No.57 コロナとの戦い42  春は模様替えの季節

 雪も降ったりしましたが、桜も開花しました。春です。動物たちも冬眠を終えて動き出す時期です。この時期は学校の卒業、入学、会社の入社、退社、国の財政の区切りなど生活が大きく変わります。松田整形外科も新しく先生が加わることになり、私の外来も木曜午後と金曜午前中に変更になりました。4月から木曜の午後は漢方と鍼の専門外来となります。他のクリニックでも漢方外来をやっていましたが、そちらは予約制で一時間に4人だけ患者を診ていました。本格的漢方の診療は、しっかり問診して診察しながらいろいろお話して病気の原因を探り、時に鍼灸の治療をしながらその反応を見て治療を続けるので、時間がかかります。今までは時間をかけずにそれなりに効果が上がっていたのですが、これからはさらに診療の質を上げていけるのではと思います。これを機に「後藤先生の部屋」を模様替えします。コロナとの戦いシリーズは一旦終了して、漢方診療の話題を中心にしていきたいと考えています。そのほかコロナなど時々の話題を付録でつけようと構想を練っています。引き続きご愛読よろしくお願いします。

 さて、コロナは落ち着きつつありますがまだ油断はできません。自然変異か人工的変異かわかりませんが人類の対策をくぐり抜けて変異を続け戦いは続くでしょう。コロナを完全に封じ込めようとしている中国で患者が増えているのは気になります。制御不能となれば、かつての武漢が中国全土に広がり大惨事となります。日本でも同じことで、喉元過ぎれば熱さを忘れるではいけないので、常に事態が悪化した場合の対処を準備しつつ経済を戻さないといけません。いえ、戻るのではなく、新しい持続可能な生活を創り上げねばなりません。

 他方ウクライナでの戦争は、平和への道筋が見えず、殺し合いの惨状となっています。
ロシアは以前チェチェンで人口が半分に減るまで殺戮を行なって住民の戦う意志を奪ったそうですが、ウクライナの抵抗は強く、世界からの支援もあるので、あとどれだけ人が死ねばいいのか、どれだけ家を失って難民となるのか検討もつきません。ウクライナにしてもNATOは来てくれず、ロシアの戦意を奪うためにはロシア兵を殺し続けねばなりません。おまけにロシアは自国の軍人が死なないようにシリアから傭兵を雇ってきましたので、終わりはますます見えずまるで地獄の様相を呈しています。最後は生物化学兵器や核兵器の使用も考えるでしょうが、報復合戦になれば死者の数は数万、数十万、数百万と増えていきます。もはや正気の沙汰ではなく世界全体に波及することも考えられます。どこかでは正気に戻ることを期待しますが、ごく少数の人類が生き残って新しい世界を創るというSFのような話になるかもしれません。そんなことを考えると気が変になりますので、ここは落ち着いて事態を静観してとりあえず目の前のことをやるのがよいでしょう。

 それでなくても、地震や大災害の危険はあります。先だって横断歩道に車が止まっていて歩行者の信号が青になったので渡ろうとしたらいきなり車が動き出して危うく轢かれそうになりました。毎日のほほんと生きていますが、実は一寸先は闇で何が起こるかわからない、しかし心配してばかりでは生きるのも大変ですから、運命は神仏にお任せして生きていくのがよいというのが先人の知恵かと思います。

 大変な時代ですが、長い人間の歴史ではそういうこともあると考えて、前を向いて行きましょう。


2022年03月25日