ウルトラクイズこぼれ話

ウルトラクイズにまつわる、あれやこれやをまとめて見ました。軽あるく、読んで下さい。


「ジャンボ」から「ウルトラ」へ

企画段階で「ジャンボクイズ」と言う名称だったこの番組、どうして「ウルトラクイズ」 になったのかと言うと、ズバリ「スポンサーへの配慮」から
だったそうです。
当時、木曜スペシャルの「スポンサーだった航空会社」は、まだ国際線を就航させておらず ジャンボジェット機を所有していたは、ライバル会社だけ
だった。そのため、ジャンボ機 を連想させるタイトルがNGとなった次第。

シャレではなかった?

初代クイズ王、松尾さんへの優勝商品は「ラスベガスの土地2600坪」だったが、それ は砂漠地帯のど真ん中で、ご本人も「してやられた」
と感じられたとか。
しかし、真相はそうではなく「当時、100万円で買えるアメリカの土地」を探したら、 ここしかなかった…らしい(ちなみに「ジャンボクイズ」の企画書
には、はっきりと優勝 商品として「アメリカの土地」が明記されている)
しかし、これが「ブラックユーモア」と映ったのは私だけではないはず。結局、このこと が後に「ウルトラクイズの優勝商品は、シャレのきついもの」
と言う伝統を作ってしまう ことになった。

憧れのウルトラハット

屋外ロケでは、早押しクイズの時に誰が解答権を得たかを知るのに、スタジオのセットと 異なって、ランプなどでなく「はっきり目に見える」こと
を前提に開発されたのが「ウル トラハット」でした。
当初は「?」マークが垂直に出てくる方式を考えたものの、技術的に無理なので後ろから 起き上がる方式にしたそうです。
また、第1回は「?」マークを電磁石で固定しておいて ボタンを押すとそれが離れて、バネの力で立ち上がる方式でした。そのため、リセットは
解答者が手で戻さねばならず、当時のVTRにはしばしばそんなシーンが映っています。
また、決勝では立ち上がった「?」マークがビル風に煽られてフラフラしているのもよく 分かります。後に「?」マークはモーターによる起動に変わり
リセットすると自動的に 倒れる仕掛けになりました。
ちなみに、前述の松尾さんは「来年、この番組があるかは分からないから」と、決勝戦で 使用したピンク色のハットをスタッフから貰ったそうです。

「敗者の味方」徳光さん

「敗者の味方」と言えば、徳光さん。なぜ、この人が敗者の味方(叩かれ役)になったの かと言うと…初期のウルトラクイズで、敗者が残していく
「捨てゼリフ」として「二度と日テレを 視ないぞ」と言うものが多かった。まあ、所詮はシャレの範疇…と、思いたいがイメージ ダウンも怖い。
そこで、既にバラエティアナとして名の通っていた徳光さんが「敗者の味方」として登場 することとなった。時には、本気でピコハンマーが壊れるほど
叩く人もいてぼやくこと も多かったが、1988年にフリーとなるとお役御免となり、コント赤信号の渡辺正行に 引き継がれた。
ところで、徳光さんの「お仕事」に成田送迎デッキでの敗者のお見送りがある。その際に シュプレヒコールを叫ぶのが恒例だったが…
「今日から三週間は、天中殺だぞ!」
「国辱ツアー、帰れー!」
なんてのは、まだ序の口。
「お前たちの泊まるホテルに、スプリンクラーはないぞ!」
「お前たちの泊まるホテルの社長は、蝶ネクタイだぞ!」(共に、第6回)
「今、飛行機は機首をサハリンに向けたぞ!」
「おまえ達は、涅槃で待ってろ!」(共に、第7回)
に至っては…抗議必至の過激さ。その他にも
答えを○か×か悩む女性に「あなたの体型通りの答えでいいんじゃないですか?」
2度目の後楽園通過を果たした、第3代クイズ王・宗田さんに「あの顔のどこに、知性が あると言うのだ」
第1次予選に遅刻しそうになった参加者に「どうせなら、その辺に路註すればいいのに」
もはや、徳光さんならぬ「毒光」さんである。まあ、それが笑って許されるキャラクター であったからこそでしょうけど…

福留さんの“狼男”事件

それは、第6回大会ダラスでの出来事。ロケ終了後、福留さんが口にしたブドウにかなり 強い農薬が残留していたらしい。アレルギーを起こして
身体の中まで腫れてしまった。 顔はご本人曰く「狼男の如く、鏡を見ていたらみるみるうちに腫れあがるのが分かった」 と言う状態。
何とか、治療を終えたが今度は伸びきった皮膚が元に戻らず、弛んで老人の ような形相に。このままでは、ロケができない。
しかし、ウルトラクイズのスケジュールに「余裕」はほとんどなく、このままでは最悪、 中止しかねない…そこで、スタッフは一日だけ辛うじて
スケジュールを延ばして福留さん の回復を待ったが、はかばかしくなかった。
そのため、次のニューオーリンズでのロケでは「福留さんを映さない」ことにしたのだ。
当時のVTRでは福留さんの声はしっかり録っているものの、画面には顔はほとんど出て こない。どうしても入ってしまう時(最後のバンザイのシーン
など)は見切れているか ボケボケになっていた。しかも、顔にはサングラス…
これがきっかけで、第7回からは緊急事態に備え「代行アナ」が同行することになった。 スタジオ司会でもおなじみの石川牧子アナをはじめ、
日高直人アナ・小倉 淳アナなどが その役を務めた。
余談だが、第6回大会はいろいろと「事件」が続発し、関係者の間で「厄年」と言われて いるらしい。
詳細については、後に総合ディレクターとなる加藤就一氏(この時は ADだったそうです)が「ウルトラ伝説」の本文中に、手記を寄せておられます。
ウルトラファンなら、はっきり言って「必読」です。

スタジオの「名コンビ」

スタジオ司会のお二人、高島忠男さんと石川牧子アナの名(迷?)コンビも、ウルトラ クイズに欠かせない人でした。
スタジオセットの「ルート紹介」は、回を追う毎に短く なっていくので、第一週のフルに紹介される時が最も面白かったですね。
第10回の 「シークレットコース」や、スタジオの壁面だけでは足りず床にまで延びていた第12回 の「南北アメリカ大陸縦断コース」なども話題に
なりました。
最終週には、クイズ王がスタジオに登場するのが「恒例」でしたが、第4回では成田で 優勝した山口(旧姓・上田)さんにハチマキをあげた男性が
登場したり、第6回の 高橋さんの時には「愛する妻」とお子さんも登場されました。

今でも、お二人の名調子…(番組のラストで)
  高島「さあ、来週も!勝てば天国」
  石川「負ければ地獄」
  高島「知力・体力」
  石川「時の運」
  高島「早くこいこい」
  石川「木曜日〜」
  高島「史上最大!」
  石川「第○回」
  高島「アメリカ横断」
  石川「ウルトラクイズで」
  二人「お逢いしましょう〜」
懐かしいですね。

幻の「ウルトラクイズ殺人事件」

第6回のサイパン・空席待ちクイズでは、幻の「ウルトラクイズ殺人事件」なる作品が 登場。これを読んで(謎解きの部分は、封じられていた)
犯人を当てた順に、席に着ける と言うルールだった。
この本、この時のためだけに作られたもので表紙には自由の女神が松明の代わりにナイフ を持っている。
内容は、人気番組「ウルトラクイズ」の出場者が、高額の賞金と共に姿を 消し、彼は殺されてしまう。その犯人を警視庁殺人課の徳光警部が
捜査 する…と、言うもの。。
なお、登場人物はほとんどスタッフの名前であるが、誤植と共にところどころに 「北川」とか「宗田」と言った名前も見られるところから、どうやら
歴代クイズ王の名前を拝借 しようとしたふしもある。もっとも、放送作家が2週間足らずで慌てて作ったのだから、 仕方がないか…?