女族隷属

同人小噺_その1の幕間 by 北綾瀬

ポーン♪
 軽い音を立てて、エレベーターが止まった。
「えーと、忘れ物は…無いかな…?」
 日本人離れした魅惑の肢体にブランド物の紺系フォーマル・スーツを見事に着こなしたクールな美女が、肩まで伸びた黒髪からシャンプーの爽やかな香りを漂わせながら左手に吊るした洒落たデザインの書類ケースに切れ長の瞳を向けている。
 …うん、昨日中に用意しておいた契約書類や添付資料も確かに持った。
「正樹君の登校に必要な準備は万全だった筈だし、愛車のキーも持ってる」
 仕事をバリバリこなすキャリアウーマン…川奈冴子の準備に抜かりは無い。
「正樹君…正樹…様…♪」
 禁断の御名を口先に紡いだ途端、冴子は深めにサイド・スリットが入った紺のタイト・スカートと黒いレースの下着に覆われた股間が疼きだすのを実感する。
「だめだめだめ…」
 ぷるぷるぷると何度もシャープな顔を振って沸き上がる欲望を払いのける。
「少し無茶すれば午後出社に出来るけど…正樹君、私を気遣ってくれてたし、無為には出来ないからね…」
 しゅぃぃぃぃん…
 結局…今朝は魅入られた様に、出掛け間際に玄関で立ったまま2回、慌てて入り直したお風呂でも1回、さらに急いで玄関に向かった筈なのに気付けば自ら幼いご主人様のペニスを咥えて、激しくも淫らに首を振っていた…
 御免なさい…ご主人様…淫らな冴子を赦してね…♪
 だが、さすがに出社時間に余裕が無くなっていた冴子は、可愛らしい甥の熱くたぎり出てきた濃厚な白濁液に舌鼓を打つのもソコソコに、後ろ髪を引かれながら玄関を飛び出してきたのだ。 
「………?」
 愛くるしい幼い甥っ子の甘美な支配を受け入れた冴子。会社では決して見せない穏やかな照れた表情をシャープで美しい顔に浮かべると、改めて右肩からぶら下げたイタリア製のハンド・バックを担ぎ直す。
「…あの、乗られないのですか?」
「!? あ…す、済みません!」
 不覚にも独り上手に浸っていたクール・ビューティは、エレベーターの扉が開いたのに全く気付かなかったらしい。赤面しながらエレベーターに駆け込む。
「…冴子さん、これから出勤ですの?」
 気恥ずかしそうに同乗すると、冴子は見知った先客に頭を下げる。
「はい、これからです。由乃さん」
「クス…」
 エレベーター内のタッチ・パネルで『開』ボタンを押し続けてくれたのは、このマンションの名物美人オーナー…新浜由乃だった。
「今日は少し遅めの出勤ですのね?」
「はい、昨日から甥が引越して来たので…あ、後で同居人が増えた事を報告がてら由乃さんの処へ挨拶に伺おうと思っていたんです」
 ブランド物の紺系スーツでビシッと決めたクールな美貌の冴子とは対照的に、由乃は高級そうな着物を見事に着こなした淑やかで大人びた美女である。
「…そうですか、以前お伺いした亡くなられた姉上様の?」
「はい。遠縁の処から私が引き取って世話する事にしました」
「それは大変ね…でも、甥子さんに逢うのが楽しみ。冴子さんの甥子さんなら美形でなくて?」
 麗しい和服美人のオーナーは、雅な口元を着物の裾で上品に抑えながら微笑む。
「クス…はい、とっても良い子…私の自慢の甥っ子です」
「うふふ…それは楽しみ」
 高く結い上げた髪に薄めだが計算され尽くされた上品な化粧、そして和服が似合う優雅な物腰…どれもが一日で手に入る品格でないのは冴子でも確信できる。
 いつ逢ってもオーナーって、本当に優雅で奇麗…
「それでは甥共々、今後も宜しく」
「はい、こちらこそ」
 お互い狭い密室で、深々と礼を交わす美女二人。
「クス」
「クスクス…」
 冴子と和服美女は、一階に降りるまで朗らかな会話を楽しんだ。
 ポーン♪
「冴子さん、お車での通勤でしたわね?」
「愛車で30分って処です。渋滞に巻き込まれ無ければ良いンだけど」
 しゅぃぃぃぃん…
「それでは、いってらっしい」
「はい、いってきます」
 冴子はエレベーター前で和服美女に見送られながら踵がピン状のハイヒール独特な乾いた足音を響かせて、集合ポストや宅配ボックスの前を横切り1階エントランスの脇から地下駐車場へ降りる螺旋階段に姿を消していく。
「クス…冴子さん、えらく上機嫌でしたわね…」
 颯爽と地下駐車場に去っていった凛々しくもクールなキャリア・ウーマンを見送る美人オーナー。彼女は優雅に右手を口元に添えながら淫靡な媚笑を白百合の様な美しい顔立ちに湛えていた。
「それじゃあ私も一旦、部屋に戻りましょうか」
 妖艶な色気を湛えた大人びた淑女は雅な美声で独り言を小さく呟くと、先程のってきたエレベーターに静々と戻っていく。そしてタッチ・パネルの脇に袖から取り出した電子キーを挿し捻り『屋上』ボタンが点灯するのを確認して、『屋上』ボタンに細く奇麗な色っぽい指先を優しく触れさせる。
「ふふっ、冴子さん自慢の甥子さん…早く直接お逢いしたいわね…」
 しゅぃぃぃぃん…
 謎めいた和服美女…新浜 由乃は、独り想いに耽ながら静かにエレベーターの扉の奥に消えていった。




 カッ… コッ… カッ… コッ… カッ… コッ…
 ふぅ…駐車場までエレベーターが直通してれば早くて楽なンだけど。
 ちなみにエレベーターは地下駐車場まで降りていない。出入りする際に必ず警備員が常駐する管理ブースが併設された1階エントランスを通過する構造だからだ。億ションの名に恥じないセキュリティの高さである。
 きゅきゅ♪ ……がちゃ
 冴子女史は真っ赤な2ドアのコルベットの左側で立ち止まると、軽く周囲に気を配りながらワイヤレス・キーでドア・ロックを解除し、重要書類が納められた洒落たデザインの書類ケースと伊製ハンド・バックを助手席のシート上に放り込む。
「さあ、時間も圧してきたし…オフィスへ急ぐとするか」
 深めに入ったタイト・スカートのサイド・スリットから大胆に覗く黒いストッキングに覆われた長い美脚も露に、ブランド物の紺系スーツをビシッと着こなしたグラビア・モデルばりの肢体をドライバーズ・シートに沈め、真紅のアメ車にカッコ良く乗り込む冴子女史。
 …バタン!
 まるで高級車のCM撮影にも使えそうなワン・シーンである。
 キュキュキュキュ…ヴォン…ヴォォォン!!
「ん! 今日も愛車は快調だね」
 冴子がキーを一捻りすると真紅のコルベットは元気よく大排気量の咆哮をあげた。
 車内に朝シャンの名残を爽やかに漂わせながら愛車の風格に見劣りしない美貌のドライバーは、ダッシュ・ボードから愛用のアクセサリー類を助手席のシート上に引っ張り出していく。軍用機のパイロット達が愛用するレイヴァンのサングラス、指貫きされた黒革製グローブ、そして数枚のMD…
 ヴロロロロ…
 大排気量のエンジンが奏でるアイドリング音の中、しなやかに伸びた指を順々に指貫きされた黒革のグローブに通すと艶やかな肩まで伸びた黒髪を掻き揚げ、冴子は切れ長の両眼をサングラスで覆った。
「さて、と…今朝はコレで行くか…」
 冴子は薄っすらとサングラス越しにクールな切れ長の目を助手席側に向けると、青色のMD…Upテンポな曲で構成された洋画のサントラを拾い上げカーコンポのMDスロットに突っ込んだ。程なく車内はUpテンポな洋楽のリズムに満たされていく。さあ、片道約30分のドライブの始まりである。
「♪ それじゃあ、正樹君…冴子は行ってくるね!」
 そしてビシッと仕事を片付けて、出来るだけ早く帰ってくるから…
 クールな美貌のキャリア・ウーマンは艶やかな唇を軽く一舐めすると、正確なハンドリングで地下駐車場から大きな車体を地上に向かって滑り出させていく。
 ヴォンヴォン! ヴォロロロ…
「そうだ…今度、二人で深夜のドライブに出掛けようか…?」
 助手席に正樹君かぁ…狭い車内で冴子を可愛がって貰うってのも刺激的かも♪
 華奢なご主人様にシートごと押し倒される姿を想像して思わず惚けるクール・ビューティ。歩道を横断して表通りに出る時になって我に返り、冴子は左ハンドルを握っていた右手でコツンコツンと自戒の念を側頭部に込める。
「しっかりしろ川奈 冴子。私に何かあったら正樹君が困るのよ!」
 ウインカーを点滅させながら優しく左折して流れにのる真っ赤な2ドアのコルベット。対向車線で信号待ちしていた男女を問わず殆どのドライバーがアメ車を操る冴子の凛々しい美貌に魅了され、暫く信号が変わった事に誰も気付かなかった。




 大排気量のエンジンを唸らせ軽快に表通りを疾走する真紅のコルベット。丁度自宅に近い駅周辺を走行していた時である。
 …んっ? そろそろ正樹君も家を出た頃かしら…?
 冴子はUpテンポな曲が鳴り響く車内でサングラス越しにカーコンポのディスプレイ部の隅に表示された時刻を一瞥すると、クールで凛々しいキャリア・ウーマンは何気に出掛け間際の正樹との痴態を思い出してしまった。
 あん…また疼いてきちゃった…
 紺のタイト・スカートと黒いレースのショーツに包まれた秘裂の奥が甘美な悲鳴にも似た痙攣を起こし、思わず指先で慰めたくなる衝動に悩まされる冴子。
「はぁ…参ったわね…」
 運転中の冴子は困った様に柳眉を寄せると、指貫きされた黒革のグローブに第二間接まで覆われた右手人差し指でトントントン…と、苛立たしげにハンドルの縁を叩きだす。
 もう! 全く信号は赤にならないし…
 そう、彼女の愛車…真紅のアメ車はマニュアル仕様なのだ。左手でハンドルを握り右手でシフトレバーを操作する関係上、安易に片手をタイト・スカートの中へ滑り込ませられないのである。
 軽い渋滞にでも引っ掛かンないかな…ん?…?!
 幸運の女神は彼女の近くに居たらしい。指先でハンドルを叩きだしてすぐに前方で車列の流れが目に見えて落ちている事に気付く冴子。どうやら先の方は渋滞している様子だ。
「ふふっ…ツイてる」
 急速に速度を落とし渋滞の最後尾に付ける真紅のコルベット。冴子は前方の国産セダンと少し大きめに車間距離を取ってから、まず最初に渋滞の規模と原因を把握すべくカーコンポに隣接するカーナビのタッチ・パネルを軽快に弾いていく。
「ふ〜ん。渋滞は3キロ…長い渋滞じゃないのか…原因は…故障車ね」
 まあ、いいや…僅かな時間だけど有効に利用させて貰うから…
 冴子は指貫きされた黒革のグローブに覆われたままの左手をタイト・スカートの深めに入ったサイド・スリットから差し込むと、黒いストッキングにガードされた太股を撫で上げながら黒いレースのショーツに包まれた秘裂の上に持っていった。
「ふふ…うっ、うくん…あふぅ!」
 じつは早朝、玄関口で正樹に犯された時にパンストを破いて交尾した冴子は一計を案じ、身繕いし直す時にパンストではなくガーターベルトで吊るタイプのストッキングに切り替えてみたのだ。
 あン! ふふ…これは正解だったかな…
 黒いレースのショーツもストッキングを吊った後に脚に通した。これならスカートを捲り上げてショーツを押し下げるだけで、直ぐにでもご主人様に挿入して貰える。
 だが、オナニーするのに都合が良かったのは嬉しい誤算だ。
 幼い少年の『肉奴隷』と化した冴子は淫惚に近い笑みを凛々しい顔立ちに浮かべると、ガーターベルトの吊り紐の上から履いているショーツの縁から人差し指と中指を潜り込ませ、潤みかけた秘裂の周りや半立ちの肉芽を優しく撫で回す。
「はぁぁぁ…くぅん…ご主人…様ぁ…あん!」
 もぞもぞ…くちゅっ…
 艶やかな肩まで伸びた黒髪に縁取られたクールで知的な小ぶりの顔を焦燥感に染めながらも、冴子は停止と徐行を繰り返す車の流れを掌握しながら中途半端な自慰を続けていく。
 あン、また進むのォ…もぅ!
 冴子は運転に適さない踵がピン状のハイヒールを履いたまま、巧みにアクセルやクラッチとブレーキを交互に操作しながら、車間距離を広めに確保しつつ真っ赤なコルベットを器用に運転していた。その間も左手のしなやかな指先で秘裂を弄り続けながら…
くにくに…こりりっ…にゅぷっ!
「あ、あと少し…くっ…くぅぅぅ!」
 浅い快感を何とか高めて軽い絶頂を迎えたい冴子。だが口惜しい事に渋滞の原因と思しき故障車が潤んだ切れ長の瞳にチラリと映ってしまった。
 !? …ふぅ…あと少しなんだけど、潮時みたい…
「残念…仕方ないか…」
 涼しげな切れ長の両目に恨めし気な悔恨の炎を燻らせながらも、冴子は黒いレース柄ショーツの中から左手を引き抜くと、紺のスーツのポケットからブランド物のハンカチを引っ張り出し愛液で濡れた指先を器用に拭っていく。
「オフィスについたらトイレに直行しなきゃ…」
 溜め息混じりに火照った肢体を無理矢理に鎮めさせる冴子。そんな愚痴をこぼしていると、故障車の後部近くに三角の反射版を展開してる処まで彼女のコルベットは渋滞を前進していた。
「ふぅん…役員送迎用のジャガーが故障してたのか…?」
 見ると英国製の高級車…車体の後部に自動車電話用アンテナを立てた4ドアの黒いジャガーがボンネットを開けた状態で路肩に寄せて止まっている。
 …あの娘が運転手かな?
 運転手だろうかダーク・グレー系の上品なビジネス用スリー・ピース…スーツとベスト、下は同色のスリム・パンツを着込んだポニーテールの可愛らしい若い女性スタッフが、歩道側で申し訳無さそうに上司と思しき二人の白人女性の前でうな垂れていた。
「…何か、深刻そうな故障だな…可哀相に…」
 しかし、あの二人の外人さん…凄く奇麗…ふふ…正樹君なら見惚れちゃうな…♪
 二人とも長身で一人はソバージュがかった長い金髪に青い瞳の豪奢で気の強そうなベージュ系の上品なスーツを着た美女。もう一人は…秘書だろうか携帯電話で何やら話し込んでいる…真紅の髪をショート・カットに整えた茶色い瞳の凛然とした落ち着いた感じでライト・ブルー系の活動的なスーツを着た美女だ。
 ん? あれ…あの金髪さん…確か何かの雑誌で見た覚えがある…
「誰だったかな…?」
 そう確かに冴子は半月前にオフィスで定期購読している経済誌で彼女の特集をチラッと読んでいたのだ。だが正樹を想って中途半端な自慰をしていた影響か、愛車のハンドルを握っていた冴子はその場では金髪美女の正体に気付かなかった。
 まあ、ココで思い出せなくても大した問題じゃ無いか…
 真紅のコルベットが故障した黒いジャガーの脇を摺り抜ける時、赤毛の美女が携帯電話を切ると上司と思しき金髪美女に耳打ちしている。
 …?
 どうやら代用車も諦めたのか赤毛の白人美女がポニーテールの若い女性スタッフを優しそうにねぎらうと、彼女一人をジャガーの見張りに残して金髪と赤毛の白人美女二人は先を急ぐ様に最寄りの駅の方に向かって歩道を歩いていく。
「この時間帯の電車移動は大変なのに…御愁傷様…」
 愛車のバック・ミラーで急速に遠ざかる人影を見送っていると、段々渋滞を抜けだし正面の視界が広がっていく。冴子は再びアクセルを踏み込み車の流れに巡航速度を戻すと、スタイリッシュな仕種でサングラスをかけ直す。
「私も先を急がないと…」
 早くトイレでさっきの続きをして落ち着かなきゃ。
 ヴォン! ヴォォ〜ン! ヴォォォォォ〜ン…
 冴子の駆る真紅のアメ車は軽快な爆音を響かせ再び加速しだすと、彼女が勤める摩天楼のオフィス…高層ビル群の一角を目指し、表通りからフリーウェイへ進入していく。あと20分もコルベットが快走すれば冴子はオフィスのトイレに到着する距離の出来事だった。


北綾瀬様より冴子さんのお話を頂きました。
ありがとうございました。