演奏時間:約11分
私がクラシック音楽に初めて触れたのが、この曲の後半部分(「牧歌」以降)でした。
弓の名手であるウィリアム・テルが、自分の子供の頭上に乗せられたりんごを射るように命じられ、見事に成功させるエピソードはよく知られています。しかし、歌劇(オペラ)としては、ほとんど上演されることはありません。
序曲は4つの部分で構成され、休みなく続けて演奏されます。有名なのが最後の第4部で、80年代前半、大人気だったバラエティ番組のテーマ曲として使われた事から、私と同世代の中には「ひょうきん族のテーマ」だと思ってる人も多いようです。
5つの独奏チェロ、残りのチェロ、コントラバス、そしてティンパニという編成だけで夜明けの様子が描かれます。全体の序奏にあたります。
ここで他の楽器も加わります。突然強い風が吹き、しばらくしてから暴風雨となります。
嵐が止み、空が明るさを取り戻すと、牧童の笛の音が聞こえてきます。この部分のほとんどがイングリッシュ・ホルン主体で、フルートが模倣や装飾を行ないます。
金管とティンパニでファンファーレが鳴り、馬のギャロップを思わせる行進曲のテーマが静かに始まります。
繰り返しが多く、これが高揚感を出す事に一役かっています。