No.31 コロナとの戦い17 養生で予防

 行動制限が国内で完全に解除されました。他県への移動も可能ですが、首都圏にはコロナがまだ発生しており感染を広げてはいけないと気持ちよく動く気にはなりません。東京でコロナの抗体検査をしたところ陽性率が0.1%であったとのこと。衝撃でした。

 以前「コロナとの戦い7」ですでに6%の感染者がいるようだとの慶応病院の報告を紹介しましたがそちらはPCRという遺伝子検査で、今回の抗体検査とは違うものの同じ感染の有無を時期を違えて調べる検査です。あまりにも結果が違いすぎます。どちらか間違いならそれまでですが、どっちが本当なのか。もう一つ、どちらも本当の可能性として感染後に抗体が出来てもすぐになくなる可能性があります。論文を調べたところ、最新の医学論文(Nature)に実際そのようなことが起きている可能性があることが発表されていました。これは非常に重要なことす。抗体をもっていればもう感染しないという保障はなく、血清を使った治療も感染直後の人からしか取れないのであまり実用的ではないし、ワクチンを打っても抗体がすぐに消えてしまうのでは予防効果はあまり期待できません。どうすればよいか。

 私の漢方医学の師匠にあたる中田英之氏は養生によるコロナの予防を提唱しています。氏によれば、コロナが重症化しやすい人には東洋医学的に3つのタイプがあり、①痰飲(たんいん) 食べ過ぎ、飲みすぎ、遊びすぎ ②気虚(ききょ) 元気なし もう頑張れない ③陰虚(いんきょ) 頑張り過ぎ 消耗しすぎ、それぞれについて予防法が違うとのことです。

 まず①痰飲の人は養生あるのみです。コロナウイルスは胃腸機能の急激な低下をきたすので、予防のためには普段から胃腸機能を整えておかないといけません。食生活を正しくすること、これが大事です。②気虚の人は体力をつけることです。食事と運動が大事で先回述べた甘いものを控えて身になる食べ物をとらねばなりません。③陰虚の人はスローダウンすることです。頑張りすぎて寝不足になるのはよくありません。

 聞いてみれば当たり前のことですが、今の日本で出来ている人はあまりいないように思います。自分は大丈夫と思っている人は、なかなか生活習慣を変えることができません。コロナの流行をきっかけとして自らの生き方を見直ししてみてはいかがでしょうか。


2020年06月22日