大家さんとのおおげんか
 フィリピンに移り住んで最初の半年は、アヤラ財閥がつくった新興住宅地アラバンビレッジに住んでいました。家には水中に照明がついているプールがあり、ゴルフの練習ができる芝生の庭があり、自動車がホテルのように玄関まで行けるようになっています。一介の教師にとっては夢のような大邸宅です。ところが、半年住むと、いろいろな欠点が明らかになってきました。まず、水まわりです。水道代があまりにもかかるので、やはりプールのせいかと思って、プールの体積を計算し、調べてみたのですが、まったく計算が合いません。案の定、漏水していました。次に大理石のお風呂は水がたまるまでものすごく時間がかかり、毎日風呂に入りたい日本人の私たちには不向きです。電話の設備も不良で、私が修理しました。帰宅したあと光るプールで泳いだあと、ビールを飲みながらくつろぐというビバリーヒルズのような生活は終わりをむかえることになりました。
 フィリピン人女性と結婚し、マニラでしぶとく生きているつわものの日本人に相談しました。前述の直径3mのパラボラアンテナを設置している人です。事情を話すと、1年の契約を破棄して、引っ越した方がよいといわれました。
 話し合いのときがきました。相手はマルコスの時代がなつかしいという、上流階級の夫婦です。1年たたずして契約を破棄するなら訴えるというので、私のほうも水道代の請求書や漏水の現場写真を裁判所に提出するといいました。私も妻も頭に血がのぼっていたので、日本に帰国させられることになってもよいと、大声でまくしたてました。大分遅くまで、話し合いは続きましたが、大家さんは折れ、引っ越すことに同意してくれました。

フィリピン○×クイズ 
前回の答え ○
解説 ブリキのジープは30万円程度で買えます。カローラなどのエンジンが使われています。

問8 クアドの全天候型ドームの中にある広場でのビデオ撮影は禁止である。答えは


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