見習い魔女の作者

Ms.Koryu
ミズ・コリュ

それから22

コリー、コリー・・・・
遠くから私を呼んでいる声が聞こえたのでございます。。
うっすらと目を開けると、薄暗い私の部屋でした。

ミャ〜ン!
「ああ、Ruvei。」
いつものようにRozeおばさんが
「コリー気分はいかが?」

と言いながら部屋に入ってきて、顔をのぞき込みました。

「夢を見ていたのかしら、今日は何日?」
「もう春よ。眠りに入ったのはX'masの晩餐の日でしたよ。」
と言いながら、カーテンを開けるRozeおばさんの方へ目をやると、
春の萌葱色のカーテンに変わっていました。

「珍しいお客様が見えていますよ。」
Rozeおばさんが言うと

「コリー、気分はどうだい?」と言いながら、
満面の笑みを浮かべながらAzuki Rossi chefが、
ドアを開けて入ってきました。
「もうそろそろ目覚める頃だと思ってね。
南の島へ行く途中に寄ったんだよ。」

いつも突然現れるシェフでしたから、驚きませんでしたわ。

「コリーが好きな、サヨリのリゾットを作ったけど、食べるかい?」
「ええ、もちろん。」
「Ruveiも一緒におあがり・・」

いつものようにRuveiのお皿も一緒に運ばれてきたのでございます。。
やはりシェフのリゾットは、ほっぺが落ちるかと思うほど美味しい。
しばらく何も食べていないお腹にはとても優しい味でした。

「コリー、X'masのご馳走はみんなで戴いたよ。
頑張って、作ってくれたんだね。
とても美味しかった。
コリーも腕を上げたから、私の助手が勤まるかも知れないぞ。」
と言いながら、私のおでこに手を当てて熱を計り、
大丈夫だ安心したという顔をしたのでした。


「はい、シェフ、ありがとう。」

「今日はこれから南の島へ行かなきゃならない。その前に話があるよ。」
「何でしょう?シェフ」
「G.Bのことだ。」
と言うと、
少しためらいながらも、
黒猫嬢から聞いた吸血ドラゴンとの闘いの話しをしたのでした。
涙が溢れるのを押さえることが出来なかったのでございます。

「G.Bが、死んじゃった・・・。うわ〜ん!」
Rozeおばさんが飛んできて、私をそっと抱きしめてくれたのでございます。
Ruveiが膝の上に乗ってきて、そっと頬ずりをしてくれました。

Azuki Rossi chefは

「今度は虹の上のハーブ園へ招待するよ。コリー」
「だから、早く元気になるんだよ。」
「じゃ、またね」
と言うとパッと消えて行ってしまいました。

私は、Ruveiをギュッと抱きしめました。

「みゃ〜ん、みゃ〜ん!グルグルグル・・・」

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