No.38 コロナとの戦い23 指揮官交代

 先日在任期間が歴史上最長を誇った安倍首相が辞職を表明しました。難病を抱えても最高の治療を行えば首相の激務を長くこなすことができるというのは現代医学のすばらしいところですが、その現代医学をもってしても今年始まったコロナとの戦いの中では指揮官の健康を支えることは出来ませんでした。当然のことでしょうがいくら薬がよくてもそれだけでは健康を維持するのは無理です。半年ほど全く休みを取らなかったとのことですが、それはいけませんでした。たとえゴルフしているところを週刊誌に撮られて「国難にも遊ぶ首相」と悪口を言われても正しい判断をするために十分休養をとるべきであったというのは、歴史の教えるところです。大東亜戦争の勝敗を分けたミッドウェイ海戦で日本の指揮官は不眠不休で頑張りましたが、米国海軍の指揮官は艦橋で本を読むなどリラックスしていました。部下から批判もあったようですが「私の仕事は判断することである。判断が必要な時は呼んでくれ。」と意に介さなかったと伝えられています。そして見事に戦闘を指揮して米軍を勝利に導き、日本帝国海軍は惨敗しました。安倍首相が退任の理由として挙げた「判断を間違えてはいけない」というのは正しい。しかし人間のすることですから間違えることもあります。少なくとも間違いない判断ができる健康状態であることは最高指揮官の責任でしょう。

 今後のコロナ対策をまとめたことを首相は強調していました。PCR検査を増加する、今度こそ実現してほしいものです。重傷者の治療に医療資源を集中する、当然です。指揮官は判断し、命令し、その実行を監督せねばなりません。やるように言ったけれども出来なかったではすまされないのです。今回の危機は初めてのことで今までのように出来ることだけやっていたのでは乗り切れない可能性があります。これから何が起こるかはわかりませんが、新しい指揮官にはこのコロナとの戦いを勝利に導く統率力を期待します。

 以前もお伝えしましたが、今回のコロナウイルスは一度感染して治ってもまた感染することがあるようです。これはつまりワクチンを打ってもその効果が切れれば感染するというので困ったことです。決定打はまだありません。しかし、三密を避けるなど感染防護に力を入れ、医療現場を充実させることでこの危機は乗り切ることも可能であることもわかってきました。この機会に生活様式を変えてみませんか。タバコはコロナの症状を悪化させるので止めましょう。食事時は会話を控えましょう。宴会は・・・しばらくネット上で我慢しましょう。


2020年08月31日