No.17 コロナとの戦い3 身を守るために

 先回から1日しかたっていませんが、コロナとの戦いは緊迫感を増しておりシリーズとなりました。今日4月14日は緊急事態宣言から1週間、街の風景も変わり、満員電車も今は昔です。国は人との接触を8割減らせと言っていますが、確かに統計として患者数を抑え医療崩壊を招かないためには必要なことです。いろいろ事情はおありでしょうが努力しましょう。これとは別に一人ひとりにとっては1回でもコロナウイルス(以下コロナ)が侵入すると感染してしまいます。特に我々病院で働くものは、病弱な患者さんに感染させてしまう可能性があるので絶対にコロナに感染してはいけません。実際たくさんの病院で院内感染と推測される事態が起こっており本当に心配です。

 コロナに感染しないためにはどうするか、世の中には絶対はないのですができる限りの手段を使って守るしかありません。コロナは空気中の飛沫を吸い込むか、何かに触ったものが粘膜から侵入すると感染すると考えられています。空気中の飛沫を吸い込まないためには、いわゆる三密、密閉、密着、密集を避けろと耳にたこができるくらい言われています。風通しの良いところに少人数で、お互いに距離を取ればさしあたり大丈夫でしょう。短い時間ですがウイルスは空中に浮かんでいるので常にマスクをしていたほうがより安全です。次に接触感染ですが、コロナは付着した物によって生存期間が違うことが報告されています。アメリカの大学からの報告で生地では3時間、銅や木では4時間、段ボールでは24時間、金属では42時間、プラスチックでは3日間生きるとされています。他の研究機関でもほぼ同様の結果が得られており、我が家では宅配された段ボールは1日以上玄関脇においてから開けます。帰ったら手を洗えとは言いますが、服が花粉症ほど言われないのはこの研究が根拠となっているのでしょう。中国の駅で消毒液を噴霧していましたが理にかなっているようです。デマではなく科学的な根拠をもって身を守るようにしてください。

 ところで東京の感染者数が徐々に上昇し、特に感染経路不明の数が増加しているのでオーバーシュートが近いと報道されています。その点で気になるのが電車でのスマホです。スマホの表面はプラスチックのようなものでできておりコロナウイルスが長く生存できる状態です。食事の時にスマホをいじる人もたくさんいるでしょうから、電車でスマホを開けていれば空中を飛んできたコロナウイルスが付着すると考えらます。そこから感染が広がっているのではと思います。感染経路不明者のうち電車でスマホを使っていた人がどれだけか不明なので根拠はないのですが、最近若い人の感染が増えていることとも合致します。そこで電車内で「スマホの表面ではコロナウイルスが長く生存できますので、感染防止のため電車内でのスマホの使用は控えたほうが安全です。」とアナウンスしたら感染の増加を抑えられるのではと考えています。
2020年04月15日