漢方編その7 冷蔵庫にゆで卵

 暑さ寒さも彼岸までで台風と共に猛暑は去ったようです。寒さを感じることも多くなり体調を崩しがちです。テレビでは、自律神経を整えよと盛んに報道しています。それは季節の移り変わりのときにはいつもそうですが、秋は特別の注意が必要です。秋に重要なのは、夏の間に体の中に蓄えられた熱を上手に逃してやることです。春は暖かくなるにつれて、冬の間閉まっていた体の毛穴を開いて汗をかき熱を放出しなければなりません。汗をかく機能が十分になるのに時間がかかるのでこの時期は熱中症が多く出ます。逆に秋は夏の間毛穴が開いた状態で寒さを受けるので風邪をひきやすくなります。汗をかけるようになるには時間がかかりますが、毛穴は比較的早く閉じることができます。真冬に暖かい室内から寒い外に出るのに必要な機能なのでしょう。秋の体調不良の原因の一つを私たちは冷蔵庫の中に熱いゆで卵をいきなり入れたようなものと考えます。外は寒いのに中には夏の熱が残っていて逃げ場がなく体調をくずすのです。そして動悸、ニキビ、偏頭痛、めまいなど色々な症状が起きます。この体の奥にある夏の熱は大便として出すのが効率的です。この時期に少し下痢気味になると熱が抜けて症状も軽くなります。秋が深まると自然になくなるので経過をみるのもよいですが、どうも体調がよくない、病院で調べても原因がはっきりしないしという方は、冷蔵庫のゆで卵状態かもしれませんのでご相談ください。漢方薬で治すことができます。

 ウクライナでの戦争は、ウクライナ軍の反撃が成功しました。そして、またまたロシアの戦争犯罪が明らかになっています。捕虜にも虐待や拷問が行われているようです。おまけに原発を攻撃占領し、撤退しようとしません。ダムもミサイル攻撃して街を水浸しにしたようです。私が子供の頃「ロシヤ、野蛮国、クロポトキン、金の・・・」という歌をおばあさんが歌ってたのを思い出します。戦争はクラウゼビッツいうところの「国際紛争を解決する手段」と教わってきましたが、野蛮国ではルール無視の殺戮と略奪のようです。

 報道を見る限りロシアの旗色は悪いのですが、核兵器を使わずには負けたといえないでしょう。核兵器が使われれば、その後何が起こるのか・・・世界情勢は不確実さを増しています。非道な戦争は早く終わってほしいところですが、落ち着き先を模索するのに時間をかけるのも一つの冷酷な知恵でしょう。核兵器を持った大国が戦争を防ぐのではなく、戦争を仕掛けるようになった世界は平和ではありません。難しい時代を乗り切る知恵と覚悟が必要です。

 コロナの終わりが見えてきたとWHOの事務局長が言っていました。次の波は来るかもしれませんが、今までのように過剰に身構えていては損失が増すばかりです。備えることができるものは必要最小限備えて、無理のない生活を送れるようにすべきです。一人ひとりの課題として生活が乱れている人はコロナで重症化することが多いので、健康的な生活を送りましょう。適度に食べて、適度に運動して、適度に休むことで病気に強い体になれます。食べすぎ、運動不足、働きすぎか遊びすぎで寝不足では健康によいわけがありません。油断せず節制して養生することが、昔から言われていますが、あらためて大事です。

 英国のエリザベス女王の国葬が厳かに行われました。国全体がその死を悼んでいました。国の儀式が国民の団結を高めていたのが印象的でした。一方日本の安倍元総理の国葬は、同じ国葬なのに国全体がその死を悼む様子がないのが残念です。税金を使う問題もあるでしょうが、国の儀式が国民の分断を起こしては意味がありません。

2022年10月04日