有馬・草津と並んで日本三名泉で知られる下呂と対を成す地名である上呂は、小さな田舎町に開業時の木造駅舎が今も残っていて、これぞローカル線の駅と感じさせてくれる。

 交換可能な対抗式ホームを持ち、駅構内のポイントはY字型の構造となっているため、高山本線の看板列車である特急ひだは高速で通過していく。

 無人化されてはいるが、待合室内にはチッキときっぷ売り場の面影が今も残り、前者は発車時刻表と運賃表。後者は上呂周辺の写真が飾られ、ミニギャラリーといった趣きとなっている。

 今回上呂を訪問するきっかけとなったのは、テレビ東京系の人気ドラマ「孤独のグルメ」が10期目にして初めて岐阜県がロケ地になり、松重豊演じる井之頭五郎が空腹で見つけた、上呂の駅近くにある大安食堂で食事をしようと考えたからだ。駅から国道に出たら左に曲がって歩いて行けば、ファッションセンターしまむらの隣にあるので簡単に見つけられる。

 ドラマで五郎と同じく、店の看板メニューとなっている、とんちゃんとけいちゃんの定食を注文してみた。味噌仕立てのお肉はご飯によく合い、コンロでじっくり焼いていくスタイルなので、ちょっと焦げ目にすると味噌の味も濃くなってより美味しくなり、味変に生卵を追加してすき焼き風にして食べるのもよい。またご飯もおかわり自由なので値上げや、値段据え置きでも量が減らされている今のご時世にはたまらないサービスとなっている。

 国道沿いなので車なら営業時間内ならいつでも大丈夫だが、普通列車しか停車しない駅なので、列車で来る場合は学生の下校時間帯の便に乗って来店するのが最も適していると思う。

                                                     (2022.12.12)

跨線橋から撮った上呂の風景。高山本線の看板列車、特急ひだは高速で通過していく。
上呂のホーム。交換可能な対抗式ホームである。
Joro
「孤独のグルメ」に登場した、上呂の駅近くにある大安食堂の看板メニューである、とんちゃんとけいちゃん
上呂の駅舎。田舎の町には古い木造駅舎がよく似合う


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上呂の切符売り場だった場所はミニギャラリーと化している。
上呂