西丹沢 戸沢ノ頭880m・大杉山861.m  2004/04/01

丹沢湖の北にある中川川と玄倉川に挟まれた山塊の中に戸沢ノ頭や大杉山の山名があるが、
ルートは記載されていない。 

中川橋から540、・880戸沢ノ頭、・876、・861.1大杉山、・ 845、・956、・926の
標高点を繋いで1210mのヤブ沢ノ頭まで縦走する藪漕ぎのルートがある。
ただ、956の先には急降下の危険な痩せ尾根もある。

前から気になっていた山なので、ミツマタの咲く時期にと思って。

西丹沢行きのバスに乗り、中川橋で降りて、少し引き返し左の橋を渡る。
対岸の突き当たり右側に駐車場がありボロ車が1台放置されている。道の先はゲートが閉じている。

駐車場の傍の、取り付きの階段を上がると直ぐに道はスズタケの笹で覆われ、明瞭なルートはないので、
樹林の中を上がって行って、少し右に回りこんで稜線に乗り、笹を掻き分けて・540mピークに上がった。

笹を掻き分けて進んだ後、ズボンに1-2mm位の赤い蜘蛛みたいに見える若ダニが沢山付着していた。
手で払うと簡単に落ちてしまった。成長すると5mm位になるそうだ。

ピークには来た方向とは違う所に下りルートを示す白いひもが木に附けてあって、笹に分かれ目があって
道形がある。 植林の上の方で、右に回りこんだのがまずかったようだ。

540mから先は薄い踏み跡が稜線についている。
1時間程は雑木林の中の尾根を上がる。720mあたりに大きなミツマタが咲いていた。

・880m戸沢ノ頭。 丹沢湖畔から見上げて手前の一番大きく見えるのが戸沢ノ頭である。
ここは植林の中、金網に「遠見山」と手製の標識が附いていた。
付近にはミツマタの群生が見られる。

植林は大杉山まで続いている。 アップダウンは殆どないので、スタスタ歩けるが、
周りの景色が見えないので大杉山,大杉山と念じながら金網沿いを歩くと大杉山に着く。
念力の無い向きはコンパスを使い、踏み跡がフェンス沿いに北東〜北北東に進んでいることを確認すると良い。

大杉山の三角点も植林の中で見晴らしはない。
金網を乗り越える梯子の脇の杭に、落ちた山名板を赤テープで止めてあった。
三角点の100mほど先で、植林が尽きた所から先は雑木林で、今は冬枯れで見通しが良い。

少し先で尾根が急に落ち込んでいる。ここで目標の・956や・1210が樹間越しに見える。


左の前方に低い痩せ尾根が続いているので、そちらに進む。
20分程で、845の小ピークに着く。

845を過ぎて尾根が落ちる所では、行く先の・956の一段高い尾根が左前方に見えるが、
右に下って廻りこんで行く。ここから先はヤブ沢ノ頭まで、踏み跡は確かである。

・956は小広く長い山頂で、左の方には箒沢の集落が見下ろせる。
右からのヤヒチ沢を詰めて来るサワヤさんには956とも弥七沢ノ頭と呼ばれているようだ。
[弥七沢]で検索するといっぱい出てくる。ここから中川温泉に下る踏み跡もあるようだが険しそうだ。

大分汗をかいたので、・956の先の少し下った所で岩が散在するところで小休止、お茶にする。
GPSの画面に、・956を通り過ぎた事が示されている。 → こちら 11kb

820mの最低鞍部までの痩せ尾根の下りは危ない。
2003年6月、木の根に足を引っ掛けて転落事故が起こった。このあたり痩せ尾根上に笹やアケビの枝がうるさい。
慎重に進んで最低鞍部は無事通過した。

登り返しは笹や木の根を掴んでよじ登る急登が何箇所かある。

・926mは小広いピークだ。

その先は 暫くはなだらかに下るが、間もなく痩せ尾根になる。
ちょと危ない感じの所もある。

約30分で、到着した雑木林からヤブ沢ノ頭の急登30分が始まる。

岩がごろごろした場所がある。

2箇所目の岩ゴロゴロを通過すると間もなく檜洞丸と箒沢をつなぐ登山道にでる。

道の向こうの高みが・1210mである。
(「ヤブ沢ノ頭」という標示板があるのはここよりも80m位高い、右隣のピークである。)

左に10分程下ると「板小屋沢ノ頭」 の標示板が立っている。
地図では、 ここから箒沢までは50分とあるので、16時25分のバスに乗れそう。

少し早足で下って途中の沢で小休止、おいしい水を飲んだが、バス停には16時20分に着いた。

時刻表には16時21分と書かれていたが、バスは26分ころに来た。
長い休憩無しでも、やっと間に合った感じである。 この後は、50分後の17:15が終発である。 
バスの先客は朝見かけた女性ハイカーが一人。
中川温泉から10人程が乗り込んできた。谷峨駅の脇の桜が綺麗だが、未だ蕾もある。

今日は誰もいない山で、鹿一頭の足跡しか見なかった。
迷いやすいところも無かったが、笹のトンネルをくぐったり、
狭い痩せ尾根でもアセビの枝を押しのけながら進むなどした。盛夏には通り難いと思う。
持参した、お助けロープ40mを使う必要はなかった。

このルートは、急登に耐える脚力が無いとか体調に不安がある場合は難しいルートだ。
道標は一切無いので、地形図とコンパスと標高計を使わない人は行くべきではない。

ミツマタの群生の鑑賞はミツバ岳の方が良いです。
危ない思いをしてまでの花ではないし。

新松田8:10⇒9:07中川橋9:15→9:47540m10:05→10:58・880遠見山(戸沢ノ頭)11:10→・876m11:21→
・861.1大杉山11:35→845m11:52→・956m12:44→・926m13:58→ヤブ沢ノ頭・1210m15:06→
15:18板小屋沢ノ頭15:25→15:57板小屋沢→16:20箒沢公園16:26→谷峨⇒松田


行程全図(GPSデータによる軌跡)は こちら 68Kb

標高グラフは こちら 23kb


事故:2002年6月23日 大杉山から藪沢ノ頭に向かう16人グループの内、70才の男性が転落死。

大杉山から中川温泉に向かう難コースがある。支尾根から支尾根への乗り換え地点が難しい。
    2006年1月31日 大杉山から馬草山を経て中川温泉に向かう途中、悪天候で3時間迷った末、
       気温3℃の山中で一晩過ごしていた17人グループが1日に無事救助された。

    2006年2月11日に大杉山-馬草山-中川温泉の下山路を訪ねてみた こちら
                 

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