ウルトラクイズ復活待望論
1992年の第16回大会を最後に、ウルトラクイズは「眠り」に就いた。1998年に
一度復活するも、ファンにとっていろいろと「欲求不満」の残る
復活であったと思う。
最大の不満は…「今世紀最初」のウルトラクイズが未だ、テレビに登場していないのだ。
第14回のオープニングを見ると…
「未来のウルトラクイズ、21世紀のウルトラクイズは、どうなっているのでありましょ
うか?ちなみに、21世紀最初のウルトラクイズは第25回大会
になります。それまで、
ウルトラクイズは続いているのでしょうか?」
福留さんのセリフに、今となっては言葉を失う。あの時、第14回の「テーマ」であった
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にちなんだ福留節だと、
誰もが思ったはずである。
では、21世紀のウルトラクイズ復活に向けて勝手に考察してみたい。
スポンサーはどうする?
日テレの番組から「木曜スペシャル」が消えて久しい。ウルトラクイズをはじめ、数々の
名物番組がこの枠で放送されていた。何も「木スペ」の枠が
なければ…とは言わないが、
肝心なのはスポンサーの存在だ。この世の中、あれだけ制作費のかかる番組を支えるだけ
のスポンサーが果して
どれだけ集まるか…
スタッフはどうする?
未だ、ウルトラクイズの「ノウハウ」は生きていると思う。問題は、それを生かし上手に
膨らませ、独自のカラーに変えていくスタッフがいるか…
福留さんの「ウルトラクイズ
伝説」を読むと(時代の違いも、多少あるかもしれないが)実に魅力的な人たちが、あの
番組の礎を築いたのだと
知った。いま、あれだけの人物がいるかそして、彼らが動ける
環境があるか…?
特に司会進行役はどうする?
最も重要なのが司会進行役だ。ウルトラクイズと言えば福留さんのイメージがどうしても
付きまとう。
以下は私見だが、第15回・東京ドームでの福留さんの「引退宣言」と、後任
の福沢アナの登場はあまりに唐突だった。
ウルトラクイズファンならご存知と思うが、
福留さんがウルトラクイズを担当し始めた頃、スポーツ中継やナレーションの仕事が主だった
と言う。
福沢アナもまた、当時からプロレス実況では名が知れていた。局としては、
バラエティ・アナとしての福沢アナの「将来」を見越しての起用だった
のだろう。
しかし、決定的なのはウルトラクイズが「何だか分からない番組」だったのと
「年に一度のお祭り的イベント番組」という認知度の違いである。
そして福留さんは、14年間
そのイベント番組の「顔」であった。それが交代すると言うのである。
もっとも、福留さんの引退
そのものは「いずれその時が来るだろうな」と思っていた。
実際、1988年に福留さん
が「ズームイン!朝」を担当すると知った時、ああウルトラクイズの方もそろそろ潮時
なのかな…と、ひそかに感じた。
問題は、後任者へのバトンタッチにそれなりの「助走」と言うか、視る側に「ああ、福留
さんの後継者は、この人なんだろうな」と、思わせることを
しなかったことだ。
私は、福沢アナの進行ぶりを非難する気は全くない。むしろ、プレッシャーの中での司会
進行ぶりは、並々ならぬ苦労があったと思う。事実、
同じ福留さんから引き継いだ「高校
生クイズ選手権」は、見事にカラーを発揮して年に一度のクイズイベントとしての番組を
存続・発展させている。
敢えて言えば「二束のわらじ」が、ちょっと重荷だったのか…?
モバイル機器対策はどうする?
第1次予選を東京ドームで行うとして、意外と問題になりそうなのが「携帯電話」と
「モバイル機器」の存在だと思う。第12回で、携帯電話を
持ってきた挑戦者がいたが、
この頃のは肩掛け式のやたらデカイものだった。
しかし、今や持っていない方が珍しいと
言う世の中。しかも、簡単にインターネットにアクセスできる。文章も写真も動画まで、
思いのまま受・送信
できる。パソコンも、パームトップ型となればガイドブックなどと
大きさはさほど変わらない。また、手のひらサイズの機械に百科事典が収まっている
時代
である。
これでは、どんなにひねった問題を出してもかつてのような「盛り上がり」が、期待でき
ないばかりか、答えが偏る可能性は十分考えられる。
そして、東京ドーム周辺という狭い
範囲で、携帯の電波が一斉に受・発信を始めたら…電波障害になりかねない。
1998年の「今世紀最後…」では、参加者を一斉に東京ドーム内に入れてしまったのは
やはりこのようなことへの「対処」もあったのではないか、
とも考える。
クイズ研・クイズサークルはどうする?
クイズ研究会やクイズサークルの存在は、それほど問題にはならないと思う。なぜなら、
歴代のクイズ王はほとんどが「クイズ番組の出場・優勝経験
の豊富な人」である。時代が
時代なら、初期のチャンピオンはクイズ研などに所属していておかしくない人たちばかり
だ。
決勝戦まで勝ち残る人たちが、こういう「経験豊富」な人になるのは当然と言える。
ただ、ウルトラクイズが「クイズと言う名の人間ドキュメント」だと言うなら、こうした
「実力者」に絞られるのは、決勝地の手前になってからでいい。
4週放送として、3週目
の頭からクイズの実力者がしのぎを削るような展開になっては、見ている側を白けさせる
だけだ。
クイズ研を排除しろとは言わないが、占拠されるのはやめて欲しい。