信長の安土城をゆく

滋賀県蒲生郡安土町

日本の歴史の中で特異な存在である織田信長。政治、戦略、すべての発想が天才的
で天下統一目前で人生を終えたことは周知の事実だ。信長の天下統一への象徴とし
て滋賀県の琵琶湖の辺に安土城が築かれた。
 名神高速道路を米原から大津、京都方面を走り八日市インターで下車した。大豆畑
の多い田園地帯を過ぎると目指す安土山が見えてくる。名神高速道路、中山道である
国道8号、東海道新幹線と現在でも交通の大動脈である地に信長は安土城を築城し
た。天下統一への京の都を窺う位置でもある。
 安土城の建築史の上での価値も高く、大規模な石垣による城郭と戦国期の戦いのた
めの櫓ではない天守閣があった。権力の象徴としての装飾された天守閣が聳えていた。
平成12年頃にNHK特集で安土城天守閣のCGでの復元を放送していたが、5層の天守
の最上部には八角形のドームが載り、金の装飾がふんだんになされていた。派で好きな
信長らしいセンスの美しい城だった。
 天正10年(1582)6月2日、安土城から京都に入った織田信長は本能寺で明智光秀
軍に襲われた。天下の名城安土城も信長と運命を共にして、直後に戦火の中、焼失して
いる。

天守台への壮大な石垣と石段が
信長のロマンを物語る。想像以上
に巨大な城跡だ。

安土城時代は出世街道をとんとん拍子
に登っていた秀吉の屋敷跡。
秀吉も後に大阪、伏見などの城郭造り
に安土城を参考にしたはずだ。

信長のお気に入りの武将であった前田
利家の屋敷も、城郭の主要な位置にあっ
た。信長の信頼の高さが想像できる。

「利家とまつ」の旅

安土町の付近には「近江商人」として名高い近江八幡市、五個荘町などあり、近江
商人の故郷を廻るのも楽しい。他に、全国でも有数の美しい城である彦根城(井伊家
の城下町)や関ケ原の合戦で著名な石田三成の佐和山城跡もある。滋賀県にも歴史
ロマンが点在している。

琵琶湖畔 彦根城

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歴史・物語の舞台を歩く