ガンバの冒険 あらすじ語り(その5)

第21話*涙に濡れた13の瞳
夜が明けて、ガンバ達は岩影で怪我の治療をしていた。ノロイの恐ろしさを実感しながらも、戦いへの決意を固めるガンバ達…
そして、引き続き潮路をはじめ島の仲間たちを捜し続けるが、激しい日照りと岩場の連続にグッタリ。しかも、そこへノロイと
手下達が現われた。辛くもその場を逃げて、岩穴に逃げ込んだガンバ達は、中に花が意図的に置かれているのを発見する。
仲間が置いた「合図」に違いない!仲間の存在を確信した彼らの前に、忠太の姉・潮路が現われた。忠太と涙の再会を果たした
潮路は、ガンバ達を火口の内側に設けた隠れ処に案内する。しかし、狡猾なノロイは彼らを尾行していた!
隠れ処で、彼らは歓迎されるがそこには妙な匂い…硫黄の匂いが立ち込めていた。長老は食物も乏しく、ろくな状況ではないが
共に戦えるかと念を押す。ガンバ達は、それに対してシッポを立てて意志を示した。
「うむ。シッポに勝る言葉はない。ありがとう…」
翌日、ガンバは潮路にいいところを見せようと張り切るが、長老にたしなめられ彼らの手伝いをすることに。島中に花の印を
置いて回る彼らの前に、ノロイが現われてガンバは怪我を負い、付け狙われる。しかし、あわやという時イタチは硫黄の匂いを
嫌って退散していった。

第22話*海を渡ってきた仲間
ガクシャが、火口に砦を築き始めた。彼の知恵の粋を集めた立派な砦だ。一方、ガンバ達は麓の村に下りて食料の調達に行く。
猫に追われたりしながらも、何とか食料を手にしたガンバ達を、ノロイが待ち受けていた。部下のイタチに囲まれ、ピンチに
陥ったガンバ達は何とか逃げ切るが食料を失った。意気消沈するガンバ達の前に、ツブリ達が米俵を持ってやって来た。
しかも、高倉ネズミの一郎達も一緒だった。
「ヘッ、いかしたシッポのネズミ達だぜ」
イカサマは、馬車を持ってきて米俵を運ぼうとする。そして、順調に砦へと向かっていたが、またしてもノロイの魔の手が。
一郎達は、ノロイの前へ出て何とか食い止めようとするが、イタチの前になす術なくたちまちやられてしまった。ガンバは
ヨイショが引き止めるのを振り払って駆けつけたが…一方、イタチは馬に襲い掛かり、倒してしまう。万事休すの彼らの前に、
潮路の置いた目印を持った仲間達が現われた。ガンバ達は彼らが米俵を砦に運ぶまでの時間を稼ぐべく、囮作戦を展開する。
ノロイ達を引きつけて必死に駆けるガンバ達。その甲斐あって、米俵は無事に砦に到着。やがて、硫黄の匂いが漂ってきて、
イタチは行く手を阻まれた。歯軋りするノロイ、そしてガンバ達は高倉ネズミ達の犠牲をムダにしまいと、戦いの決意を
新たにするのだった。

トップへ

第23話*裏切りの砦
火口の砦に、島ネズミ達が続々終結して来た。みんな、隠れ住んでいたところをノロイに見つかって追われてきたようだ。
たちまち賑やかになる砦の様子に、ガンバ達は意気上がるが、イカサマだけはそれを怪しんでいた。そして、翌朝…
火口の内側で米俵を置いてあった棚が突然崩れた。見張りをしていたイカサマと一郎も落下、一郎は岩場に身体を叩き
つけられて絶命してしまう。そして、米俵も火口に落下して燃えてしまった。悲しみの葬儀の後、イカサマは疑惑を確信に
変えた。裏切り者がいる!ガンバ達は、仲間達に動揺を与えないように独自に見張りを強化する。そんな中、ガンバは潮路が
幼馴染みの太一と親しげにしているのを見て、思わず焼きもちを妬く。
「あんた、潮路のなんなのさ…?」
そして夜…見張っていたガンバ達の前に怪しい影が!そして、イカサマが「そいつ」の顔を見たのだが、それは太一だった。
太一は、弟・純太を人質に取られノロイの言いなりに動いていたのだ。一方、砦では一部の仲間が砦を捨てると言い出し、
ガンバ達の制止を振り切って飛び出した。しかし、待ち伏せしていたノロイ達にたちまちやられてしまう。彼らを兵糧攻めにし
出て行くところを皆殺しにするのが、ノロイの目的だったのだ!
そこへ、太一がやってくる。イカサマは、太一の胸倉をつかむと力任せに殴り飛ばした。だが、太一は高熱を出して苦しむ弟を
助けてくれと涙ながらに哀願する。彼は、裏切り者の烙印を覚悟で、しかしどうしようもなく戻ってきたのだった。
やりきれなくなって、ヨイショの胸で泣き崩れるイカサマ…
翌朝、彼らは砦を捨てて命がけの脱走を始めた!

第24話*白い悪魔のささやき
砦を捨てて、ノロイ達イタチの包囲網を突破するガンバ達。それは目的のない命がけの、ひたすら走り続ける逃避行だった。
草むらを抜け、海岸線に出た彼らは海に突き出た岩に小さな岩穴を発見する。とりあえずそこに逃げ込んだ彼らは、必死に
イタチを食い止める。ここを守り切れなかったら、最早お終いだ。何とか、イタチは退散しホッと一息ついたもののそこには
食料も何もないただの岩穴…これからどうするのかと不安がる仲間達は、ガンバ達に責任を問う。だが彼らの他人任せな態度に
ヨイショは激怒。ガクシャがとりなすが、ヨイショの怒りは収まらない。不安なのは、ヨイショ達も一緒なのだ。ボーボは
沖に島を発見するが、島との間の海には「早瀬川」と言われる潮流が、渦を巻いていた…
その夜、対岸にノロイ以下イタチがずらりと並んだ。総攻撃か…?しかし、
「勇者達よ、戦いはやめよう」
ノロイは、有り余る食料を見せ宴を開こうと言う。しかし、みえみえの作戦にガンバがそれを拒否るが、ノロイは言葉巧みに
彼らを誘惑する。そこで、ガンバとイカサマがまず「招待」を受けることに。確かに、何事もなくふたりは帰ってきたが岩陰に
ノロイの手下が隠れているのを見ているので、浮き足立つ仲間を止めるが制しきれない。そんな彼らを止めたのは太一だった。
彼は意を決したようにノロイのもとへ行き、襲い掛かった。隠れていた手下が驚いて出てきてしまったので、作戦は失敗。
怒ったノロイは部下に命じ、太一は惨殺されてしまう。そして、皮肉にも太一の弟・順太の容態が回復。兄を捜す声に誰もが
涙した。いよいよ、最後の戦いのときが来た…

第25話*地獄の岩穴
ガンバ達が最後の砦と頼む岩穴は、食料もなくやたらに暑い。ともかく、仲間達の体力を考えて食料を調達する必要があった。
食料調達隊を決めようと、それぞれがサイコロを振りその出目で決定することに。しかし、イカサマが自分にその役が回って
くるようにと、いかさま行為をしたところをガンバに見破られる。そしてガンバ・ヨイショ・長老が調達役を引き受けて
対岸に渡った。その間、ガクシャを先導して夜の攻撃に備えて仲間達を指揮する。対岸に渡ったガンバ達は、食料を手に入れ
イタチを警戒しながら進んでいたが、先導していた長老がイタチに見つかり、怪我を負ってしまう。その場は、イタチを撃退
したものの、気配を察知されてイタチの仲間がやってくる。負傷した長老を連れて逃げたが、がけっぷちに追い詰められて
大ピンチ。そこを救ったのが、ツブリ達オオミズナギドリだった。彼らは、夕方までに食料を運ぶ事を約束して去っていった。
夕方、約束どおりツブリ達によって食料が調達されガンバ達は一息ついた。そして夜…ついにイタチの総攻撃が始まった。
武器を駆使し、あるいは命がけで噛み付いて、彼らは必死に防戦する。そんな中、隙を突かれてイタチが侵入しようとした
ところを、長老が身体を張って阻止する。何とかイタチの攻撃を食い止められたものの、長老が瀕死の状態で、重い空気が
支配する。そんな中、長老は潮路に早瀬川の唄を歌ってくれと言う。涙声を振り絞って潮路が歌う唄を聞いた長老は、静かに
息を引き取った。そして…
「こんな時じゃなかったら、君に言いたいことがあったんだけど…」
潮路に対する思いを口にできないでいたガンバ…その時、ガクシャが「早瀬川の唄」に秘められた謎を解き明かした。
何と、今夜の海に変化が起こるという。そして、目の前であの激しい潮流が、消えていった…!

第26話*最後の戦い、大うずまき
ガンバ達の目の前で、あれほど荒れていた潮流の渦が消えた。これで、沖の島まで泳いで渡れる。仲間達は、静かに海へと
入って行った。そして、最後の仲間が海に入った頃になるとイタチの様子がおかしくなった。彼らもネズミ達の異変に気づいた
のだ。慌ててノロイを呼びに行く手下を見て、ガンバ達は作戦を確認し始めた。
遅かれ早かれ、イタチにはバレること。そこで、彼らが囮となってあとから追いかけようとするイタチを、できるだけ海の
真ん中で釘付けにする作戦だ。体力の続く限り海の中で泳ぎ続け、イタチの気を引く…海に再び渦が起きるまで!そして
忠太を連絡役にしてツブリ達に来てもらい上空から拾い上げてもらうというこの作戦、彼らにとっても命がけの大作戦だ。
最後に、お互い握手して成功と無事を祈った彼ら。ノロイが手下を海に飛び込ませたのを見て、行動開始だ。そして忠太は
独り対岸に渡るとツブリ達の住処を捜して走り出した。
海の真ん中で、ガンバ達は力の限り泳ぎノロイ達を引き付ける。だが、所詮はイタチとネズミ。たちまち追いつかれて逃げても
泳いでもノロイ達がぐるりと彼らを包囲する。一方、無事に沖の島に着いた島ネズミはホッと一息つくが、潮路がガンバ達の姿が
ないことに気づく。そして、不安は的中した。島ネズミ達はガンバ達が、自分達の安全を守るために囮になったことを知った。
「俺たちのために…あいつらを死なすなーっ!」
島ネズミ達も、ガンバ達のもとへと向かった。渦が巻き始めているというのに!島ネズミ達を巻き込んで大変なことになってきた
その時、ツブリ達が到着した。ネズミ達を渦から拾い上げ、イタチを攻撃するツブリ達。ガンバも飛び移ろうとしたが
その時ノロイが海の中から襲い掛かってきた。ガンバは、ノロイに立ち向かいそのまま海へ…
夜が明けて、イタチは渦に巻かれて全滅した。万々歳の大勝利だった…だが、ガンバの姿もそこにはなかった…悲しみが
彼らを包む中、朝日を背に現われたのは何とノロイだ!しかも、背中にはガンバが食らい付いていた。こちらに向かってきた
ノロイは、最後のあがきを見せたがついに絶命。波にさらわれ、海へ消えていった。
こうしてノロイを倒したガンバは、潮路への思いを胸にしまったまま仲間達と共に旅を続けていくのであった。

トップへ

「ガンバの冒険 メニュー」へ