No.32 コロナとの戦い18 暑いときのマスク

 季節は梅雨ですが、暑い日が続いています。経済活動が活発になるとともに感染者数も増加し、国内で一日200人を超えましたが、暑くてマスクをつける人が減っているのも関係しているかもしれません。個人的意見ですが、アメリカで患者数がまた増加し始めたのは元々マスクをする習慣がないところに加えて、暑くなってよりマスクをしなくなったのも一つの原因と思います。世界でもさらに増えて感染者が1000万人を超えたということです。感染症対策が不十分で経済活動を再開しようとしているのですから当然の結果でしょう。日本では諸外国より感染増加のスピードは緩やかなようですが、それは国民性としてのきれい好きを可能にする豊富な水と積極的なマスク着用可能にする経済力(または協力し合う国民性のおかげ?)であろうと思われます。しかし、いずれ外国との交通も再開されると感染者数ははるかに増えることになるでしょう。これが本当の第二波です。心配ですが、政府は医療に余裕があるから大丈夫とのことで経済の再開を進めています。戦いの勝敗は戦力比によるところが大きいので迎え撃つ医療態勢をさらに充実して来るべき第二波を迎え撃ちたいものです。

 自衛隊で働いていたころマスクといえば防護マスクでした。化学兵器から身を守るためのゴム製の物で顔全体を覆います。化学兵器は日本のサリン事件で有名になりましたが、最初は第一次世界大戦の戦場で使われたものです。塩素から始まりマスタード、有機リン剤と毒性が強くなり吸い込んだり皮膚に触れると死亡する危険なものです。人を虫けらのように殺す化学兵器は非人道的なものなので条約で製造と使用が禁止されています。しかし、戦争になればまた使われるかもしれないので、万一に備えて自衛隊では防護マスクを使って厳しい訓練をしていました。突然「ガス!」という号令がかかるとまず息を止めて、直ぐに腰のバッグから防護マスクを取り出して○秒以内に着け終わらねばなりません。もたもたしていると、「はい、戦死」と宣告されてしまいます。ガスがある間は着けていないと死んでしまうので安全が確認されるまで外せません。寒い時はまだよいのですが、暑い時全く通気性のないゴム製のマスクをつけていると顔も汗だくになって本当に大変でした。それに比べれば今回コロナとの戦いのマスクはまだ快適です。それでも暑い中でずっと着けていると外したくもなります。実際に紙のマスクでも熱の放散を妨げるので熱中症の危険もあります。コロナと熱中症、どちらかといえば熱中症が危険です。この時期熱中症予防のためにもマスクは外せる時は外したほうがよいでしょう。

 コロナとの戦いでは人が全くいない場所ではマスクは必要ありません。最近ジムでの運動を控えて散歩していますが、周りに人がいなければマスクは外しています。人がいたらどうするか。マスクをした人が近づいて来たら、「私もうつさないようにしています。お気をつけて。」という感じで、マスクをしていなければ「うつされてたまるか!」と眉をひそめるのではなく「必要ないかもしれませんが念のため。」と、いずれも微笑みを忘れずにその時だけマスクをつけるようにして、通り過ぎたらまた外します。

 マスクは不要だと言う人もいますがそうは思えない。もちろんマスクしていても食事や飲水では外すので感染の危険はありますがそれは場所を選べばよいのです。諸外国に比べて日本で感染者が少ない理由は積極的にマスクをしていることが大きいからだと考えています。以前よりマスクも安くなりました。熱中症の危険とバランスをとりながらマスクを上手に使ってこの暑い時期を乗り切りましょう。



2020年07月11日