演奏時間:約33分
クラシック音楽に先入観を持たれてる方は、一度この作品を聴いてみて下さい。初演時(1913年)には大混乱が起こったほど、当時としては斬新な音楽でした。
今ではバレエの上演よりも、オーケストラ・コンサートのレパートリーとして演奏される事がほとんどで、「現代音楽の古典」と言われています。
バレエの内容は、伝説上の原始宗教の信者たちが、太陽の神にいけにえを捧げるというもので、その音楽と共に荒っぽいものとなっています。
荒涼な冬の大地。やがて鼓動のような音が、春が近いことを暗示します。
弦が不規則なアクセントを入れながら、同じ音を繰り返します。
テンポが速くなって、さらに荒々しい音楽が展開されます。
木管のトリルの上に、小クラリネットが小節ごとに拍子の変わる歌を出します。
管楽器と弦楽器の交替が、街同士の抗争を表します。
テューバが同じフレーズを繰り返す中、他の金管の叫びが次第に大きくなっていきます。
突然静かになり、賢者達が伏せて大地に感謝を捧げます。
再び音が大きくなります。大地をたたえる踊りは、しかし唐突に終わります。
儀式が行われる夜の情景を表します。
フルートの低い音の旋律で始まります。いけにえとなる乙女を選びます。
ここで第1部と同じ曲調になります。選ばれたいけにえを信者達がたたえます。
儀式を行うために、祖先の霊を呼び出します。打楽器と他の楽器が交互に咆哮します。
イングリッシュ・ホルンの長い音が印象的です。
頻繁に拍子が変わるクライマックス。いけにえはやがて踊り疲れて絶命し、その亡骸が天に向かって差し出されます。