乳児・幼児の場合

子供に対する心肺蘇生法も、基本的には成人の場合と同じであるが、
年齢によって体の大きさや体型が違うため、注意が必要です。


蘇生法では、新生児(生後28日未満)、乳児(1歳未満)、小児(1歳以上8歳未満)に分類している。
なお、8歳以上の小児は成人と同じ手法を用いる。


屋外で発生した場合
「周囲の状況確認。 大出血等の確認。 意識の確認後周りの人に助けを求める。」
については成人と同じ過程で同じ要領で行う。

意識の確認

乳児の場合は足の裏を軽くたたいてみます。
小児の場合は軽く肩を叩き、声をかける。

小児 乳児


気道確保

乳児・小児の頸は非常にやわらかいので、無理に頭を後方へ傾けると、
かえって空気の流れを妨げたり、頸を傷めることもあるので注意が必要です。

片手で頭部を支え、他方の手であご先を軽く前方へ押し出す(頭部後屈とあご先挙上)か、
両手で下あごを前方に押し出して(下あご挙上)気道を確保します
  

小児 乳児

下あご挙上

  

呼吸の確認

気道(空気の通り道)救助者の目・耳・頬でしっかり確認する

小児 乳児


人工呼吸

乳児の場合には、救助者の口で、乳児の口と鼻を覆い、息を吹き込みます。

乳児・小児は、胸部や肺容量が小さいので、胸の動きを見て、吹き込み量を調整することが必要です。吹き込み量が多く、胃膨満が過度となると横隔膜を押し上げ、ますます肺容量を小さくして人工呼吸の効果を妨げるし、胃内容を逆流させて、気道をつまらせたりすることがあります。

最初の2回の吹き込みは、1回の人工呼吸に、1〜1.5秒かけてゆっくりと胸が膨らむ程度に吹き込む。以後乳児・小児とも、3秒に1回吹き込みます。

小児 乳児 (口と鼻の場合) 乳児(鼻の場合)過剰な吹込みを避ける


循環のサインの確認

○気道(空気の通り道)救助者の目・耳・頬でしっかり確認する。
○胸の動きや咳、身体の動きがあるか。
これらが確認できない時は、心停止と判断して、直ちに心臓マッサージをする。

小児
乳児
 心臓マッサージ 

乳児・幼児では、胸骨上で乳頭を結ぶ線と剣状突起の間を圧迫します。
目安として、乳児は1〜2本の指で毎分100〜120回の速さで胸の厚さの3分の1押し下げます。
幼児は片手の手のひらのつけねで毎分80〜100回の速さで胸の厚さの3分の1押し下げます。

小児の場合
(1)手の位置に注意(乳頭)
(2)
(3)
乳児の場合
(1)
(2)
(3)


乳児・幼児ともに5回目の心臓マッサージ終了ごとに1回吹き込みを行います。
救急車が到着するまで諦めずに繰り返す

意識が回復しても必ず医師の診察を受ける

日本赤十字社山梨県支部 事業推進課 田村さん・一瀬さんにご協力頂きました。