力的ですが、それ以上に構成が素晴らしく、それまでの作曲家が思いつきそうで思いつかなかった事をやっています。
 気分を高揚させるには、もってこいです。

 最初は耳を澄まさないと判らないほど小さい音で、小太鼓がリズムを刻みます。このリズムは最後まで途切れることはありません。そしてフルートが第1のメロディー(A)を奏でます。クラリネットがこれを繰り返し、続いてやや暗めの第2のメロディー(B)がファゴットで出されます。同じくクラリネットが(今度は高い音で)繰り返して、これで1サイクルの終了です。つまり、A→A→B→Bと来て、再び最初に戻るわけです。
 しかし、メロディーは単純な繰り返しでも、楽器や音量は少しずつ増えていきます。これこそがこの曲最大の特徴です。
 2周目まではメロディーを木管1本ずつ(1度だけ弱音器付きトランペットとフルート)で歌っていたのが、3周目から複数になります。4周目にはついにティンパニが加わり、最初からずっとピチカートで伴奏していた弦楽器群が、弓でメロディーを演奏します。
 最後の5周目はA→Bで繰り返しはなく、Bの最後が少し変化して終結部の準備をします。終結部は叫びにも似た全楽器の強奏!


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(C)Shiomabushi
2002-03-20 作成
2003-01-01 更新