Echigo-Kanamaru
越後金丸
越後金丸のホーム。玉川口が廃止された今、米坂線の秘境駅と言えばここかも知れない。
大きな駅舎の越後金丸。国道に面しているため、車が比較的速い速度でビュンビュン通過する。
越後金丸の駅周囲には採石場しかなく、人影がまったく感じられない。
交換可能な対抗式ホームを持つ越後金丸の駅全景
 米坂線のディーゼルが新潟県に入って最初に到着する駅が、ここ越後金丸である。交換可能な対抗式ホームを持ち、2階建ての大きな駅舎には駅員がいてもおかしくないほどの佇まいをしている。

 駅舎のまん前には国道が通り、その先には荒川の景色が楽しめる。ただし駅周辺には米沢寄りに採石場があるくらいで、遠方に民家が見えるものの、その距離はおよそ400〜500メートルくらい離れている。何もない所を数百メートルも歩くのは心理的にかなりの距離を歩かされる感じがするだけに、利用者がそんなに望めない感じがした。

 かつては越後金丸と小国の間に玉川口という無人駅があった。そこは山間にあって、一部の普通列車も通過してしまうほど冷遇されていた駅だった。今でも残っていれば米坂線内で一番の秘境駅であったかも知れないが、1995年に玉川口の駅は花立と共に廃止されたため、今の米坂線内の秘境駅といえばこの駅だけかもしれない。

 私はこの駅を訪問するために青春18きっぷで「ムーンライトえちご」を使って新潟入りし、坂町から7:17分の上りの始発列車に乗ってここを降り立った。一通りの写真撮影や周辺散策をした後はさすがにやることがなくなってしまった。この日は夏の暑さ真っ盛りであったために、暇つぶしと暑さを少しでも和らげようと思って、駅備え付けの水道の水を使ってホームや駅舎の入り口あたりに水を撒く、いわゆる打ち水をやってみたが、体を動かしたためにかえって暑くなってしまった。

 かつて米坂線はキハ52やキハ58が駆け抜ける、国鉄型気動車にとって、ここは最後の楽園的な路線であった。しかし2009年3月のダイヤ改正において運行車両をJR東日本社製のキハ110やキハE120に統一してしまい、米坂線の国鉄型気動車は引退した。新しい車両を見ると、これまでの米坂線の魅力が薄れた感じがして寂しくなった。

                                                                 (2009.8.18)


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