第4話:嵐にやられてメッタメタ【1】

大海原を順調に航海する船…暖かい日差しの中、シジンは「ガンバと海」と言うタイトルで詩をいろいろ吟じてみるが
どうも上手くいかない。とうとう諦めて、そばにいる本人に詫びるが…当のガンパは、日差しの中ウトウトしていた。
そんなガンバに忠太がそっと近づき、耳元で大声を出した。びっくりして飛び起きたガンバの周囲を、笑いながら走りまわる忠太。
ガンバも、忠太のイタズラに少し怒って鬼ごっこを始めるが、忠太ははしゃぎ過ぎてデッキを清掃中の人間の前に出てしまう。
当然のように人間は忠太をモップで叩き潰そうと追い回す。
「やれやれ、忠太の奴はしゃぎ過ぎだな…」
それを見ていたヨイショが、眉をしかめる。
「仕方がないよ、やっと怪我か治ったんだ。」
「しかし、人間には気を付けねぇと…」
そんなヨイショを、ガンバは心配性だとからかう。しかし、改めて蒼く広がる海を見て感動するガンバを、ヨイショはまだ甘ちゃんだと言う。
しかしヨイショは、そんなガンバをまだ甘ちゃんだと言う。
「海が…生き物…?」
ヨイショの言葉が、今一つ理解できないガンバは、ちょっと唖然とした表情で聞いていた。

その頃…
「さあさあ、今度はどっちにしやす?」
船底では、イカサマがボーボを相手に丁半賭博の真っ最中。
「えーと…奇数が半で、偶数が丁だから、今のが丁で…えーと…」
すると、横にいたガクシャが口を挟む。
「半ですよ、我輩の計算によれば、今度こそ間違いなく半なのです。」
自信たっぷりの言葉に対して、ボーボの一言が腰を折る。
「でも、さっきははずれたよ…?」
「今度は、いかさまができないようにしっかり見張っていましたからな、半に違いない。」
「じゃ、ガクシャさんが賭けてみたら?」
「いやいや、我輩は博打は大嫌い…」
「ようよう、嫌いならゴチャゴチャいわねぇでもらいたいなぁ…」
二人が揉めている隙に、いかさましていたとも気付かず、ボーボは半に張る。
「揃いやした、勝負!…一(ピン)ゾロの丁!」
またしても巻き上げられて、ボーボは唖然。ガクシャはいかさま行為だと怒るが、イカサマは証拠を見せろと涼しい顔。
「さて、どうしやす?そろそろ、おめぇにもツキが回ってきてもいい頃なんだがなあ…」
「やりたまえ、今度こそ勝てるよ。」
ガクシャの、無責任なそそのかしもあってか、ボーボは
「何か賭けるもの、探してくるよ。」
と、その場を後にした。その背中を見送ったイカサマは
「そうこなくっちゃ。ボーボは今に、いいギャンブラーになりやすぜ。」

ボーボは、船の厨房に向かい物色を始めるが、これといったものが何もない。と、そこへ上から皿が落ちてきて
ボーボの頭にぶつかった。
「ごめんよー、大丈夫かい?ボーボ…」
「何だ…忠太も食料探しに来たんだ?」
「うん、僕暴れたらお腹が空いちゃって…」
ふたりは、そのまま別れて食料探しを続けるが、そんな忠太の目にチーズが映った。島では滅多にお目にかかれないご馳走…
迷わずそれに飛びついたが、それはネズミ捕りに仕掛けられた「罠」だったのだ!

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