No.24 コロナとの戦い10 持久戦

 緊急事態宣言がほぼ1か月延長されることとなりました。安倍総理も言っていましたが持久戦です。徒然草に「勝たんと打つべからず、負けじと打つべきなり」とありますが古来勝負事の秘訣は持久戦です。そもそも戦いはこちらが優勢であれば攻め、劣勢であれば守るといことが大原則です。今回のコロナとの戦いでどちらが優勢かといえば、一 まったく準備していないところを攻撃された、二 攻撃に対して有効な反撃手段、薬やワクチンがまだない、三 侵攻速度がきわめて早い、四 無症状でも感染能力あるので守りが困難、 五 情報が不足している、 など圧倒的にわが方が不利です。今のところ守るしかなく損害を少なくして時間をかせいで状況の好転を待つ持久戦は当然の結論です。

 外出自粛要請は効果を発揮していますが、経済に与える影響も大きく仕事を失う人も出てきました。しかし自粛をやめて自由に動けば敵の思うつぼで、オーバーシュートから医療崩壊、そして社会も崩壊してしまうのは諸外国の初期の状況を見れば明らかです。現在のところどちらがより悪くないかという選択しかありません。厳しい状況ですが各人が出来ることをやって、助け合い、政府も適切に支える、地震と同じく自助、共助、公助の組み合わせで頑張っていきましょう。

 今の主戦場は近接戦闘が行われている病院です。こちらは地上での戦いで弾が飛び交っています。持久戦でも戦闘は続いており医療従事者は危険の中で戦っています。支援と協力をお願いします。

 他方家の外の公的空間も戦場ですがこちらは空中戦に近いものがあり、どこから敵がくるかわかりません。マスクをして守りをかためればより安全ですがこれから温度が上がるとそれも難しくなります。外出すればモノに触るし人とも話すので被弾するのは避けられませんので、家に帰っての手洗い、スマホの消毒がかかせません。

 関東では二か月におよぶコロナとの戦いで自粛疲れか、行き交う人も何かとげとげしく家庭内暴力も問題になりコロナ離婚も増えているとのこと。戦いのはじめは高揚感がありますが長く続くものではなく厭戦気分となるのは歴史の教えるところです。第二次大戦はアメリカの国民が一致団結していたのに、ベトナム戦争で反戦運動が広がったのはテレビで映像を見たからと言われています。そう考えて我が家ではニュースはラジオで聞くことにしています。

 以前自衛隊での経験ですが方面隊の最高司令官に「一番注意していることは何ですか?」と聞いたことがあります。「それは隊員の士気である。士気が落ちれば戦いには勝てない。」とのお答えでした。長引く持久戦でひるみがちな士気をいかに維持するか、そこでヨガの先生の言った「我慢と忍耐は違います。」ということを思い出しました。我慢は感情を抑えてその場にとどまることですが、忍耐は感情を抑えつつ成長を目指すことだとのこと、暑い風呂に入って我慢してもまあ成長することはないでしょうが、学生時代へとへとになりながら厳しい練習を逃げずにやり遂げる忍耐は必ず成長につながるでしょう。持久戦は我慢より忍耐、昨日より今日、今日より明日少しでも成長できるように工夫して生活しましょう。



2020年05月07日