福岡県柳川市に到着したのは、冬の寒い早朝だった。車のガソリンが少なく
なったので、スタンドが開くまで車を止めて街を散策した。
水郷の町として有名な柳川。立花家12万石の城下町であり、詩人北原白
秋の故郷でもある。有明海に面し、水郷の町らしく平らで建物もあまり高く
ない。とにかく平らな町。
白い息を吐きながら掘割の辺を歩き、白秋の生家周辺の保存地区を散策
した。いかにも観光地の風情で、数々の映画、ドラマのロケにも使われたこ
とだろう。岡山の倉敷を彷彿とさせた。
観光名所の一つに城跡の一角でもある「御花」がある。柳川藩主立花家が
明治の末に建てた御殿であり、現在では旅館、料亭、レストラン、結婚式場に
なっている。東京の目白椿山荘、目黒雅叙園のイメージ。次回、柳川を訪れる
時にはリッチに殿様気分で宿泊してみたい。
スポーツで有名な柳川高校の校門前を通ると、登校してくる生徒に目を光ら
せる体育教師風の先生が「お早うございます!」と、大声で挨拶してくれた。
見ず知らずの旅人になんだか微笑ましかった・・・・・。
恩田陸「月の裏側」は柳川をモデルにしたファンタジー小説。恩田陸らしく不
気味で不思議な世界を展開している。しかし、柳川の町を歩いていると「月の
裏側」のような不気味な世界は微塵も感じられません。次回は、「月の裏側」
の世界に浸るためにも梅雨時にでも訪れてみようかな。
御花
「御花」は7000坪の庭園「集景亭」が
中心。柳川名物のウナギせいろ蒸し
が自慢だとか・・・・。他の店で柳川ウナ
ギを食べたが、あまりのドライブ疲れに
味の記憶がありません。いつの日か柳
川で(できれば御花で)ウナギの味を
堪能します。
福岡県柳川市