熱      中      症

 熱中症とは、一般的に暑さが直接原因となって起こる症状の総称として使われています。

熱中症は、暑い日差しの下(炎天下)でのスポーツ中に発生すると思われていますが、高い湿度や体調不良などいろいろな状況下でも発生します。症状の程度はさまざまで、軽い症状でもそのままにしておくと、死亡することもあります。

日射病

日射病は、夏の暑い日差しの下で、激しいスポーツや労働をしたようなときに汗をたくさんかき、気温の高い時、直射日光に長時間さらされた場合に起こります。人の体は、長い時間高温度の場所にいるといろいろな影響を受けます。中枢神経と体液に変調をきたすなど、さまざまな症状となって現れます。特に体力の弱っている人やお年寄り、小さな子供がかかり易いです。

  熱射病

  

異常な体温上昇(時には40℃以上)によって中枢神経障害をきたした状態をいいます。

熱射病は高温の室内で長時間労働したときや、野外の駐車で密閉した車内に小さな子供など寝かせたままにした場合などに起こります。症状としては通常、意識を失っていているか自力では動けない状態で、頭痛、めまい、嘔吐などの症状から運動障害、昏睡、汗はかかず、脈は速く強い状態で、錯乱していることもあります。

  応急処置

まず体温を下げる事が重要ですから、屋外ならば日陰で涼しい風通しの良い場所に運ぶ。
冷たい水で濡らしたタオルなどで全身冷やしながら風を送る。

☆冷房のある室内、扇風機などがあれば体温は効果的に下がるでしょう。
水風呂に入れても効果的。
脇の下や首筋に、アイスパックや氷をあてて血液を冷やすのも良いでしょう。
意識がしっかりしてきたら冷たい水を飲ませます。
回復しても、念のため 病院へ行って受診しましょう。

 

  熱疲労・熱痙攣

熱疲労は高温多湿の状態で、長時間汗をかき続けると起きます。また、蒸気の多い作業場や風呂に長く入り過ぎた時もこの症状になります。汗がひどく出るため、水分と塩分を失い、体の末梢血管に血液がうまくゆき渡らなくなって起こるのが熱疲労です。

熱疲労・熱痙攣は日射病や熱射病と違い、全身がだるくなり、大量の汗をかくので脱水症状になります。体温は正常か、すこし高低があったりして、皮膚は蒼白で冷たく湿っています。呼吸は早く、脈は弱くて速くなり、血圧も低くなります。頭痛、めまい、吐き気がして、さらに悪くなると嘔吐や失神さらには筋肉の痙攣を起こします。

 

応急処置

☆まず体温を下げる事が重要ですから、屋外ならば日陰で涼しい風通しの良い場所に運ぶ。
☆冷たい水で濡らしたタオルなどで全身冷やしながら風を送る。
☆冷房のある室内、扇風機などがあれば体温は効果的に下がるでしょう。

☆水風呂に入れても効果的。

☆脇の下や首筋に、アイスパックや氷をあてて血液を冷やすのも良いでしょう。
☆意識がしっかりしてきたら冷たい水を飲ませます。
☆回復しても、念のため 病院へ行って受診しましょう。
☆頭を低くし、足は20〜30cm高くして額と身体に冷たい水で濡らしたタオルなどで全身冷やしながら風を送る。
☆吐き気がない場合、冷たい0,1%の食塩水(コップ1杯に茶さじ1杯)をゆっくり飲ませる。


意識がハッキリせず、体が冷たくなりショック状態になった時は、救急車の手配と同時に毛布などで保温して下さい。

熱痙攣を起こした場合も同様に、0,1%の食塩水を与え、さらに痙攣を起こしている筋肉には温かいタオルを当てて痙攣を鎮めます。症状がひどく場合は、ただちに医師の診察を受けて下さい。