軽井沢「風立ちぬ」

 避暑地としての夏の軽井沢よりも、枯葉の絨毯を敷き詰めたどことなく
物悲しい軽井沢が好きだ。それは、中学のときに大好きだった堀辰雄
「風立ちぬ」「美しい村」の影響が大きいのかもしれない・・・・・・。
 物語りもさることながら、優しく美しい旋律のような文章に惹かれ、イメー
ジも秋の軽井沢であり静かな空気に包まれた別荘地を、枯葉を踏みしめ
ながら散策したくなる。
 そういえば、折りしも高校の頃に松田聖子の「風立ちぬ」という歌も秋に
流行していた ♪風立ちぬ〜今は〜秋〜♪♪ たしか、好きな大滝詠一
の作曲だった・・・・・・。
 軽井沢72ゴルフでラウンドした時に、どのコースの何番ホールか忘れて
しまったが、偶然にも、「風立ちぬ」に出てくる「巨人の椅子」といわれる
大きな岩を目にした時は、アイアン片手に芝生の上で感動し、感激から心
が乱れてミドルで7も叩いてしまった。
 ドライブの途中、軽井沢駅前通りでジャムや信州名物の野沢菜お焼きを
買って食べる。中仙道と北国街道が分岐する追分で堀辰雄の旧宅であっ
た文学館を見たり、近くの芥川龍之介や川端康成が逗留した油屋旅館
散策していると、すっかり「風立ちぬ」の世界に浸ることができる。
 堀辰雄も毎日仰ぎ見たであろう浅間山も本当に美しい火山であり、正に
軽井沢のシンボルである。
 今は記念館になっている三笠ホテルは、避暑地の落葉松や白樺林にう
まく調和していて軽井沢の観光スポットとして好きな場所だ。明治から昭和
にかけて各界の著名人が訪れ、「軽井沢ブランド」の象徴の一つである。
近くに作家有島武郎の終焉の地もある。横浜にゆかりのある(父が横浜
税関長 「一房の葡萄」は横浜山手が舞台)有島武郎も、遠く離れた軽井
沢の地で心中した。
 肺を患った堀辰雄、行き場を失った有島武郎など、浅間山に抱かれた
軽井沢の高原は、昔も今も優しく人々を迎え入れてくれるのかもしれない。

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旧三笠ホテル

円覚寺 文学散歩

堀辰雄の旧宅(現堀辰雄文学記念館)

横浜スナップ散歩

有島武郎ゆかりの寺

中仙道、北国街道の追分近く。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」

長野県軽井沢町

歴史・物語の舞台を歩く

「軽井沢の鹿鳴館」として、かつての高級ホテル。
渋沢栄一、団琢磨(三井財閥)、近衛文麿など
政財界の大物が滞在した。
 実業家の山本直良が建設。たしか、作曲家山本
直純の父親でした.。(平成14年 山本直純逝去)

油屋旅館

信濃追分の宿場跡にあり、堀辰雄記念
館の近く。芥川龍之介、川端康成などの
縁の宿でもある。

中仙道と北国街道の分岐点である
信濃追分。晩年の堀辰雄の散歩道
でもあり、山道を少し登れば雄大な
浅間山が見える。

軽井沢駅新駅舎

保存されている旧駅舎


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