後藤先生の部屋老年医学編「老いと失敗」
最近は電子書籍を購入する人が多くなりましたが、私は通勤中の空き時間に本屋さんで立ち読みして気に入った本を買っています。電子書籍では最初の数ページだけしかタダで読むことしかできません。本屋さんなら面白そうと思ったところをサラッと読んでみて、いいと思ったら買うことができます。
先日畑村洋太郎先生の「老いの失敗学」という本を見つけました。巷に成功するためのハウツー本が溢れているのに失敗学とは逆を行っています。稀な成功を夢見るのも悪くはありませんが、よく起こる失敗を研究して日常に生かすことはまことに理に適っています。その失敗について研究していた畑村先生が高齢になリ「老いるということは失敗に似ている」という発見をして書かれたのがこの本です。
どこが似ているかというとまず生きていく上でずっと成功し続けることはあり得ないので失敗は避けられない。同じく生きていけば老いることも避けられない、つまり両者とも避けて通れないことです。そして失敗に良い失敗と悪い失敗があるように老いにも良い老いと悪い老いがあると提唱されています。良い失敗とは「人が成長する上で必ず経験しなければならない失敗」です。例えば子供が歩き出して転んでは泣いて立ち上がりまた歩き出しそして転ばずに歩けるようになる、これは歩く上で必ず経験しなければならない良い失敗です。怠慢や不注意などが原因の失敗はするだけ無駄なので悪い失敗とされています。良い失敗を重ねて成長し、悪い失敗は避けるべし、そのとおりだと思います。
老いについて良い老いとされるのは失敗することで豊かで充実した人生につながるものとされています。そんなものがあるのかとも思いましたが、以前私が神社の横で靴の底がすり減っているのに気がつかずに滑って転んで手を怪我したことがありました(2023年7月)。この時に走ってきた車に轢かれて死んでいたら良い失敗にはならなかったでしょうが、神様のご加護か幸い軽傷ですみました。そして安全に歩くには靴が大事だということに気づかされ用心深く行動するようになって将来起こるかもしれない大事故を防ぐことができたとすれば、それは老いがもたらした良い失敗であったと思います。
以前は片足で立つのは全く問題なかったのですが、歳をとると力も弱くなりバランスも悪くなって片足で立つのは不安定になってきました。くよくよしても無駄ですので、どうすれば片足で立っていられるか、足のどこに力を入れればよいか、姿勢どうすればよいか、若い頃にはなかった課題を与えてもらったと思って楽しみながらいろいろ試しています。これは良い老いだと思います。悪い老いにはいわゆる老害というものがありますが、老害の場合は本人は自覚していないことが多いように思います。
なるほどと思ったのは、悪い老いは老いた本人だけが原因ではなく、その人の周りの人が老いた人を理解していないことが原因となることがあるということです。老いとは人間の身体、精神、環境など全てが変わっていく過程ですので、本人はもちろん周りの人もその変化に上手に順応することが老いを失敗としないカギだと思います。
先日畑村洋太郎先生の「老いの失敗学」という本を見つけました。巷に成功するためのハウツー本が溢れているのに失敗学とは逆を行っています。稀な成功を夢見るのも悪くはありませんが、よく起こる失敗を研究して日常に生かすことはまことに理に適っています。その失敗について研究していた畑村先生が高齢になリ「老いるということは失敗に似ている」という発見をして書かれたのがこの本です。
どこが似ているかというとまず生きていく上でずっと成功し続けることはあり得ないので失敗は避けられない。同じく生きていけば老いることも避けられない、つまり両者とも避けて通れないことです。そして失敗に良い失敗と悪い失敗があるように老いにも良い老いと悪い老いがあると提唱されています。良い失敗とは「人が成長する上で必ず経験しなければならない失敗」です。例えば子供が歩き出して転んでは泣いて立ち上がりまた歩き出しそして転ばずに歩けるようになる、これは歩く上で必ず経験しなければならない良い失敗です。怠慢や不注意などが原因の失敗はするだけ無駄なので悪い失敗とされています。良い失敗を重ねて成長し、悪い失敗は避けるべし、そのとおりだと思います。
老いについて良い老いとされるのは失敗することで豊かで充実した人生につながるものとされています。そんなものがあるのかとも思いましたが、以前私が神社の横で靴の底がすり減っているのに気がつかずに滑って転んで手を怪我したことがありました(2023年7月)。この時に走ってきた車に轢かれて死んでいたら良い失敗にはならなかったでしょうが、神様のご加護か幸い軽傷ですみました。そして安全に歩くには靴が大事だということに気づかされ用心深く行動するようになって将来起こるかもしれない大事故を防ぐことができたとすれば、それは老いがもたらした良い失敗であったと思います。
以前は片足で立つのは全く問題なかったのですが、歳をとると力も弱くなりバランスも悪くなって片足で立つのは不安定になってきました。くよくよしても無駄ですので、どうすれば片足で立っていられるか、足のどこに力を入れればよいか、姿勢どうすればよいか、若い頃にはなかった課題を与えてもらったと思って楽しみながらいろいろ試しています。これは良い老いだと思います。悪い老いにはいわゆる老害というものがありますが、老害の場合は本人は自覚していないことが多いように思います。
なるほどと思ったのは、悪い老いは老いた本人だけが原因ではなく、その人の周りの人が老いた人を理解していないことが原因となることがあるということです。老いとは人間の身体、精神、環境など全てが変わっていく過程ですので、本人はもちろん周りの人もその変化に上手に順応することが老いを失敗としないカギだと思います。