No.47 コロナとの戦い32 これからどうする?

 大型連休と緊急事態宣言などでコロナが収まるかと期待しましたが、コロナ患者特に重症患者が増加しています。今回は、イギリス変異種の感染が広がっていると言うことで、はじめの頃のような高齢の合併症を有する人が重症化し亡くなると言うことではなく、若くて病気を持っていない人も重症化しているようです。以前から繰り返しているように、コロナが落ち着いているときに医療体制を充実せねばならないわけですが、残念ながらできていません。その結果すでに医療崩壊が起きかけているところもあります。医療が危機に陥ると経済を犠牲にして緊急事態宣言なり蔓延防止措置なりで患者数を抑制することが繰り返されています。しかし、連休中はたくさんの人が出かけていました。今回は変異ウイルスで感染力も病原性も強いので、今まで同様に押さえ込むことができるのか心配です。

 ではこれからどうなるのか?

 ワクチンはそれなりに効果があるようです。しかし免疫が長く続かないので、何回も接種しなければなりません。特効薬はまだできません。ウイルスは激しく変異を繰り返すので、ワクチンや薬についても容易に抵抗性を獲得するかもしれません。アフターコロナの時代が来るのはもう少し先になるかもしれません。それまでは簡単に言えば重症化しやすいインフルエンザが季節に関係なく流行していると言う状態が続くと言うことです。そうなると新しい生活様式を真剣に考えなければなりません。飲み会で肩を抱き合って大声で騒ぐのは過去の事になるでしょう。飲酒を伴う食事を提供する店は今よりも少なくなるでしょう。宴会という言葉は死語になるかもしれません。公共の場所での酔っ払いは犯罪となるかもしれません。酒が飲めない訳ではないようです。酒の飲み方が変わって仕事を変えなければならない人もいるでしょう。悪いことばかりではなく、重症化防止には適度の運動による健康的な生活が良いようですので、みんなが運動して健康寿命が伸びるかもしれません。それにしてもマスクをつけて会話しないといけないのはちょっと困ってしまいますが仕方ない。

 感染力の強いウイルスを防ぐために一時診察室でプラスチックのフェイスシールドをつけていましたが、患者さんとお話が難しく診療に支障があるため今は外しています。患者さんの中にはマスクで話すのは嫌なのか、診察室に入ったらマスクをはずしてしまう人がいますが、感染防止のためにマスクはつけたままお話し下さい。顔や舌の状態を見る必要があればこちらからお伝えします。コロナ時代の新しい受診様式です。

 以前の生活に戻ろうとするから我慢が強いられるのです。日常になってしまえばそれは我慢とは言いません。コロナとの戦いが長期戦ならば、過去の厳しい時代をくぐり抜けた先人の忍耐力を見習うしかありません。


2021年05月18日