その頃、ガンバ達はかなりの断崖絶壁を登っていた。手がかりも、足がかりもない場所だけに、イカサマが投げたダイスのひもにぶら下がり、
ガンバが岩場に前歯を突き立ててそれを手がかりに登ったり、狭い岩の間を両手足を突っ張って少しづつ登るボーボのシッポにぶら下がったり、
時には、危うくシッポにつかまっている仲間と共に転落しそうになりながら、彼らの必死の登山は続いていた。
そして何とか崖を登り切ると、平たい岩場に出た彼らは、バテバテで照りつける太陽を見ながら横になったが
「あー、しんどい崖だったぜ。ニャハハ…よっ、と。さあ、みんな行こうぜ!今の調子でジャンジャン登ろうや!」
キツい崖を登り切った達成感に満たされていたガンバは、仲間達に声をかけるが…
「行きたきゃ、先に行ってくれ。後から追いかけるぜ…ヘッ、あっしは、少々バテやした…」
イカサマが、ギブアップを宣言して寝てしまう。そして
「オイラもだよ〜おやすみ…ガンバ」
ボーボも、横になってしまった。忠太は、仰向けになったまま寝息を立てている。
「チェッ。しょうがないなあ…ホントに独りで行っちゃうぞ、もう…ちゃんと後から追っかけて来いよ…なーんちゃって。俺も、眠るとすっか」
ガンバは独り言のように呟くと、仲間と共に横になった。
…その様子を、さっきの鷹がじっとみていたのに気付かずに。
鷹は、ツイと飛び上がると音も立てずに彼らのもとに接近した。そして、崖の上で数回羽ばたきを繰り返すと、再び空高く舞い上がった。
足に、何かを掴んだまま…
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