No.52 コロナとの戦い37  転ばぬ先のシコ

 本日大リーグの大谷翔平選手がMVPを受賞しました。痛快なことです。日本では大相撲九州場所が始まりました。まだ観客は少ないですが日常が戻って来つつあるように思います。

 歳をとってくると少しの段差でも転ぶことが多くなってきます。どうしたら転ばなくなるか、それには目の前の相手を転ばせることで勝負をつける相撲が参考になります。土俵から押し出しても勝ちではないかとのご意見もあるでしょうか、それは体重で決まります。大きな相手に押されてもその力を利用して転ばせて勝つ相撲の醍醐味は他にはありません。折りしも数々の大記録を塗り替えた横綱白鵬が引退しました。モンゴル人の身体の丈夫さもあるのでしょうが、その偉業が達成できたのは誰よりも多く四股(シコ)を踏んだからと言われています。

 四股とは何か?相撲の超人的な技を可能にする基本が四股であるとのことです。これは松田院長の弟さんで長く力士をされ、シコの研究から「転ばぬ先のシコ」など多くの著作のある元・一ノ矢さんの本からの受け売りです。ご興味のある方は一度読んでみてください。目から鱗で面白い。相撲の取り組みも四股を理解して腰の働きに注目すればまた違った面白さがあります。何より四股は私たちの生活にも有益です。四股をやると転ばなくなります。相撲の技の掛け合いで転びそうになるのをこらえるのは大臀筋や大腿四頭筋のような大きな筋肉ばかりではなくその奥の股関節周囲にある小さな筋肉が大事です。詳しくは本を読んで欲しいのですが、股関節周囲の小さな筋肉が強くなると股関節がガッチリと骨盤にはまり込んで一体となってバランスを取ることができます。そこが緩むと簡単に転んでしまいます。高齢の患者さんは少しの段差につまずいて、崩れ落ちるように転んでしまうことが多い。力士のように踏ん張れないのでしょう。ですから転ばなくするには四股を踏んでこの股関節の奥の筋肉を鍛えることはとても有用です。結論:転ばないために四股の練習をしましょう。簡単にできますが奥が深い。しかも一生懸命やると汗が出るくらい良い運動です。注意として頑張ってやりすぎると痛みが出ますので、足は少しだけあげて毎日10回くらいから始めて続けましょう。せっかくやるなら正しいやり方でやった方が効果があります。

 日本ではコロナ患者が減ってもうどこかに行ったような感じですが、欧州や隣の韓国ではまた患者が増えてしかも重症者も増えています。ワクチンを接種した人の効果が切れてブレイクスルー感染が起こっているようです。他国で起こることは日本でも起きるでしょう。去年も年末患者が急増しました。経済対策も大事でしょうが、コロナ感染が拡大してしまえば社会に大打撃となります。今回こそは適時適切に準備して国としてこの戦いに勝利して欲しいと思います。四股は邪悪なものを地面に押し込めるために行われた神事であったとのことです。四股を踏みながら感染対策を怠らず、抜かりなく寒い冬に備えましょう。



2021年11月22日