漢方編その5 続 脚を鍛えよう

 先回の「脚を鍛えよう」で松田院長からコメントをいただきました。

 「よく患者さんに聞かれます。何分歩いたらいいのか?それは人それぞれです。5分しか歩けない人は、5分歩けばいいのです。毎日5分歩いていると、そのうち10分歩けるようになります(狭窄症が無ければですが)あの三浦雄一郎氏も、脳梗塞後は二階に上がるのがやっとでした。しかし毎日少しずつ歩いているうちにまたエベレストに登るまでに回復しました。」それで思ったのは、テレビなどで「この運動は毎日どれだけやればよいのですか?」と聞かれて「朝晩5回ずつ2セットやってください。」と答える専門家の方がいますが、その人の状態もわからないのになぜ言えるのでしょうか?それは基本健康な人だからでしょうね。痛みのある方は医師と相談してからと付け加えられます。では痛みがある人はどうしたらよいでしょうか。医師と相談して運動してもよいとなったら、次は自分の脚と相談しながら運動することです。脚の弱った人は転倒しないように何かにつかまって、日々自分の限界に挑戦する気持ちで筋肉をプルプルさせながら鍛えるわけですが、やりすぎると痛みが出ますので注意が必要です。そう、注意するつまり意を注ぐわけです。意は心の動きですから心を自分の身体の感覚に集中して運動することが大事です。歳と共に感覚も変化しますので、初めはごく簡単な運動を少しから始めることです。少しずつ難しい運動をやれば、やがては三浦雄一郎のようにエベレストに登れる、かどうかわかりませんが、その気持ちでやりましょう。

 熱中症の症状で来院される患者さんが増えました。漢方の盛んな時代も暑いことはあったでしょうが、冷房もなかったので人が行動できる範囲でいろんなことをやっていたと思います。ですから暑くても働ける漢方薬をくれと言われても何も思いつきません。生物には環境に順応する力があるので、しっかり食べてよく寝て暑さに負けない身体を作っていくしかありません。水分の補給は重要ですが、それだけでは不十分です。自分や周りの人の感覚を大切にしてこれは無理だなと思ったら手遅れにならないうちに涼しい所に移動ことです。子供でなくても熱射病になると死亡する危険があります。

 安倍元総理が奈良県で手製の銃で狙撃され死亡しました。ご冥福をお祈りします。

2022年08月01日