牛山隆信氏が運営するウェブサイト「秘境駅へ行こう!」では秘境駅としてランキング入りしている明塚。駅のすぐ近くに民家が何軒か立ち並ぶ。しかしながら駅周辺にある建造物はその数軒の民家と江津寄りにある水力発電所しかなく、駅前に住んでいる住民のために造られた駅と言っても過言ではない。

 元々三江線沿線の道路は車幅が狭く、江の川に架かる橋と橋の間隔も空いていて対岸に出るのも大変なエリアも存在する。代替道路の未整備こそ、三江線が前々から廃止がささやかれながらも、ここまで生き延びて来られた所以なのだが、明塚の駅がなかったら、そこの小集落はそれこそ陸の孤島になっていたかも知れない。

 明塚の駅周辺は畑地になっていて、中には動物除けの電気柵も設置されているが、大半が荒れ地となっていて、雑草が目立つ。

 また秘境駅ではあるものの、待合所が上屋タイプのものであるせいか、駅ノートがなく長時間の滞在には若干厳しいものがある。

 廃止の方針が決まったこともあって、三江線は江津~三次まで通しで行くことができる列車内は多くのファンが乗りに来て賑わっているが、通しではない浜原発の区間列車に乗り込んだ時、他に乗客は1人しかいなかった。これが三江線の本当の現状なのかと思い知らされた。

                                                          (2016.10.10)

明塚のホーム。畑地に囲まれた駅だ。


ホームに戻る
路線別リストに戻る 都道府県別リストに戻る
三江線の秘境駅の一つとされている明塚。周囲には数軒の民家と水力発電所があるのみだ。
Akatsuka
明塚のホーム脇の45キロポスト。江津から鉄路で45キロ進んだことになる。
明塚の駅入口周辺。畑とはいっても大半は荒れている。
明塚